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クラフトビールでつなぐ地域・人・文化(鶴居村)

植竹大海うえたけ ひろみさん】
埼玉県出身。専門学校で微生物学・生化学を学んだ後、地元の醸造所勤務、カナダでの醸造所勤務などを経て、帰国後の令和4年(2022年)に鶴居村でビール醸造所を開業。

 北海道釧路総合振興局です。
 
 今回は令和5年8月に鈴木知事が訪問した、鶴居村のビール醸造所Brasserie Knot(ブラッスリー・ノット)を経営する植竹大海(うえたけ ひろみ)さんについて紹介します。


釧路管内初のクラフトビール醸造所

 釧路湿原の北西に位置する鶴居村。豊かな自然環境の中、植竹さんは廃校となった小学校の体育館をリノベーションし、釧路管内では初めてのクラフトビールを製造するブルワリー(醸造所)を創立しました。

 国内のクラフトビール業界では誰もが知っている存在と言われる植竹さん。なぜこの場所で醸造所を開業しようと考えたのでしょうか。

廃校舎を利用したBrasserie Knotの醸造所

鶴居村との出会い

 カナダの醸造所でクラフトビールを造っていた植竹さんは新型コロナウイルス感染症流行の影響で帰国を余儀なくされます。

 そして、「北海道が大好き」という植竹さんは北海道で醸造所を開設することを決意し、条件に合った物件探しを始め、2020年(令和2年)11月に鶴居村の大石村長と面会することになりました。

 もともと釣りが趣味の植竹さんは、海でも川でも釣りが楽しめるこの地域が気に入ったそうです。

 そして、鶴居村から紹介された旧茂雪裡(もせつり)小学校の体育館は、天井が高く、建物の中に柱がない構造で、思い描いていたビール工場の条件に合うものでした。

 数か所の候補地を視察してから植竹さんは最終的に鶴居村で開業することを決めました。

ビール作り工程も見学することができる

地域とのつながり

 コロナ禍で原材料の価格も高騰する中での開業準備となり、様々な困難がありましたが、鶴居村からの支援もあり醸造所は2022年(令和4年)8月に無事オープンを迎えます。

 完成した醸造所は見学エリアや直売所も併設されており、観光客も楽しめる構造になっている一方で、教室などは当時の面影を残していて地元住民の想いも大切にしている様子がうかがえます。

 また、施設内に置かれた装飾品や商品のラベルデザインは道東のデザイナーによるもので、地域とのつながりを強く感じる空間になっています。

 会社名にもなっている「Knot」という言葉にはビールが地域や人、文化をつなぐ「結び目」になってほしいという植竹さんの想いが込められているそうです。

 植竹さんはこの醸造所について、「地域の皆さんに支えていただいて楽しくできているのでやってよかったと思っている。」と語ります。

 植竹さんを含め、Brasserie Knotのスタッフは全員本州からの移住者です。
ここで造られたクラフトビールは釧路地域の土産として販売され、村の特産品のチーズなどと共に地域の魅力を多くの人に伝えるために役立っています。

 Knotのビールは早くも地域と人、文化の新たなつながりを創りはじめているようです。

直売所ではオリジナルグッズや道東の特産品も販売されている

 北海道では、鈴木知事が地域の創意工夫ある取組を直接お聞きし、道の施策に反映するとともに、広く発信していく「なおみちカフェ」を実施しています。
 今回ご紹介した鶴居村でのなおみちカフェの様子は、以下のリンクからご覧いただけます。

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