雨の日と黄色[2024/6/26(水)〜7/2(火)]
2024/6/26(水) はちみつでバッテンを描く
朝、昨日買った食パンをトーストする。
1度ひっくり返して両面カリカリに焼けたところで娘が「チーズ乗せて!」と言うから、チーズを乗せてもう一度焼いたら、パンの片面はガリガリになった。
私はチーズにはちみつをかけて食べるのが好きだ。
娘に「バッテンに塗って」と言われる。「自分で塗ってよ」というのだが「できない」と言うから、チューブ型のはちみつを逆さにして、一筆書きでバッテンを書く。∞マークちょっと欠けた形になった。
「バッテンじゃない!」と娘が怒る。「お母さんはそれがバッテンなの!違うなら自分でやって!」と言う。優しくなれないのは、全部暑さによる睡眠不足のせいだ。
不満顔の娘は「自分でやる」と、もう一度はちみつでバッテンを描いた。
洗濯物を干して、弁当を作る。今日はようちえんのお当番で2人分。夫が出張中でいないから、おかずも少しずつしか減らない。昨晩に続いてお弁当も親子丼だ。
ようちえんのお当番。穏やかな一日だった。果樹園跡地の木陰は風が通って、家の中にいるよりもずっと涼しい。「ホテルごっこ」をする子どもたちのお客さんになったり、井戸に行く子と水の冷たさを堪能したりした。
ようちえんが終わっても、そこにいるお母さんたちとしゃべったり、娘は子どもたちと遊んだりしながらしばらくいた。1歳の女の子がまだ白い桑の実を食べては顔をゆがませている。そしてまた一つ新しい桑の実を求める。
白いのもおいしいのだろうか、と思って、食べてみたらやっぱりすっぱい。少し桃色がかったものは酸味もあるけれどおいしくて、手を伸ばし、枝をひっぱっては、桃色の桑の実をとって食べた。
17時半の鐘が鳴る頃、家に着いた。一日外にいたものだから疲れていた。早く寝よう。幸いまだある親子丼と冷奴を夕飯にする。
ご飯を食べて、お風呂を沸かす。その間に娘はソファにうつぶせになって寝ていた。私ももう動けない。出張中の夫から電話が来たけれど、出られなかった。動けなくて、ソファでスマホを見ている。
やがて意を決して起き上がり、娘を起こす。「お風呂入る?このまま寝る?」もう寝たいと言う。布団に運ぶ。運んでいる途中で、私の着ていたブラウスがドアの取手に引っかかり、ビリっと敗れた。あーあ。
娘を着替えさせて、歯磨きをして、クーラーと扇風機をつけて、電気を消す。そういえば、と入れ忘れていた洗濯物を取り込む。
私はお皿を洗ってお風呂に入ってから布団へ向かった。涼しい室内でお腹のあたりにガーゼの毛布をかけた娘は気持ちよさそうに寝ていた。
2024/6/27(木) あまりにも早くことが決まっていた
夜中。私の左隣に寝ていたはずの娘は、気がつくと左の下の地面の外にはみ出し、次に気がついたときには私の右斜上にいて、最終的に私が目を覚ましたときには、左の頭の上に布団からはみ出して寝ていた。縦横無尽に動き回っている。
娘を果樹園跡地まで送り、帰ってきて仕事。窓を開けたら仕事ができる涼しい日。
細々した作業があったが、なんとか終わらせることができて、お迎え。
今日は友だちの子どもたちを預かる当番だ。子どもたちに聞いてみると「はらっぱに行きたい!」と言うので、隣のはらっぱへ移動した。
ようちえんのお友達のママがもう一人いてくれて、大人2人に、子どもは8人ぐらいいた。
はらっぱに向かう娘に「ストライダー持ってきたよ」と言う。娘は喜んでストライダーを乗り回し、お友達のママと追いかけっこしていた。
おやつを持ってきてくれた子どもが多くて、りんご、梅、落花生、レーズン、パン、寒天ゼリーとおやつが大豊作だった。どうやら子どもに行き渡ってそうだと確認したところで、「ひとつちょうだい」と子どもたちから色々とおやつをもらった。
