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観てきた!「LES MOMENTS CARTIER –ART DE FAIRE カルティエが魅せる職人技」展 at 21_21 DESIGN SIGHT /ギャラリー3

国立新美術館で開催されていた展覧会「カルティエ 時の結晶」展。本当に素敵でした・・・


展覧会の開幕直後、わずが11日間限定で開催されていたスペシャルなイベントがあったことは、ご存知でしょうか。
それほど広くないスペースで、無料ながら非常に貴重な展示を間近にでき、行けてよかったなぁと思っています。

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場所:21_21 DESIGN SIGHT /ギャラリー3(東京・六本木)
会期:2019年10月2日(水)~14日(月・祝)  
料金:無料


◎観に行こうと思ったきっかけ

ちょうど会期中にミッドタウンへ行く予定があったため、国立新美術館での鑑賞とは別の日にうかがいました。
そもそもこのイベント自体、正直あまり積極的に告知してなかったように思います。本当は会場内で行われたワークショップに参加したかったのですが、行ってみると、実は事前予約制ですでに満席・・・顧客様限定受付だったのかな、と思い、ちょっと残念でした。

◎どんな展覧会?

普段見ることのできないジュエリー、時計制作のための道具、そしてカルティエのクリエイションの源となる石を取り揃えた会場で、職人による制作のデモンストレーションを行います。

本イベントのために、2008年にフランスにて「メートルダール」*に認定されたグリプティシアン(宝石彫刻師)であるフィリップ・二コラが来日。
二コラは、カルティエで作品制作に携わりながら伝統を後世に継承すべく後進の指導にあたっています。アトリエのような雰囲気の会場で、ユニークな技法であるグリプティックの技を特別に披露いたします。このほかカルティエ メゾン デ メティエダールからマルケトリ**の職人を招聘し、パブリック デモンストレーションを開催。

*フランス文化・通信省がフランス伝統工芸の最高技能者として認定する職人に与える称号
**17,18世紀に家具、壁、扉の装飾に用いられた寄せ木細工の一技法

(展覧会公式サイトより)

「メートルダール」というと、2017年にトーハクの表慶館で開催された、『フランス人間国宝展』が思い出されます。
今でも強烈に印象に残っている、それはそれは美しい展覧会でした。今回のカルティエ同様、空間と作品が融合していて非常に素晴らしかったです。
(図録と会場内の写真集を両方購入したくらいです)

と同時に、日本の職人さんたちもものすごいんだから、こんな風に超絶カッコよく、かつもっと正当に評価されるべきなのになぁ…この差はなんなんだろうなぁ…とも思ったんですよね…。だから余計に記憶に残っています。


話がそれましたが、そんな「メートルダール」の仕事を目の前で鑑賞できるなんて!しかも無料で!!!カルティエさま、太っ腹すぎます。
しかも会場内は撮影OK!!!


繊細すぎるデザイン画にうっとり・・・

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見たこともないサイズや、色、輝きの天然石の数々にうっとり・・・

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すごい・・・すごすぎます。
天然石好きには夢のような空間でした。

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◎フィリップ・二コラ氏ご本人が・・・!!!


天然石を彫刻する技術「グリプティック」の作業デスクをのぞきこんでいたら・・・・

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なんと!ワークショップ前のフィリップ・二コラ氏ご本人が突然登場!
しかも目の前で、簡単にデモンストレーションと解説をしてくださいました!!!

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僅かな時間にも関わらず、丁寧に対応してくださり、感激しっぱなし。
ダンディ、そして笑顔が素敵な方でした。本当にありがとうございました!!!

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◎ストローマルケトリも素敵すぎる

天然石の加工だけでなく、竹を使ってモザイク画のように図案を描く「ストローマルケトリ」という技法のデモンストレーションも。時計の文字盤などで採用されている手法です。

17世紀に極東からヨーロッパにもたらされたストローマルケトリとは、藁をナイフでカットしたものを着色し、貼り合わせ、装飾品の平らな面に意匠を描く寄藁細工です。
カルティエは数年前から、ストローマルケトリを高級素材と組み合わせ傑出したピースをつくり出しています。職人は、堅牢性と光沢を基準に厳選された藁を一本一本ていねいに割き、折り箆:おりべら を使って平らにし、寄木細工用のナイフでカットしたのちに寄せ合わせて文様や絵柄を構成します。
(会場内でいただいたリーフレットより)

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こちら、実際に販売されている腕時計と同じデザインの文字盤。
こ・・・細かい・・・!!!

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ライオンだけではく、コアラのバージョンも。かわいい・・・・これは寄木細工かな、でも言われなかったら絶対気づかなかったと思います。

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◎まとめ

とても貴重な機会に足を運ぶことができ、本当に良かったです。眼福でした・・・

エルメスやルイヴィトン、ヴァンクリーフ&アーペル、昨年の展覧会も素晴らしかったシャネルなどもそうですが、このように歴史あるメゾンが、それぞれのブランドに欠かすことのできない、素晴らしい職人の技術を、しっかりと後世に遺すべく、工房を構え商品を出していることが、本当に素敵です。

ぜひぜひ、この先も続いていってほしい、と思いましたし、なかなか難しいと思うのですが、定期的にこのようなイベントを行ってもらえたら嬉しいです。

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