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マンガの先輩①

僕が上京した時に具体的に漫画を教えてくれた師匠は
皆さんもご存知「今日からの俺は!」の
西森博之さんです。
19歳から21歳までお世話になりました。
結果51歳まで漫画で食べております。
大感謝です。

西森博之さんと僕のエピソードの一端はこの本にも載っています。
是非ご購入を😄↓

ただ、普段の漫画の組み手(練習相手
としては
格が上で、、、
なにしろ毎日の読書量が必ず一冊小説か漫画を読むを日課にしている人で
半端じゃない。
まず、漫画の知識量も小説の知識量も違いすぎたのです。
ヤンキー漫画と侮るなかれ、、、完全に容量の大きさが違いました。
事実
のちに師匠は小説家にもなっているのです。↓


さて組み手相手は
同僚の先輩方です。

国民的漫画家さん(桜の、、とかこのせかいの、、、とか)の後の旦那さんになる

Mさん

Mさんは初代西森チーフ。初期は全部、Mさんが一人でアシ。
京都のインターハイに出場していて
漫画のアシをやりながら多摩美術大学に通っていました。

一番早く連載とった兄弟弟子です。
次にMさんと同期の「前屋雄一郎」が僕のネーム(絵コンテ)の組み手相手でした。

前屋雄一郎は増刊サンデーでデビューした後
小学館とソリが合わず
月マガに移籍、再デビュー、専属契約し毎月月間研究費を手にしていました。

西森博之のところで月15万は貰っていたのに
再デビューで賞金が確か50万
専属契約料が60万
作品制作に対して一本
月間研究費が最大10ヶ月分
+制作した原稿料

おいおいおい、、、いくら時はバブルとはいえ、、、、
西森さんのお給料を抜いても
23歳の新人漫画家がおよそ年収300から400、、、、

Mさんはサンデー増刊で連載していましたが
その半分くらいの年収。

僕は年に一本掲載できるかどうかだったので
自分の漫画で稼いだ年収は20万とか30万前後の新人時代でした。

その好待遇で怠け者マンガ家になってしまったので
何が良いのかは分からないものですが

当時は連載獲得のMさん、前屋さんがマンガ兄貴で
よく指導を受けました。
こんな感じで↓


簡単にいうとキャラクターというのは自分です。
自分なのに他人がどうこう直すのはおかしな話で
もうキャラクターを動かせる人達にとって
キャラに口出すのは無意味なのです。

Mさんは端的にそれを言っていました。


しかし、雑誌編集権というのあるし
編集者の権限で一番上なのは編集長ですから

漫画の仕事上の意見は聞くけど、
自分の事を書いてもらおうと誤解した編集者の話は聞くなと。

漫画家は自分の事を書いてるから描けるのであって
「他人のことは分からない」
から描けなくなるのです。

よく編集指導で新人漫画家が潰れる原因がこれです。

逆に編集者さんが「他人の仕事のやり方をやれ」と言われたらできないでしょう?
同じ事なのです。

この世界で押し付けは絶対禁止です。ご法度。

キャラクターは取り外しがきくパーツでは無いのです。
作り手の一部

弄ればキャラクターが死にます。それは書き手の作家が死ぬという事です。
西森博之さんは
まさに
西森博之さんの漫画に出てくるようなキャラクターなのです。

ちなみに
上の漫画のMさんも前屋さんも知っている人から見ると激似だと思います。
話し方も。
それは僕の記憶の中から再構築しているからリアリティがそのまんまなのです。

今年の4月
鹿児島で前屋雄一郎と再会した時も
3人が漫画家なので
漫画の話に花が咲きました。

前屋はギランバレー症候群で五年寝たきりで
体が動かず漫画家を諦めた
二級障害者であったのに

漫画を嫌いになっていませんでした。


そこも嬉しくなりました。
しかも洞察力や分析力は確かで
最新漫画のポイントや解説も面白かったです。

最新漫画は「丁寧に伏線を回収するから読み物として面白い」

かつては「伏線は張っても読者は忘れるから書くな」

と僕達の世代は指導されたのです。
「あれ間違ってたってのを新人が覆していくのおもろいよな」

言葉一つ一つに漫画への愛が溢れています。
もう彼自身は漫画が描けない体なのに・・・

鹿児島の海を見ながら
ビールを飲みかわし
漫画の技術的な話に踏み込みました。

「ウェブトーンとか、ウェブの漫画読んでる?
見開きが無かったり、縦読み、あと展開が早い」

前屋「読んでるよ」
紅林「漫画の作り方が変わっちゃった気がするんですよ」
鷹巣「前屋さんどう思います?」

前屋「変わんないよ。昔からある。あの漫画の作り方は。」
紅林・鷹巣「え?」

前屋「あれを参考にした方がいい」

金言でした。


修羅の門、、、、!!!!!その手だ!
間の取り方!

読みやすいシネマカット割
昔はずるいと思ったけど

持ってるリソース(資源)を最大活用する
とても上手なマンガ。
というかあの演出方法から学ぶ事多い!!

特に好きなのはこの作品です。↓

アメリカ西部編!!
早速研究せねば!!!!!


次回
マンガの先輩②
「教えてくれるのは必ずしも年上だけでない」





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