お友達のママが体をはって子どもたちと遊んでくれているのを、私は腰掛けてダーニングなどをしながら見ていた。お迎えに来たTちゃんが「できる人ができることをすればいい」と言ってくれて、頷く。
お母さんたちがお迎えに来た夕方、Eコーヒーへ。Mちゃんのおにぎりの日。おにぎりは売り切れていて、ドーナツと飲み物を娘と半分にする。
子どもたちがたくさんいて、にぎやかだった。子どもたちは遊んでくれる優しい大人を見逃さない。今日も常連のDくんが子どもたちに逮捕されたり、急にボスにされたりしながら、遊んでくれていた。私のそばから離れなかった娘も、いつの間にか仲間に加わっていた。
やがて仲間から抜けた娘が私の膝に座っていると、もうすぐ2歳のNくんが娘においでおいでをしにやってくる。娘がついていくのに、私も後ろからついていく。Nくんはソファをポンポンと叩いて娘を隣に座らせると、おもちゃを出して娘に見せている。一緒に遊びたかったようだ。娘が私のところに戻ってくると、またこちらへ来て「おいでおいで」をした。
夫が出張中だから、今日は外で夕飯を食べてもいいな、と思っていたところ、Kちゃんの声がけでバババッとご飯を食べに行くことに決まった。そしてみんないつの間にか外に出て歩き始めていた。ことが決まるのがあまりに早くて「本当に行くんだよね?あのお店だよね?」と何度も確認してしまった。
おのおのの車で中華屋さんに集合してご飯を食べる。五目焼きそばが具だくさんでおいしい。娘は食べ終わると子どもたちとお店にあるおもちゃで遊んでいた。
お腹いっぱいになって帰宅。中華屋に行く頃にちょうど夫から電話がかかってきていたのを思い出して、掛け直す。関西出張で実家に滞在している夫。電話をかけると、画面の向こうに、夫とじいじとばあばが集合していた。娘は「(前に会ったときより)お姉さんになったみたい」と言われる。髪を下ろしているからだろうか。そう言えば最近顔が少しシュッとした気もする。
電話をおしまいにして、とても眠たかったけれど、シャワーを浴びて寝た。
2024/6/28(金) 雨の日と黄色
雨の朝。娘が「今日お父さん帰ってくるね!」と言う。出張に行っている夫が帰ってくる日を、娘は指折り数えている。
おもちゃ箱万華鏡を持ってきた娘は、その円筒をくるくると回す。どんどん形が変わっていって、どんなに美しい模様もとどめておくことができない。その儚さと脆さが美しいのだと思う。
娘は「見て!これかわいい!」と言うと、できるだけその形を留めたままそっと私に手渡す。私も崩さないようにパッと目を近づけては「かわいいね!」と応えた。
パラパラ雨だったらお散歩に行く、としていたようちえんの予定は大幅に変更になり、室内に集合になった。娘を送って、Eコーヒーへ友達の忘れ物を届け、図書館へ。週末までの絵本の原画展を観に行きたいと思っていた。
雨がザーザーと降っている館内は空いていた。写真が撮影できる大判の絵の前に立っていると「撮りますよ」と茶色のエプロンをした図書館のスタッフさんが声をかけてくれた。絵の中の動物の鼻を撫でるマネをしてみたり、絵の中のカエルをマネて頭を押さえてしゃがんでみたり。教えてもらうままにポーズを撮る。楽しい。
原画展の入口に、アフリカンダンス仲間のMちゃんがスタッフのカードを胸にぶら下げているのが見えた。声を掛けると、この展覧会を企画している一人らしい。貸し切りの展覧会の中、Mちゃんが絵にある仕掛けや、絵の背景にはどんなことがあるかや、作者のことなども教えてくれてとても嬉しかった。
雨の中、帰宅して、ご近所のRちゃんのお店にとうもろこしを買いに。おいしそうなお弁当も夕飯に購入させてもらう。
