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【ゆったり湯治紀行】 廃れた街、塩原温泉で1週間ワーケーション

2024年6月下旬、梅雨が明け本格的な夏が始まろうとしている頃、私は初めて栃木県那須塩原市の塩原温泉に訪れた。

1番の目的は温泉に入ること。最近足の皮膚疾患が気になっており医者に行っても原因がわからず全く良くならないため、湯治目的で1週間(6泊7日)籠ってみることにした。

湯治とは、温泉宿に長期滞在して温泉の効能により病気の治療や体調の回復をする日本に昔からある療養法のこと。人間の生体リズムは一巡り7日と言われており、湯治には最低1週間、完全に元の健康状態に戻すためには4週間ほど必要とも言われている。



1日目 6/23 (日)

北千住発の東武特急リバティに乗り、いざ塩原温泉へ。

駅で買い込んだご飯を食べたり読書したりして過ごした。

最寄駅の上三衣塩原温泉口に到着。

着いた一言目は「ど田舎やん」
(良い意味で)

駅の改札を出ると、1台だけバスが停まっているのが見える。そこからバスでさらに20分ぐらいかけてホテル近くの塩原温泉バスターミナルへ。

塩原バスターミナルまでの運賃 200円

今回1週間泊まるのは塩原温泉 『八汐荘』

なんとか到着
お部屋は和室。リモートワーク用に机と椅子、モニターが準備してあった。

チェックイン後、夜ご飯を求め周辺を散策のはずが、レストランどこも開いてない緊急事態。。。事前にちゃんと調べておくべきだったが、この辺りの夜はお店ほぼ閉まってるっぽい。やってて5時半までぐらい。ただ見えるのは廃墟と猫と猿。来て早々に絶望。

しばらく歩き回って諦めた頃、奇跡的に一瞬だけ開いたレストランを発見。神様っているんだなと割と本気で思うなどする。

お食事処『銚子屋』
タンメン 900円
カレーライス 850円

急に入ったから文句は何も言えないが、メニューに書いてあるものほぼなかった(笑) 何か食べさせてもらえるだけで本当に有難い。

夜ご飯を食べた後はすぐホテルに戻りさっそく入湯。今日は少し天気が悪く、露天風呂から見える山は霧がかっていて不気味な美しさがあった。女子風呂はシャワーヘッドとドライヤーがRefaだった。最高。(彼曰く、男子風呂は普通のシャワーヘッドと普通のドライヤーだったらしい。)

霧がかかった山
お酒飲みながらちょっと卓球もした🏓
1時間 550円

夜は信じられないぐらい静かで、虫の鳴き声と共に心地よく入眠。

2日目 6/24 (月)

朝7時半頃起きて直行で温泉へ。いつもより早起きだが目覚めが良い。朝の露天風呂は遠くの緑が鮮やかに見えて綺麗。

9時からは普段通り仕事。

私は腰が強いので彼に机を譲り
ローテーブルを広々使うことに。
Wi-Fiも問題なし。

お昼休憩。ランチは近くの蕎麦屋さんへ。

そば処『是庵』
天丼とお蕎麦のセット
1,800円

塩原温泉周辺の街は観光客が極端に少なく閑散としていて、廃墟や荒廃した土地が目立った。昔は栄えていたんだろうと思しき建物たちが一斉に老朽化し、それを直そうという意思すら感じられない廃れぶり。コロナの影響か、単に不景気で旅行客が減ったのかはわからないが、どうにかならないものだろうか。

業後のお風呂。その間にホテルの入り口で沸いている温泉で温泉卵を作る。だいたい30分ぐらいつけておくといい感じの温玉になるらしい。

卵1個 100円

夜ご飯は家から持参したカップ麺。旅館で食べると格段に美味。

~さっき作った温泉卵を乗せて~

3日目 6/25 (火)

今日の朝露天風呂も遠くの緑が鮮やかで最高だった。いつも見てる山に朝の挨拶した。(え)

いつも通り仕事し、昼休憩。今日のランチはコスパが最強。価格設定バグってる。煮物も海鮮もとても美味しかった。その日の仕入れによってメニューが日替わりらしい。

味遊び『恵比寿屋 九ちゃん』
刺身定食
1,000円

定食屋のご飯は味が美味しいだけではなく、お客さんのことを想って作った料理人の方たちの真心や愛情を感じとることができ、食べながら自然と笑顔になれる。

ランチの帰りにいちごソフト🍓も食べた。

いちごソフト
450円
なんだか暖かい街だなあ。
近くにあったので紅の吊り橋にも寄ってみる。

午後6時頃仕事が終わり今日は早めに入湯。日が沈みきっていない時間の露天風呂は山の景色がしっかり見えて、でも朝風呂とはまた空気が違ってとても気持ちが良かった。毎日同じ山を見てはその壮大さに少し震える。

