奏でたまえ！ #私の勝負曲
演劇部に入っていた3年間の高校生活が終わった時、もうステージに立つことはないんだろうと思っていた。
だけど人生はわからない。
4年前の2016年の秋、僕はひどい運動音痴だったにも関わらずタップダンスを習い始めた。
それまでステージは常に見る側で、ダンスなんて自分がやるには一番縁遠いものだと思っていた。
「もう立つことはない」なんて思っていたステージに立つ時に必ず聴く曲があるので、今日はその曲のことについて話したいと思います。
タップダンスについては最近書いたので、そちらの記事もよかったら読んでほしいです。
#教養のエチュード賞 に寄せて。
2017年7月、タップダンスを始めて10ヶ月になろうとしている頃にあるダンスマンガ原作のアニメがスタートした。
ボールルームへようこそ
作品との出会いは、ダンスを始めた直後。
自分がまさかダンスに目覚めるなんて！と「ダンス」という単語だけで心が浮き立つような時期に、原作である同名マンガを書店で手にとったことがきっかけでした。
平凡な中学生、富士田多々良は社交ダンスの世界と出会い、徐々にその才能を開花させてゆく！
唯一無二のダンススポーツ青春譚！！
(講談社コミックプラス作品紹介より引用)
社交ダンスとタップダンスというジャンルの違いはあれど、主人公の多々良がダンスの楽しさに目覚めのめり込んでいく姿にタイムリーに感情移入し試し買いのはずが毎日のように一冊ずつ書店に続きを買い求めた。
繊細なタッチで描かれるキャラクター。ダンスシーンではその繊細さにダイナミックな躍動感と力強さがこれでもかと詰め込まれる。
紙の上のボールルームで確かに「動いている」という感覚に没入度はページをめくる毎に高まっていった。
気付けばこの作品の虜になっていた。
見ただけで身体に振り付け(バリエーション)を落とし込める彼のような才能はないけれど、ダンスが楽しいという熱には共感しかない。
そんな作品のアニメ化。
続けて2クール放映され、主題歌はOPとEDでそれぞれ2曲タイアップされた。
僕はこの2曲のオープニング曲が大好きだ。
第1話 - 第11話OP
「10% roll, 10% romance」UNISON SQUARE GARDEN
物語のはじまり、ダンスに出会って練習してひとつひとつ上達していく多々良くんにマッチした曲。
サビに入る前の、
どこへでも行けるさドアは開けておいたんだよ
奏でたまえ
という歌詞がまさに新しい「ダンス」という世界のドアを開けたばかりの僕にも刺さった。
そこから続くサビの
テクミーアウト！
照れながら手を握ったら
僥倖なリズムをお目にかけましょう
君がどんな風に世界と踊るのか
もったいないから ちょっとずつ教えてほしいんだ
は、ドアの先でどんな風に踊っていくのか、自分でもわからないところを問われている気がしてドキドキした。
第12話 - 第24話OP
「Invisible Sensation」 UNISON SQUARE GARDEN
物語が少し進んで、上達してきた多々良くんが正式にパートナーと出会って衝突、悩んで悩んで自分たちのダンスを見つけて一つ上の段階にいく。
その鬼気迫る、ダンスへの情熱が加速していくイメージにぴったりの曲。
この曲は冒頭の静かな緊張感があっての、サビでの振り切るようなスピード感が好き。
ねえここから 遠く遠く目指すとして
いったい何が見つかるかなんて
考えてる時点でもう無中心コースアウト
見逃すなよこの瞬間をScopeしろ
余計なことなんて考えてるより、練習での少しでもよくするための糸口を離さないこととか、ステージで思い切り踊ったときの高揚感と目の前の煌めきを大切にしたい。
プロになるわけでもなく、資格の勉強でもない習い事かもしれないけど、そんなことどうだっていい。
だけどいつか誇れるくらいには
人生はよくできている
だから 生きてほしい
ほんと、人生はどうなるかわからない。
僕はあの日タップダンスを始めてよかったと思っている。
苦しい中で、このドアに手を伸ばしてくれたあの時の自分に感謝しています。
この2曲は放映以降、スタジオの発表会や地域のお祭り、先生について出たライブなどステージに立つ日に必ず聴く曲です。
ステージに立つのは多少なりとも緊張するし、その時の全力をしっかり出したいから。
会場への移動中に、この2曲を聴いて気持ちを高めています。
テンション上げるの大事！
というわけで、以上が僕の「勝負曲」です。
テンション上げてくれる素敵な曲なので、よかったら聴いてみてください。
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