支度をして、今度は車で中学校の方へ向かう。夏野菜カレー給食の試食会が学校で行われる。地産の無農薬食材を給食に取り入れる活動をしている仲間たちが、農家さんと給食センターとの間で調整を頑張ってくれて、今回も夏野菜カレーが実現した。
学校の中は迷路のようで、迷いそうになりながら会議室へたどりつく。給食は野菜を提供してくれた農家さんたちと一緒にいただいた。このズッキーニの模様はうちの野菜だ、などと話しながらいただくカレーは、とてもおいしかった。分量もたっぷりあって、お腹いっぱいになった。
農家さんとの振り返りを学校の近くのスペースで行う。娘のお迎えに行ってくれた友達が来てくれて、娘を連れて、そのままバレエへ。忙しない一日だ。
今日も張り切ってバレエをした娘と家に帰る。
Rちゃんのところで買ったとうもろこしを茹でて、お弁当を二人で分けて食べた。お弁当に入っているクリームコロッケの中にもコーンがたくさん入っていて嬉しくなる。Rちゃんにもらったひまわりもテーブルの上に飾ってある。黄色に元気をもらう、雨の日。寝る直前に夫が帰ってきて、喜んだ娘はしばらく遊んだ。
2024/6/29(土) キャンピングカーに乗って
「お父さんが帰ってくるね、そしたら次の日からキャンピングカーだね!」。娘がこの一週間待ちに待っていた日がやってきた。
9時過ぎ、遅めの朝ご飯を食べると、夫はキャンピングカーを取りに向かった。私と娘はその間に準備をする。自分の荷物と食材の準備。炊飯器に残ったご飯はおにぎりにする。
夫がキャンピングカーと共に戻ってきた。キャンピングカーを借りるのは2度目である。前回は3年前、娘が2歳のときだった。テントを立てなくてもいい、荷物も全部放り込めば運べてしまう、なんならパジャマでも移動できる。その手軽さに、また利用しよう!と思っていたものの、3年も時が経っていたとは。
娘は前回利用したときのことを、写真を見て知ってはいるが、余り覚えていないらしい。バタバタと室内で準備をする私のことを置いて、早速キャンピングカーに乗って楽しんでいるようだった。
準備を終えて庭にでると「お母さん来て!こっちが入口!」と案内してくれた。「ここに座るんだよ」「こっちとあっちがベッド」。そうそうこんな作りだったなぁと記憶が蘇ってくる。
わくわくの娘と私はテーブルを前に座席に座る。「しゅっぱつー」「しんこう!」と、夫の運転で走り始める。途中、娘が鼻をワンピースで拭くと、黒地に紫と黄色の小花が描かれたワンピースの一部が赤く染まった。キャンピングカーが嬉しくて興奮したようだ。人生で初めてぐらいに鼻から血が出て、娘自身がおどろいていた。
出血はすぐに落ち着いて娘は「ピピピカチュウ ピピピカチュウ!」「キャンピングカーに乗って〜」など自作の歌を歌っている。
「今のは大人と子ども向けの歌ね」と言い、「次は子ども向けの歌」と歌う。「大人向けの歌もお願い」とリクエストする。曲調がしっとりしているとかそういうことだろうか、と待っていると、「お母さんはパソコン開いてカタカタ〜 お父さんは電車に乗るよシュッシュー」と仕事にフォーカスした歌だった。
途中の町の名前を聞いて、友達のお母さんがやっているパン屋さんに近いに違いない!と思って調べてみると、10分ほどのところにあった、進路を少し変更してもらって、パン屋さんに寄り道する。
人気店のパン屋さんは、間もなく売り切れ、というところだったけれど、何点かパンを買わせてもらうことができた。近くに良い公園があって、そこでパンをいただいた。
絶対に対向車とすれ違えない細い道を抜けて、キャンプ場に到着する。
