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まちを愛するこころ

昨年、個展を開催するにあたり、はがきに地図が必要になりました。会場は、みんなにぜひ来てほしいような、ステキな場所にあるので、周辺の神社や公園、池なども載せたマップが欲しいと考えました。

既存の地図を探しましたが、きちんとした地図はどこにも見当たらず、自分で描くことに。毎日のように散歩している場所。周辺で見つけられる鳥や植物、春夏秋冬の魅力など、載せたいことが多すぎて、はがきサイズのDMに載せるには明らかに多すぎます。

情報量を減らして、本当に最小限にそぎ落として、とてもシンプルな地図になりました。それでも、目に見えないレベルで場所のステキさをエネルギーにして込めたつもりです。

優しい色合いで

この地図を描くにあたり、少なからず影響をうけたのは、インスタグラム(@machinoniwa)で知り合った“さんぽ絵ずし”さんです。直接お会いしたことはなく、インスタグラムで絵を拝見するだけでしたが、この人はきっと、私と同じようなことを大切にしていて、同じようなものが好きな人なんだろうと思っていた方。

以前、彼女が制作した逗子の絵地図を購入しました。彼女の絵地図は、開いたとたんブワーっと何かの空気があふれ出してきます。きっとそれは、逗子のまちを愛する、彼女のこころそのもの。たとえ訪れたことがなくても、まちの起伏や森の色、そこに住まう人々、生きものの息遣いが感じられました。

その空気を感じているだけで、幸せな気持ちになり、まだ見ぬ逗子という海辺のまちを好きになる、そんな絵地図でした。”さんぽ絵ずし”さんのおかげで、私は絵地図というもののパワーを知りました。

A2サイズの大きな地図
細かい!

彼女のようなすごい絵地図ではないけれど、私も、好きな場所の絵地図を描くことができたのです。その地図をみんなに配ることができた、それだけで本当にうれしかったのですが、さらに嬉しいことに、私の地図を見た会場周辺の企業の方々が、その地図をとても喜んでくださいました。

必要にかられて、そして、描きたい情報をかなり減らして描いた絵地図だったのに、そんなお声をいただけて、このまちを愛する気持ちが、同じ気持ちをもつ地域の方々に届いたのかな、良い地図になったのかなと思えました。

絵地図の師匠である(と勝手に思い込んでいる)“さんぽ絵ずし”さんのnoteによると、

多くの人が自分だけの絵地図を(実際に描くかどうかは別にしても)どれだけ濃い密度で描けるかどうかが、よい風景やよい町の尺度になるのではないかということ。
さんぽ絵ずしさんのnote記事より

とのこと。私の愛するこのまちはきっと、”良いまち”なのです。にんまり。

彼女のこの文章には続きがあって、私が長年、言語化できなかった"まちづくり"に対する思いがズバッと書かれていたので、そちらも記事の最後に引用させていただきます。

noteを通じてより深く彼女の思いを知ることができ、身近ではなかなか巡り合うことのできない、レアな思いを共有する仲間に出会えたことに感謝しています。このような仲間が、もっともっと増えて、本当の意味でステキなまちが増えていきますように。

“まちづくり、というと何か作らなくてはいけないような、新しいことをしなければいけないというようなことを考える人が多いと思うのだけれど、ほんとうに大事なのは、身近な環境で自分が居心地の良い場所や面白いと思えるものや人を探すこと。ハードであれソフトであれ、好きな居場所が見つかれば、それを守っていく努力をすること。好きな場所がなければ今いる場所を居心地よくしていくこと。町に住んでいるそれぞれの人がそんな小さな積み重ねをしていくことで、町はきっと面白い場所になると思うのです。”
以下に原文記事↓↓
machinoniwa マチノニワ イラストレーション
個展の様子や作品一覧はこちら (インスタ@machinoniwa_illustration)



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読んでくださってありがとうございます。植物を暮らしの中で楽しむ方法を、絵や文章を通して発信していきたいです。それが回りまわって、”自然”と”人”を守ることに繋がればと思います。まだまだ未熟ですが、サポートしていただけると嬉しいです。