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がんばれ、ギガさん


昨日、職場に 「GIGAサポーター」なる役職の方が来ました。

 今年の6月くらいから、定期的に数校をまわって テクニカルサポート的なお仕事をしているTさん。

 名前よりも、「ギガさん」と呼ばれてしまっていますが、

 ギガさん、だいぶお仕事も慣れてきたようで、いろいろ話す機会も

 増えました。

 ギガさんは、前職、IT系会社のSEさんだったらしく、

 学校は「未知の世界」だったそうです。

 数校の掛け持ちなので、いろいろな先生から、「こーしてくれ」「あ~してくれ」というリクエストを受けています。

 で、今は夏休みなので、先生方からの相談や依頼が増えているそう。


「そういえば、」 と アイスコーヒーを飲みながら、

 ギガさんが 話し始めました。


「勉強は書くことで覚えるから、クロームを使って書かせる勉強をさせたいのだが?」という相談を受けたんですね。

 クロームを使う前提であれば、

 ぼくらは、「習ったことをいかして、レポートでも作らせたら?」

 提案したんですよ。

 でも、先生方は、

 「なんとしても、板書をノートに写す作業は、外せない」

 だから、「書かないと覚えられない!」って言うんです。

 で、どんなに話をしても、どうしても、かみ合わないんですよね。。。

 

 やっぱり。そう来たか。

 先生方って、真面目な人が多いから、「何が何でも、使わなきゃ」って思うんですね、きっと。

 だから、全部の授業で使おうとしちゃう。

 でも、今までのやり方も捨てられないから、やっぱり黒板に書いて、

 説明して、ノートを取らせる授業をしちゃうんですね。

 クロームを使うことが、イベントみたいになっちゃう。

 そして、進度が遅れる。

 結果、「やっぱり、いらなかったね。」となり、

 クロームが使われなくなる。

 だって、テストや高校入試は、ペーパーでの筆記テストなんだもの。

 いくらクロームで授業したとしても、紙と鉛筆で答えられないと、どうにもなりません。

 でも、今まで使ったことの無い道具を 使いなさいって「ボン!」と渡されて、あとは考えろって。

 これって、すごく酷な話だと思う。

 ある程度、心構えと、スキルと、準備があって スタートできるものであって、

 その準備が十分できていたか?といわれると そうで無い人の方が圧倒的に多いのです。


 ギガさんとの話で、着地したのは、

「クロームは、所詮道具だよね。」という所。

 クロームは、万能ではありません。ドラえもんではないのです。

 そして、ギガさんもまた、ドラえもんではない。

 授業の中で、「どの場面で、どのように使うのか」を、教師側が意図的に組み立てていく必要があるし、それは私たち側の仕事です。

 従来からの授業変革は、必要です。

 でも、「変わらなければならないもの」と「変わらないもの」との見極めが大事で、

「書いて覚える」スキルは、形を変えて残すものだと思うし、

「学んだ知識を活用させる」スキルは、クロームの得意分野だと思うのです。

 そこを踏まえつつ、テクニカルなサポートを、ギガさんに求めるのは必要だと思いますが、

 「今まで通りのやり方ができるようなものはないか?」とギガさんに求めるのは違うんじゃないかなあ と思うのです。


 2学期からは、ギガさんが授業を見に来るそうです。

 どうやって活用されているかを見学して、「こんな時には、

 こんな機能がありますよ」と提案するように、と言われているそうで。


 そうなんですね。

 でも、提案しすぎると、

 「ドラえも~ん! 何か道具出して~!」って言われちゃいますよ。

 「丸投げ」ってやつですね。

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    本来は、先生方が、自分で使って、失敗もしながら 

 スキルを身につけることが大事だと思うのですが、

 現場では、そんな余裕は無いのも現状です。

  ギガさんと、先生方の「交わらない議論」は、

 これからも続くんだろうな。。。。

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  がんばれ、ギガさん!!

  また、来週 来てね!

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