キャンプ場にはきれいな川が流れていた。晴れているときは星空もきれいらしい。あいにくのくもり空。雨上がりとあって、川の流れは早く、肌寒くて川には入れなかった。
持ってきたテーブルや椅子を広げて、BBQをする。夫が炭火で肉を焼いてくれて私はカセットコンロとフライパンで焼きそばをつくった。
ビールを飲みながら、作り、食べる。2缶ずつ買ってきたお酒はあっという間になくなった。もう少し買ってくればよかった。「最高の土曜日だなあ」と夫が言う。「良いサタデーですな」と夫の口調をちょっとマネしたつもりで返してみた。
明るいうちに片付けを済ませて、キャンピングカーの運転席の上にある寝床に、娘と並んで寝る。
外が涼しいから、最初は温かく感じた車内だったが、寝ているうちにどんどん蒸し暑くなってきた。せまい寝床でも娘は上へ下へと涼しい場所を探して動き回っている。窓を開けて網戸にしたら、涼しい風がやってきた。
一度起きて眠れなくなった娘は、仕事をしていた夫と遅くまでおしゃべりしていたようだ。そんな二人の声が聞こえながらも、私は寝続けることに努めた。
2024/6/30(日) ぴちぴちの魚を見て首を振る
4時半にキャンピングカーの中で目を覚ます。外に出ると、もう明るかった。
夫と娘は7時半頃に起きてきた。夫は二度寝したそうだったけれど、「外に出よう」という娘に起こされていた。私が外へ出ていくと、二人で椅子を川の方に向けて座り、川の音を聞きながらいた。
朝ご飯はピザを焼いて食べる。川は透き通っていて、底の色がエメラルドグリーンだ。吸い込まれそうな美しさだが、今日も涼しくて川に入る天候ではない。散歩に来た犬が水浴びしている。私たちも、もう少し暑くなったら、きっと気持ちがいいだろう。
チェックアウトの時間は10時で、ご飯を食べて片付けをしたらすぐに出かける時間になった。受付でこのあたりのおすすめなどを聞いてみる。どこにいこうかと私と夫は外にでて思案するが、娘は「キャンピングカー乗って!」とすぐに車の中に戻りたがった。
近くの釣り堀を見に行く。釣り上げてぴちぴちする魚を子どもが「ほらとって!」と親に急かされながら手づかみしていた。跳ねる魚はなかなか捕まえられなくて、捕まえたと思っても手から滑って逃げていって大変そうだ。私にはとても捕まえられる気がしない。「やってみる?」夫が娘に聞いてみると、娘はフルフルと首を振った。私も同様に首を振る。
釣り堀は退散して、鹿の角を使ったアクセサリーを作っているというお店へ。鹿の角でつくられたアクセサリーやキャンプグッズなどいろんなものが並べられたお店で、見ているだけでとてもおもしろかった。お話好きの店主の方がアイテムのことや、このあたりで行われるイベントのことなど色々と教えてくれた。娘はビーズと鹿の角を使ったアクセサリーをつくらせてもらった。
キャンピングカーに戻って、お昼ご飯にパンの残りなどを食べる。夫は車内のベッドスペースに横になるとすぐに寝た。私も眠くなる。昨日寝た場所で寝ようと思うが、娘が「ここはお店屋さんにする」と言うから、私は二人がけの椅子に丸まって眠った。
1時間ほど経って夫が起きてきて、私も起き上がった。小雨降る中、帰ることに。
クーラーをつけて涼しくなった社内で、娘は布団をしいた座席に埋もれて寝始めた。
キャンピングカーの後ろのスペースは、運転席より背が高いため、前があまり見えない。ここはどこだろうと思っているうちに、走り慣れた道に出てきたことがわかって驚いた。
夕方家に到着。寝ている娘はそのままに、荷物を積み降ろす。夫と娘がキャンピングカーを返しに行き、私は家で荷物の片付けをした。
夕飯は娘が数日前から食べたいと言っていたタコライスにした。眠たくてなかなかお風呂に入りたがらない娘の服をひとつずつ脱がして、やっとお風呂に入れることができた。
