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年をまたいでも、描きたかったもの

昨年の9月、個展期間に、4回ほどスケッチのワークショップをしました。

個展は、長岡天満宮という神社の中にあるカフェで開催しました。鎮守の森や公園が隣接する絶好のロケーションを生かして、散歩しながら描きたい題材を拾ってきます。
”描きたいと思うものを、自分で見つける”
そこからもうスケッチは始まっています。
何を見つける?何にときめいた?
自分の心の小さな声に気付いて行動にうつす、その体験をしてほしくて、このワークショップを行いました。

いつもの神社、いつもの公園。絵を描くと思ったら違った景色が見えてきます。今まで見えなかったものが見えてくるのが、ネイチャースケッチワークショップの醍醐味。

私は普段、そんな感じで散歩しながら絵を描いています。何でもないような足元の雑草がいちばん楽しかったり。みんなも、各々見つけたいろんな植物を拾って描いてくださいました。みんなが何を見つけてくるかな?
お互いに違うものを拾ってきていること、自分が全く気付かなかったものを拾ってきた隣の人の感性に目をみはること、そんなことも楽しいひと時です。

題材はいくらでもある

そんな風にして、皆さんステキなスケッチを描いていただきました。4回開催し、おかげさまで全日満席で25人の方にご参加いただけましたが、その中でお子さまはお2人。小学生の女の子と男の子。

誰よりも真剣

今回、ワークショップを開催して、私が何より驚いたのはこの2人がそれぞれ見つけてきたものでした。

最終日に参加してくれた男の子が拾ってきたのは、とれたセミの羽。片方だけになった三角の羽は、大人には絶対に見つけられないものだと思いました。セミの死骸を見つけることはよくあるけれど。ステンドグラスのように、様々な茶色が模様を描いて混じり合う美しい羽をスケッチブックの前に置いて、描いているのを見たときは、やられた!という気持ちで嬉しくなりました。

そして、2日目に参加してくれた女の子は。綺麗な草花に混じって、石ころを拾ってきました。特段綺麗でもない(ように私には感じられた)、ただの青くて黒い石。ただの私は、それにも本当にびっくり。その感性がうらやましくなって、年をまたいでもずっと頭の中に残っていて、新年初めてのスケッチを石にしました。描いてみると楽しくて、石を描くだけでこんなに楽しい気持ちになれるなんて思いもよりませんでした。何でもないものこそ、描いてみると自分らしさが見えてきたり、発見がありました。

こんなに素敵な感性を等しく持ち合わせている子どもたちに、改めて教えられ、スケッチワークショップを開催して本当に良かったなぁと思うのです。

顔彩で
ひとつひとつが星にも見えてくる





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子どもに教えられたこと

読んでくださってありがとうございます。植物を暮らしの中で楽しむ方法を、絵や文章を通して発信していきたいです。それが回りまわって、”自然”と”人”を守ることに繋がればと思います。まだまだ未熟ですが、サポートしていただけると嬉しいです。