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日常

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日常のこと。
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さようなら、おじいちゃん。

令和6年7月31日(水)。 全国で観測史上もっとも高い気温を記録するような夏。93歳のおじいちゃんが往生した。加齢による衰弱と肺炎が組み合わさったことが原因だった。亡くなってから2日経った8月2日(金)に親戚一同だけでお通夜が営まれた。 東京、千葉、大阪、神戸、散り散りに暮らしていた親戚一同が会するのは初めてかもしれない。 8月1日(木)昼過ぎ、千葉に住む姉と1歳11ヶ月になる姪、それとトイプードル1匹を迎えにいった。まだおじいちゃんが亡くなったという実感はない。仕事で翌日

Life log

大阪生まれ/東京在住 仕事:WEBディレクター/SNSマーケター/PR 趣味:映画鑑賞、写真、ヴィンテージカメラ収集、料理とコーヒー 好きな食べ物:カオマンガイ 嫌いな食べ物:牛乳 --------- 小さい頃の夢はなんだったろうか。 はっきりと覚えていることがあるとすれば、僕は「スティーヴン・スピルバーグ」に憧れていた。  「ジュラシック・パーク」は何度も観た。初めて観たのは小学4年生くらいだった。どしんどしんと鳴り響く恐竜の足音が、コップの水面に浮かび上がる波紋で

最近の出会い/『CURE キュア』『エロティシズム』ほか

コロナの影響でまだまだ家に閉じこもる時間が多い中、本格的な梅雨入りも合わさって一人時間が増え続けてる。一人で過ごす時間が多いと、自然と映画と本に向き合う時間が増える。 特に印象に残ったものを書き留める。 【映画】『CURE キュア』黒沢清以前『ミッドサマー』アリ・アスター監督のインタビューを聞いた時に、影響を受けた日本人監督の中に黒沢清さんの名前が挙がっていて、今までほとんど観ていなかったことに気づき選んだ作品。 役所広司さん演じる刑事が、街で次々に起こる不可解な殺人事

過ぎた季節の写真を見返すこと

どちらかというと都会的な人間ではあるはずなのに、旅に出ると求めるのは山とか湖、それに海、川、森。自分よりも大きくて、捉えようがなくて、明らかに自分とは違う時間の流れを感じられる場所。 日本で生まれ、仏教と神道から成り立った国で育ってきたから、自然とアミニズム的な価値観が根付いていて、そういう場所に身を置かないとどこかバランスがとれないんだろうか。 学生時代、東洋と西洋の宗教観に影響される芸術表現の勉強をしていて、庭園や絵画、映画についてよく比較研究していたけれど、つくづく

『ミッドサマー』満員御礼。ありがとうございます。【映画配給の仕事】

昨年の夏から動いていた『ミッドサマー』がおかげ様で異例の大ヒットとなりました。 ▼『ミッドサマー』大ヒットニュース記事 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200227-00000010-cine-movi 初日を迎えると、早朝の回から10代~20代の女性グループやカップルを中心に動員。2月21日(金)から2月24日(月)までの4日間で動員7万7,125人、興行収入1億1545万400円(全国106スクリーン)を記録。同日公開の大作『

とある居酒屋でおじさんに夢を聞かれた。

とある居酒屋で、40代後半のおじさん達が飲んでいた。 場の流れで少し話をしたのだが、年の離れた僕に「将来何になりたいの」と聞いてきた。 自分がやりたいこと考えてることはどんな場であれ声に出していこうと普段から考えてるので、普通に話そうと思ったが立て続けにこんなことを聞いてきた。 「やっぱり銀行員になりたいの?」 やっぱりの意味もわからなかったし、何故それを挙げたのか理解できなかった。 「1番稼ぎ良くて、安定してて、いい家に住んで、ペットも何匹か飼って…っていうのに憧

別れは突然やってくる

大学卒業を控えたあの時、とある場所で自主製作映画の撮影をしてた。 自分が将来何になるのか。何をしたいのか。そんなこと全く分からず、ただ闇雲に真っ暗な将来に向かって進んでいた。 それでも心のどこかでは小さい頃からずっと持ち続けていた夢があった。「映画の仕事をしたい」昔から持っていたはずなのに、多くは口にしていなかった夢。現実的じゃないと勝手に決め込んでいた夢。 いつからか自分は普通の生活をして、普通の家庭を待って、普通に死んでいくと思っていた。 だから、就活を始めた当初

1ヶ月仕事を休んで気づいたこと

来週から2年間勤めた広告業界を去り、新たな場所で新たな仕事を始める。 転職にあたり、8月初旬から約1ヶ月間で有給消化をした。学生時代は当たり前のようにあった"夏休み"のようなもの。さすがにもうこれが最後だろう。 1ヶ月休んだことで気づいたことがあった。 『本当にやりたいことはどんなに忙しくてもできる』ということ。 至極真っ当なことかもしれない。でも自分含め社会に出てから忙しさを理由に本当にやりたいことを諦める人はとても多いと思う。 心から成し遂げたいと思うことはどんな

仕事を辞めた。

まだまだ社会人歴も浅い自分。今年の夏、仕事を辞めた。 先輩方からすると、「大した経験もないゆとりが、忍耐力がなくて逃げ出したか」と思うかもしれない。そう思われても仕方ない。実際に自分は中途半端な状態でやめてしまっている。 私は新卒で広告業界に入った。 YoutubeやFacebookなどの急成長を遂げているデジタル広告を専門とし、毎日新しい技術が生まれるような進歩のめまぐるしい世界は刺激的で、規模の大きい仕事も多く、待遇も悪くなかった。 ただ、最初こそよかったものの、だ

映画館で彼に"向き合えたこと"がどれほど大事か

アカデミー賞を受賞し、今も話題となっている『ムーンライト』 本作は過去に映画業界からタブーとされてきた性的マイノリティを題材とした映画だ。 これが映画館で上映されていることがどれだけ素晴らしいことか、改めて考えた。 今までこの手の作品は公開されてもミニシアターや小さなスクリーンで細々としていることが多かった。もちろん見ていたのは本当に映画が好きな方々など、ごく一部である。 しかし、今回はアカデミー賞の受賞効果もあり、日本での宣伝費用も多く出せたため、シネコンの大

写真1枚撮るのに数ヶ月かかってる話

フィルムカメラ初心者であった自分が、完全に第一印象だけで60年代の目測式(ファインダー内でフォーカスを確認出来ず、目視で距離を測るタイプ)の超アナログカメラを買ったのだが、買って数ヶ月経ってまだ1枚も形にできてない。 「フィルムだから丁寧に撮ろう」と思い、毎週数枚ずつ撮ったがフィルムのセッティング時にミスをしており、現像したら全部空だった。 「2本目のフィルムは一気に撮ろう」と意気込んだものの、最後の巻き戻し時に失敗し、巻き切れていない状態でフタを開けて感光してしまった。

写真に"モノ"としての価値を

蔦屋書店に行った。 その一角でパリの老舗ギャラリー「イヴォン・ランバート」のキュレートするアイテムを販売するポップアップストアが開催されていた。もちろん見たことも聞いたこともないアーティストの作品が並んでいたのだが、そこで一つの本を手に取った。 ベルギー人フォトグラファー Quentin de brieyの『The Other Day』という写真集。 A3ぐらいのサイズ感、中を開くとスクラップブックのようにページいっぱいに写真が貼られている。彼の写真をキュレートして一冊