今日から寝るときに扇風機に加えて、クーラーも導入。タイマーをかけて寝る。
2024/7/1(月) いつまでも抱っこできるわけじゃない
朝起きると、娘が布団の足元にある扇風機を抱きかかえて寝ていた。
起きてきた娘と朝ご飯を食べて、ようちえんの集合場所まで自転車で向かう。預ける場所で「今日放課後も預かりにするね」と言うと、「じゃあまだいて」と引き止められる。しばらくして「そろそろ行くね」と言うと、ハイタッチして、私の手の甲にちゅっとして離れていった。
家に帰って仕事。窓を開ける。しばらくするとパラパラと雨の振る音がした。
週末のキャンプの着替えなどで、洗濯物が多い。しかも雨だから外には干せない。乾燥機能を使う。ピーッと鳴って乾燥が終わる音がした。洗濯機の蓋を開けてみるが、ほとんど湿っている。たぶん量が多すぎた。ハンガーにかけられるものをハンガーにかけて、2階に干し、除湿機を使って乾かすことにする。残った洗濯物は、もう一度乾燥機能にかける。
あちらこちらで電気を使っていて、家の中が余計に暑くなる気がした。
お昼ご飯は、娘のお弁当の残りあれこれを、ご飯に乗せて食べる。
食後に、冷蔵庫の中ですっかり気が抜けてしまった炭酸で、友達にもらったすももピューレを割って飲む。この時期、炭酸があっという間になくなるな。子どもの頃は炭酸なんて全然好きじゃなかったのに、今ではしゅわしゅわが飲みたくてたまらなくなる。人は変わらないというのも真実だし、人は変わる、もまた真実だな、などと思う。
2階の自室で仕事していたが、暑さに頭がぼーっとしてきた。パソコンとノートを持って1階に移動し、クーラーを付けて仕事。やっと筆が乗ってきたところでお迎えの時間。
外は、ちょっといるだけで体にペタペタとなにかが貼り付いてくるような湿度だった。娘に会うと「これあげる」と薄紫色の花を手渡してくれた。
帰り道、車を運転しながらふと畑のことを思い出す。そういえばもう2週間ほど足を運んでいない。
「畑行っていい?」と娘に声を掛けて、畑の方へ方向転換した。到着してみると、やはり、どこが我が家の区画かわからないぐらいに草にまみれていた。私はすぐに自分が畑をしていることを忘れてしまう。毎日...は無理だから、せめて週に一度ぐらいは足を運びたいと思っていたのに、気がつくと2週間。いや、1ヶ月なんてときもある。
雨が降って、雑草も野菜もどちらもよく育っている。ミニトマトは鈴なりに実をつけている。「赤くなってるよ」と娘に教える。ミニトマトを手に取った娘は「ぶよぶよだよ、こっちはもう虫に食べられてる」と言った。ちょっと遅かったらしい。
全然畑に来る格好ではない。耳元で蚊が鳴く音もする。とりあえず、どこが畑か見分けがつくぐらいに草刈りをして、育ったミニトマトを支柱に結び直して、畑をあとにした。また近い内に来よう。
家に帰る。夕方には気力が尽きている。いつも思うが、ここから夕飯をつくるなんてハードワークだ。
先にお風呂を沸かす。沸いたから入ろう、と娘に声をかけるがなかなか入ろうとしない。今日も米袋を抱っこしている。「抱っこ紐ある?」と聞かれる。娘が赤ちゃんの頃使っていたエルゴのことだ。「お部屋のクローゼットの中の段ボールに入ってるはずだけど」と言うと、自ら探して取ってきた。
「これで〇〇ちゃんのこと抱っこして!」と言われるが断る。娘が米袋を抱っこするのを手伝う。ウエストがどれだけきつくしてもゆるゆるすぎて、結局米袋を手で抱えている。抱っこ紐は意味をなしていない。
それからちょっとイライラすることがあって娘に怒った。娘は泣いて、私も悲しくなってきて涙が出てきた。「お母さんが泣きたい」と言うと、娘が「泣いたらいいじゃん。泣いて、涙くっつけよう」と泣きべそのまま言うから、ちょっと笑ってしまった。
