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モノのものがたりを可視化する

もし、自分が購入した商品の身元が100%可視化できたら。どんな人が作っているのか、どんな場所で作っているのか。どんな気持ちで、どんなふうに。。。購入したモノの物語が見えるなんて素敵なことだと思う。

さらに、そのモノの材料の出どころまでもが可視化できたらスゴイ。そして、ダレがそれを運んで、それを売った人はダレで。。。そこまで見えたらワクワクは最大限。スゴイ旅をしてきた商品。心温まる思いで作られた商品。そんな商品の生い立ちを知ることで、モノを大事に使うことが出来そう。

それってどんな感じか知りたくて、ちょっと詳しいアパレル製品で考える。例えば、アルパカセーターがどんな流通をしているか。知ってる知識をフル動員して妄想してみた。

ペルーの高地でアルパカを放牧することで生計を立てている人たち。その人たちと契約し糸を生産する紡績メーカー。それを買い付ける日本の繊維商社。船でセーター工場のあるミャンマーまで糸を持ってくる海運会社。ミャンマーの倉庫でアパレルメーカーからの受注を待つニット原糸たち。

ところ変わって、東京で繊維商社の営業マンがアパレルメーカーやショップを周り、アルパカ製品を作らないかとデザイナーやマーチャンダイザー・バイヤーにプレゼン。こんなデザインでこんな色で、仕様書が出てきて商社の企画が英語に直してミャンマーに送る。ミャンマーで現地工場の企画が仕様書を工程指示書に書き換えて生産開始。

ミャンマーの染色工場に糸入れて染色作業。その後、一枚一枚セーターを職人が手で作る手横機で編んで、最後にアイロンで寸法整え、日本に向けて船便で出荷。日本についたら商社の通関士が手続し、関税を支払って袋詰め工場へ。袋詰めが終わったら、倉庫で出番を待つアルパカセーター。

やっと店頭に並んで販売員さんからすすめられて、わたしが購入する。

仕事的にちょっと詳しいアパレル系で考えてみたけど、こう考えると、一枚のセーターに何人の人が関わったんだろう。何社関わって出来ているのだろう。アルパカを放牧する人たちから、私たち消費者のまで何人の手を通っているんだろう。考えると100人以上。。。ここにさらにボタンやブラントタグなど副資材まで入れると。。。

そんなに人が関わっているんだぁ。普通に地球を半周しているんだぁ。考えてみるとすごいもんだ。流通の力って偉大。

でも、それぞれの人に生活があって思いがある。この関わった人たちを知りたいと思ったときに知ることが出来ることに意義を感じる。

ちなみに、アルパカであればCOOPECAN(ペルーのアルパカ羊毛協同組合)が取り組むブロックチェーンを使ったアルパカ個体の健康管理システムから、個体番号とを一致させるトレーサビリティ・システムを作ることを検討しているらしい。

写真また借りました。海の上から撮ったのかな?貨物船かっちょいい。