今夜の夜ご飯はホテルに売ってるお弁当。温めは電子レンジで「お弁当」ボタンを押すだけだが、お米が温められすぎて若干固かったから数十秒早く出しても良かったかも。

鮭の西京焼き弁当
800円

4日目 6/26 (水)

今日の朝風呂は8時過ぎ頃に行った。日が完全に上りきっている露天風呂は木漏れ日が綺麗。同じお風呂でもいろんな顔がある。

今日のお昼は昨日のランチで行ったレストラン『恵比寿屋 九ちゃん』の姉妹店へ。九ちゃんを引退して息子にお店を譲ったが、また何かやりたくなってこっちのお店を始めたらしい。レストラン1軒持つのは大変だからと、手前の赤い小さな家が厨房になっていて、お客さんは外のテラスか奥の家の中で食べられる、とってもコンパクトな造り。

味遊び『母手寿』
自然薯そば
1,200円
ぼてじゅう
850円

ぼてじゅうはピザとお好み焼きのちょうど中間のような味がしたが、どこか昭和の懐かしさを感じた。ここのおじちゃんが子供の頃に母親に作ってもらったおやきのようなおやつが忘れられなくて、それを現代風にアレンジしながら再現してるんだとか。素敵。おばちゃんの人柄も温かく、私たちに色んな話を聞かせてくれた。彼女との何気ない会話で心を掴まれ、食べた蕎麦は冷たかったのに心はポッカポカに。

閑散とするこの街を見て、初めはこんなに良い温泉が出ているのに栄えていないのはもったいないと感じていたが、だんだんと「このままでもいいんじゃないか」と思い始める。

たしかに観光客が多く集まることで街は活性化するし、客が増えることでレストランの料理の単価は安くなるかもしれない。しかし、それに伴ってゴミのポイ捨てによる自然破壊や景観の乱れ、レストランの需要拡大による店主と客の心の距離の乖離、質より量、愛より味を意識した薄っぺらいお土産の大量生産など、この街の何か大切なものとのトレードオフになる気がする。

仕事が終わり夕方。そろそろ夜ごはんに何かないかまた周辺を散策するも、やはりどのお店も閉まってた。(笑)

道中にあった『古町温泉神社』でお参り
猿普通にめっちゃいて草

猿がなにやら興奮気味に騒いでいたが、人間には一瞥もくれない。当たり前のように人間とここで暮らしてるような感じ。

夜は入湯中に作った温玉と持参したカップ麺

5日目 6/27 (木)

今日の朝風呂も太陽がのぼりきっていて、露天風呂の水面に日の光が反射して綺麗だった。

昼休憩。火曜日に食べたランチが美味しすぎてまた来た。

味遊び『恵比寿屋 九ちゃん』
メニューはほぼ日替わりらしい。
本マグロ盛り合わせ定食
1,000円

ランチの帰りにコンビニに寄ってお酒やおやつを購入。ホテルから一番近いコンビニは徒歩1分ぐらいだが、17時半頃に閉まってしまうことがここに来て最大の悩み。

街の至るところに「竜頭」と呼ばれるミニ噴水がある。
昔は共用の水道だったらしい。

仕事が終わり、温泉に入った後に夜ご飯を食べる。今日の夜はホテルで売ってるお弁当。鯖の塩焼き弁当はホテルの従業員さんの間で一番人気らしい。いつものように温玉トッピング。

鯖の塩焼き弁当
800円

6日目 6/28 (金)

今日は雨模様。露天風呂から見えるいつもの山は霧がかかって優美な感じ。

今日のお昼は気になっていたスープ焼きそばを食べに。ホテルから歩いて10分もかからないぐらいのところ。

『釜彦』
スープ入焼きそば
800円

ソースや醤油、いくつものスパイスをブレンドしたスープで、ラーメンっぽいのにどこか焼きそばの風味が広がる。私はお肉を食べないので彼のお皿へ移したが、鶏肉の塊がゴロゴロとたくさん入っていた。

この街に来てちょっと気になったことと言えば、急な坂道や階段、足場の悪い整備されていない道がたくさんあること。私はまだ若いほう(25)だけど2回転んだwww 2回とも同じ場所で。(なにしとんねん)

