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展覧会レビュー:ゲルハルト・リヒター展@東京国立近代美術館

久々の東京国立近代美術館(竹橋駅)。
結論から言うと、かなり良かった。とてもオススメです。
特別展のリヒター展も良いし、常設展もとても良かった。

ゲハルト・リヒターの作品は直に見たことがなかったので、とても楽しみだった。
個人的には、ドイツのアートといえば、マッシブで無機質、硬い、暗い印象で、アーティストといえば、まずはリヒターやグルスキーを思い浮かべる。
リヒターといえば、アブストラクト・ペインティングくらいしか知らなかったが、そのほかにも様々なタッチの作品があり、どれも示唆的で、まさに私好みの「現代アート」だった。
リヒターの作品群は、ウォーホルのように機械的で、草間彌生のようにパラノイア的で、ハーストのように抽象的で、デュシャンやジャッドのように物質的だ。
また、藤原ヒロシはリヒターが好きなようだが(インスタにたまにアップしている)、今までの彼のファッションにリヒターがデザインソース(カラーチャートなど)になっていたのは知らなかったのは新しい発見だった。

個人的に一番好きな作品は、「鏡」(←ただのでかい鏡)や「アンテリオ・ガラス」(←ただのでかいガラス)。私の好きなマルセルデュシャンと同じ匂いを感じた。ただの工業製品や物質も見方を変えれば、意味を持つところが良い。

リヒター展は2,200円と割と値段が高いが、常設展も含まている。
その常設店がとても良かった。岸田劉生や和田三造などの代表作は言わずもがな、私の好きな会田誠の「美しい旗」や、村上隆の初期作品の「ポリリズム」が新収蔵されているのは驚いた。
作品のキュレーションや見せ方も良いし、新たに買い付けた作品のセンスも良い。
東京国立近代美術館はそこまでお気に入りの美術館ではなかったが、かなり好きになった。



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