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【読書】 今週の本 8月23日号 激推し3冊

那珂です。

今日は 出先で書いています。

出張前に立て続きに読んだ3冊をご紹介。


1 『店長が バカすぎて』 早見和真著 角川春樹事務所


2年前担任していたクラスの男子が、これを夢中になって読んでいました。普段、本なんか読まない人なのに、時間があればこの本を出して読んでいたのを思い出しました。

 自分が読んでみると、納得。途中で止まること無く読んでしまいました。

書店員さんの大変さと仕事で打ち当たる不条理と、人間関係のしがらみと、そして、書店員としての喜びややりがいをユーモアを交えながら綴っています。

本を読んでいると、「この人の文体好きだわー」と思える人と「読みにくいなあ」と思ってしまう人がいます。

早見さんの文は、滞り無くするっと自分に入って来る感じがします。

「おいしいラーメン」みたいな感じで、最後の方になると「あー、終わっちゃうな〜」って思うんですよ。

 これも、そんな小説です。

 もう一杯食べたいのだが。「店長シリーズ」で、続きが読みたいです。

 と言ってたら、続編出るそうです! やったぜ。



2 『お探しものは図書室まで』 青山美智子著 ポプラ社


 こちらもベストセラーでした。本好きにはたまらない2冊を連チャンで。

 『店長が〜』 と繋がってるんじゃないかくらい、本業界の話がわかる内容でもありました。

 書店員さんも、司書さんも、給料があまり良くなくて、それだけで食べてくのは大変で。でも、本が好きで、本にかける熱意と愛情は限度なく、そのやり甲斐で成り立っている職業だと思います。

でも、小町さんのような人がいて、その人に「本当に必要な本」を探してくれる人がいたら、もっと図書館や図書室は「豊かな出会いの場」になるのになあ。

 図書館司書という仕事は、やりだしたら際限がない仕事で、本当に「すごい人」になると、小町さんみたいな仕事ができる人もいます。本当に職人みたいな人がたくさんいるのです。

 小町さんのような人がいる図書館は幸せです。そんな図書室を作りたくて、学校司書教諭と図書館司書を取ったけれど、現実はできていなくて。

 諦めるんじゃなくて、小町さんのような司書になれるように、この本を手元において諦めず勉強していこうと思います。


3 『水を縫う』 寺地はるな 著 集英社


「らしさ」って、何だろう。

 この命題に挑んだ小説でした。

 刺繍や縫い物の好きな男子高校生と、姉、母、祖母、そして父。

 それぞれが、「らしくない」ことに悩んで、生きづらさを感じている。

 姉の結婚をきっかけに、ドレス作りに挑むことになった主人公の清澄君。

 色々な人を巻き込んで、最後には疎遠になっていた父の力を借りて、姉のドレスを完成させます。

 「水」を縫うとは、どんな意味なのか。

 清澄という名の弟と、水音という姉。

 この名前が、題名の謎を解く鍵になっています。

 「らしくある」のではなく、そのままの「自分」であること。

 清澄君が、自分らしく生きる勇気を持った、その一歩を踏み出そうとしている朝の場面で物語は終わりますが、きっとその先には、この家族がそれぞれの「自分らしさ」を認め、大切にしながら、新しい関係を気づいていくのだろうと思います。

 「自分に合った服は、着ている人間の背筋を伸ばす。服はただ身体を覆うための布ではない。世界と互角に立ち向かうための力だ。」

 清澄と、父が 水音のドレスを作る場面が、圧巻です。

 服飾の仕事を目指している若い人にもぜひ読んでもらいたい一冊です。

 10月には、寺地さんの新作が出る予定ですよ! 
 こちらも、ご期待ください🌟


さて。

 夏休みももう終わりです。

 読書感想文向けは、2冊めと3冊目でしょうか。

 少しずつ新学期に向けて、スイッチを入れていきましょう。

 では また次回!




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