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別れは突然やってくる

大学卒業を控えたあの時、とある場所で自主製作映画の撮影をしてた。


自分が将来何になるのか。何をしたいのか。そんなこと全く分からず、ただ闇雲に真っ暗な将来に向かって進んでいた。

それでも心のどこかでは小さい頃からずっと持ち続けていた夢があった。「映画の仕事をしたい」昔から持っていたはずなのに、多くは口にしていなかった夢。現実的じゃないと勝手に決め込んでいた夢。

いつからか自分は普通の生活をして、普通の家庭を待って、普通に死んでいくと思っていた。

だから、就活を始めた当初は、ある程度お給料も福利厚生もしっかりした道を選んだんだった。結局自分の本当にやりたいことを捻じ曲げてまで始めたことは上手くいくはずもなかったのだが。3年目で会社を辞めた。

結果的に、いわゆる世間一般の言う安定した生活を求めるなら絶対にやらないであろうことを今仕事としてやっている。

映画の宣伝マンとしての仕事。

華があるように見えるが実際は泥水を飲むような思いをしないと絶対続けられないような仕事である。

そしてプライベートでは昔から好きだった写真を撮り続けている。

今の自分の毎日は、全部「ずっとやりたかったこと。好きな事。」なのだ。
なにも好きなことで生きていけるのはユーチューバーだけじゃない。

心底楽しんでいるし、裕福な暮らしには変えられほどの貴重な経験を毎日している。

近々プライベートでは写真展を実施することも決定した。休日の今日もプリントするラボに行っていたのだけれど、その帰り道、愛用機のRICOH GR1sというフィルムカメラが壊れた。

ずっと一緒だと思っていたパートナーが壊れたのだ。急に彼女に振られた気分。

でも驚くほど冷静でいる。数万円もするものが壊れても冷静でいる。
それは色々な取捨選択をしてきて、終わるものは突然終わるし、始まることは突然始めると、少し昔よりも大人になったからだと思う。

モノが壊れても、失恋をしても、それを糧にして生きていける自分がいるから。

上手く言語化はできないけれども、数年前よりも何段も大人の階段を登っている気がしている。

もう変に悩まないし、自分の進んできた道にも後悔はしない。

カメラが壊れたっていう小さな出来事だったけど、色々な事を考えた1日だった。

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