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観てきた!「カルティエ 時の結晶」展 at 国立新美術館

時の結晶。なんて美しくて、神秘的な言葉でしょうか。

ジュエリー一つひとつが持つ ものすごいパワー・存在感と
これまでに観たことのない展示空間が融合して、
本当に、素晴らしい、の一言でした。

わずか数か月でなくなってしまう展覧会の会場なのに、あの展示。終わって2か月経ちましたが、いまだに記憶に残っています。一瞬で別世界に連れて行ってもらったような展覧会でした。
やっと撮影したデータや文章がまとまったので、記事にしてみました。

場所:国立新美術館(東京・乃木坂)
会期:2019年10月2日(水)~12月16日(月) 
料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料

◎観に行こうと思ったきっかけ

開催を知ったのは、展覧会のフライヤーを手にしたことがきっかけだったかと。カルティエの貴重なジュエリーを鑑賞できること以上に、会場構成を 杉本博司さん+榊田倫之さんの「新素材研究所」が手掛けると聞き、これはもう絶対に行かなければならない、と思ったからです。

◎杉本博司さんと「新素材研究所」とは?

「新素材研究所」は、写真家であり現代美術作家でもある杉本博司さんと、建築家の榊田倫之さんが、2008年に設立した建築設計事務所です。

杉本さんは、1948年東京生まれ。大学卒業後に渡米し、ニューヨークで古美術商をしてらしたこともあります。
これまで、思わず”これ合成?”と思ってしまうような、現実離れした世界観の写真を中心に、多彩な作品を発表されてます。杉本さんの公式サイトでじっくり観られますので、ぜひ!!!


2017年には「小田原文化財団 江之浦測候所」という、能舞台やギャラリー、茶室なども備えた、完全予約制の文化施設をオープンしましたが、他にも、熱海のMOA美術館や、IZU PHOTO MUSEUM(現在一時休館中)のリニューアルも杉本さんが手掛けてらして、静岡生まれのわたしは実家に帰ると、できるだけ立ち寄っています。

つい先日、Eテレ「ETV特集」でも、杉本さんが昨年秋にパリ・オペラ座公演をプロデュースしたドキュメンタリーが放映されていました。


ちなみに、杉本さんの最新の展覧会『杉本博司 瑠璃の浄土』が、来月3月21日(土)に開館する、京都市京セラ美術館の新館「東山キューブ」で予定されています。
年末にもらったフライヤーが本当に美しいんですよ。今デスクに飾ってます。できれば現地に行きたい!(どなたか連れてってください・・・笑)


◎どんな展覧会?

カルティエ、といえば、1847年にフランス・パリで創業。王族御用達、泣く子も黙るハイジュエラーです。タンクとか、パンテールとか、サントスとか、腕時計も人気ですよね。

カルティエは世界各国で何度か展覧会を開催していて、日本での開催は4回目だそうですが、今回の特徴は、300点を超えた出品作品の半数近くが、個人蔵作品!つまり、今回ここで鑑賞しないと、次いつ鑑賞できるかわからない、という貴重な作品が大集合しているんです。世界中のVIPが大切にしている特別なアイテムたち。本当に美しかったです・・・

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そして会場デザイン。まさかここまでとは!の驚きの連続でした。

古代ギリシアの神殿の柱のように、天井から床までの展示ケースが並んだスペース、天蓋のような薄いオーガンジーが空間を区切るスペース、石の神殿の遺跡に迷い込んだようなスペース、そして流線形の大きなオブジェのような展示ケースが置かれたスペース、と、作品鑑賞そっちのけで、会場内をうろうろしてしまいました。

閉幕してしまった今、もうあの空間がどこにもないだなんて。
贅沢すぎる展覧会でした。ぜひ会場内の写真集を出してほしかったなぁ・・・


撮影NGだったエリアの会場内の様子はこちらでご覧いただけます。インタビューと合わせてぜひ。


こちらのメイキング動画では、展覧会の全容を惜しげもなく公開してくれています。8分ほどありますが、本当に素晴らしいので、ぜひどうぞ。


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最後のスペースのみ、一般客の写真撮影が可能でした。本当に一部分だけですが、作品をご紹介します。

こんなトルソーでジュエリーを展示したこと、これまでにあったでしょうか。素敵すぎます・・・・

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暗闇の中、手持ちのコンデジで手ブレと戦いながら、できる限りズームで観たい!と、閉館間際の空いているときに必死に撮影しましたが・・・データを見返すと見事に、好きな鳥モチーフ、動物モチーフばっかりでした。

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ワニモチーフは、なんだかちょっと可愛いなぁと思いました。

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そしてヘビモチーフも。

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◎音声ガイドが無料だったけども・・・

会場内が全体的にかなり薄暗く、作品解説のパネル等もほとんどなし。そのため会場内に入るとすぐ、音声ガイドの貸出カウンターが。スマホを活用した端末が無料でレンタルできました。

本展では、鑑賞者に作品それぞれが持つ背景や価値をより多元的に理解していただくため、現代美術分野で活躍するザ・ユージーン・スタジオ協力のもと、彼らの展覧会での体験から生み出された新しい体験を試みています。
入り口で来場者全員に専用のスマートフォン端末が配られ、これは空間と呼応するかたちで、本展の物語を構成する一端を担います。
鑑賞者は、このシステムによる主体的体験によって、一人一人の考え方や認識で本展を理解し、それぞれの意味を作りあげていくことができます。これは、展覧会をより包含的に深く考えるためのものでもあります。
(展覧会公式サイトより)


音声ガイドが頼みの綱なのに、混雑していると、この端末を受け取るためにまず行列に並ぶことに・・・。使い方のレクチャー等オペレーションの問題もあったかもしれませんが、やむを得ずわたしは先にぐるっと会場内を鑑賞して、後から戻ってレンタルしました。


端末は、自分でメニューから選ぶだけでなく、自分が作品に近付くと自動で解説を提示してくれる仕組みにもなっていました。他ではなかなか見かけたことがないものでしたが、正直、ちょっと使いづらかったかなぁ・・・

展示されている作品そのものが、そももそ大きなサイズではないので、音声ガイドを操作しつつ、暗い会場内で人にぶつからないように移動しつつ、必ずしもスムーズな動線になってない会場内で作品を鑑賞しつつ、で、なかなか快適な状態ではなかったのも、残念でした。
入場を時間予約制にするのも一つの手だったのかもしれません・・・

しかもガイド内のコンテンツボリュームが思ったより多くて、時間内に全てを楽しめなかったのも結構残念でした・・・何が提供されてるのか、全体像が見えなくて、ガイドのガイドが欲しいと思ってしまったくらいでしたw

◎グッズは何買ったの?

ロゴトートを思わず購入してしまいました。
決め手は、色が黒、展覧会グッズではあまり見かけないしっかりしたマチと持ち手・生地・サイズ感、シンプルなロゴデザイン、の3ポイント。
普段使いしやすく、さりげなーくカルティエって入っていて、お気に入りです。

◎まとめ

あの空間まるごと、どこかで永久的に常設展示してほしいくらいに、本当に素晴らしい展覧会でした。閉館ぎりぎりで迷ってしまい、図録は当日に買わなかったですが、改めて手にしてみたいと思っています。

★会期の最初、本当にわずか数日だけ、別会場で関連の展覧会をしていました。そちらものぞけたので、別の記事にまとめました。続きます。

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