このあたりは過疎化が進み、温泉施設を改装した老人ホームもあるぐらいに高齢化社会だから、足場が悪いのはかなり心配だ。

歩道には草が生い茂り私たちを歩かせようという
意志が感じられない。

そんなこんなで仕事が終わり、入浴後の夜ご飯。

今日も持参したカップ麺に温泉で作った温玉(笑)
初めて見たとちおとめのお酒。甘くて美味しい。

7日目 6/29 (土)

ラスト温泉。朝8時過ぎの木漏れ日に包まれた露天風呂をゆっくりと満喫。

チェックアウト。1週間ありがとうございました👋

平日は仕事もあってなかなかゆっくり来れなかった街をしばらく散策してから帰ることにする。

温泉街
『妙雲寺』
人の気配はなく、境内はうっすら冷たい神聖な空気感だった。
奥に滝があってマイナスイオン感じてきた。

初日からずっと気になってた良い感じのカフェ。

『SUZUの森café』
おにぎりセット(梅、山椒)
1,000円
テラスから見える景色

2~3分歩いたところに広めの足湯があったのでここでも入湯。ぬるめから熱々までいろんな温度の温泉と石の足ツボを刺激する造りも全てが気持ち良い。

塩原温泉『湯っぽの里』
大人 250円
近くに紫陽花畑があった。

せっかく最終日なのでもう少し食べる。

『蕎麦カフェ』
きのこガレット&ミニかけそばセット
1,600円

ガレット美味しすぎた。東京でも食べられるかな。

帰りの特急で食べる用にとて焼をお持ち帰りで購入。

くだものやカフェ『藤屋』
フルーツとて焼
700円

この街の緑は人間の手があまり入れられておらず自由で、伸びきった木々から廃墟へと猿が移動している。そんな自然との調和がなんだか新鮮で一種の感動を覚えた。こんな景色がずっと続いて欲しいと切に願う。

温泉で身体がポカポカに温まり、視界に常に入ってくる緑からは安らぎをもらい、真心こもった料理で心が満たされる。たまには環境を変えてリフレッシュするって良いなと再認識した1週間だった。


タイムスケジュール

1日目

14:42 北千住発の東武特急リバティに乗車
17:15上三衣塩原温泉口で下車
17:30 バスで塩原温泉バスターミナルまで移動
18:00 チェックイン
19:00 夜ご飯
20:30 入湯 ♨️
21:30 卓球、晩酌
23:30 入眠

2日目

07:30 起床 & 朝風呂 ♨️
09:00 始業
12:00 ランチ
13:00 仕事再開
17:30 しごおわ
19:00 入湯 ♨️
20:00 夜ご飯
23:00 入眠

3日目

07:30 起床 & 朝風呂 ♨️
09:00 始業
12:00 ランチ
13:00 仕事再開
18:00 しごおわ
18:30 入湯 ♨️
19:30 夜ご飯 & 晩酌
23:00 入眠

4日目

08:00 起床 & 朝風呂 ♨️
09:30 始業
12:00 ランチ
13:00 仕事再開
18:00 しごおわ
18:30 周辺散策
19:30 入湯 ♨️
20:30 夜ご飯
21:00 PCカタカタ
00:00 入眠

5日目

08:00 起床 & 朝風呂 ♨️
09:00 始業
12:00 ランチ
13:00 仕事再開
17:30 しごおわ
19:00 入湯 ♨️
20:00 夜ご飯
21:00 Primeで始まったバチェロレッテ3鑑賞しながら晩酌
02:00 入眠

6日目

08:00 起床 & 朝風呂 ♨️
09:00 始業
12:00 ランチ
18:00 しごおわ
19:00 入湯 ♨️
20:00 夜ご飯 & 晩酌
00:00 入眠

7日目

08:00 起床 & ラスト温泉 ♨️
10:00 チェックアウト
11:00 周辺散策 & ブランチ
12:00『湯っぽの里』で足湯 ♨️
13:00 ランチ
14:48 塩原温泉バスターミナルからバス乗車
15:15 上三衣塩原温泉口到着
15:30 東武特急リバティ乗車
18:02 北千住到着


今回予約に使ったのはOtellというリモートワーカーのためのワーケーションサービス。

【素泊まり6泊7日】
1人 30,113円 (税込)
2人目 半額
合計 45,169円 (税込)


、、、ちなみに、塩原温泉に来てからの1週間は一度も皮膚疾患が出ていない。完治したわけではないだろうが確実に良くなっている気がする。

これからもいろんなところでワーケーションを楽しみたいな。


【追記】7/16

湯治から2週間ほど経って生理が来ましたがいつもの生理痛が全くなかった!量はいつも通りなのに気持ち悪さとかだるさとか本当に何もない!!!温泉効果かどうかはわかりませんが。

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