お風呂に入って仲直りした。お互いに自分が悪かった、と謝った。「夕方はこんなふうになちゃうけど、仲良くしたいね」と娘が言う。疲れて帰ってきた日は、冷静にできるはずの話が、つい感情的になってしまう。
ご飯を食べて、歯磨きをしようというところで、夫が帰ってきた。娘が抱っこ紐を見せて「抱っこして」と言うと「お腹すいてるんだけど」と言いながらも、すぐに抱っこしてあげていた。優しい。私が何度お願いされても断っていた抱っこ紐で抱っこを、あっさりと受け入れている。夫にそれを伝えると「いつまでも抱っこできるわけじゃないからね」と言っていた。
2024/7/2(火) 次から次へ来るのはいいことだ
部屋でパソコンに向かっていると「ママー」と呼ばれる。寝室に行く。「ハイハイしてママのお部屋見に行ったけど、ママが全然気がつかなかった」と言う。「声かけたらいいのに」と言うと、「真剣にカタカタしてたから、こっちに来てから呼んだ」そう。
「下に行ったら、抱っこ紐で抱っこしてくれる?」ええー。「おねがい」と言って胸の前で手を合わせる。昨日夫が言っていた「いつまでも抱っこできるわけじゃないんだから」と言う言葉が頭をかすめて、いいよ、と言う。「じゃあ、下に行こう!」娘はキラキラした目でこちらを見ていた。
抱っこ紐に娘を入れてみる。私の顔と同じ高さに娘の顔がある。抱っこ紐が活躍していた当時は、胸元に顔があったはずだ。間もなく20キロの娘が重たくて、すぐにソファに腰掛ける。「今度はおんぶして!」と言うが、そろそろお弁当をつくらないと間に合わない時間だから、諦めてもらった。
朝から暑い。もうさらっとした洋服しか身に着けたくなくて、最近古着屋で買った、薄手のゆったりしたつくりのワンピースを着る。ついこの前もこれを着ていた気がするが、まあ良い。娘はこの夏おばあちゃんに作ってもらった白いワンピースを選んだ。
娘を預けて、私はようちえんの保護者(というか保育に入る人たち)が参加する救命救急講習に参加。
帰宅してお昼ご飯を食べる。久しぶりにオンラインで語り劇の練習。本番まで間もなくだが、ずっと仕事が忙しくてなかなか練習の時間が取れなかった。残り少ない時間で頑張ろうと思う。
それから仕事。今日も友達が娘を預かってくれる日で助かる。が、少し娘に会いたくなる。目の前の原稿が終わったら、もう少し娘と過ごす時間をつくろう。
先が見えてきたところで、車で娘のお迎えへ。雨がぽつぽつと窓を打った。帰り道にスーパーで炭酸を3本買って帰る。
夕飯は暑いからぱぱっと冷やし中華。お風呂に入ろうとするが、今日もなかなかお風呂に入らない娘に私がイライラし、娘が泣いた。夕方をもう少しスムーズに動けるような工夫が必要だ。
お風呂に入って、泣き顔の娘が「いつもみたいににっこりして」と言う。目を開いて、口だけニッと釣り上げたら「こわい〜」と泣いた。
布団に入ると「お話しよう」と娘が言う。暗い部屋で、布団に入りながらお話するのが好きなのだ。
「原稿書かなきゃ。ずっとお仕事が忙しいなぁ」と言うと「終わってもまた次、また次、ってくるからでしょ、いいじゃない」と娘が言う。本当に。お仕事の依頼が途切れないのは、ありがたいことだ。
「お母さんは今日何した?」と聞かれて、救命救急講習で教わった手当を娘に説明する。いろいろと質問されているうちに、だんだん眠くなってきて「もう寝よう」と言ってからあっという間に寝付いた。
今日もクーラーをタイマーに扇風機を回して寝た。扇風機の風と音が気になって、なんとなく眠りが浅い気がする。
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