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今が花、ずっと花[2024/5/29(水)〜6/4(火)]


2024/5/29(水) 頭痛しながら肉じゃがを作る

台風明けの朝。風はすっかりおさまっていた。

娘はまったく起きてこない。8時過ぎに起こしに行く。娘を起こした足でキッチンへ向かってお弁当を作る。昨日のタコライスをそのまま弁当と朝食にした。

娘をようちえんの集合場所へ送る。すぐに「じゃあ行くね」と告げて、町民センターで開催している発達サポーター育成講座へ。子どもの発達のことなどが学べてとても面白い講座なのだが、ようちえんの予定と重なっていて、久しぶりの参加となった。

講座では「周りの人と話し合ってみてください」という時間が多くある。私は頭がぼーっとして、ただただ聞くだけであまり言葉が出てこなかった。

家に帰る。お昼が近かったから、ご飯を食べた。

朝書いていた原稿の続きを仕上げて送る。メールの返信など。

なんだか憂鬱で元気が出ない。月曜にAちゃんのワークショップで、フラワーエッセンスのカードをひいたとき「マスタード」のカードが出た。なんとなく気分が落ち込む、というときに良いエッセンスらしい。まさに今の私にぴったりだ。カードは、そのときピンとこなくても、後から当てはまる!と思えるときがあるからすごい。

すぐにお迎えの時間。玄関を開けたら、日差しが明るくて、緑が輝いていて、私にはまぶしすぎた。

車に乗る。こんな日はアップテンポな曲だろうとSportifyでH ZETTRIOをかけたら、メロウな曲が流れてきて、私に寄り添ってくれてるように感じた。

娘と甘いものでも食べに行きたいなと思う。でもお迎えした娘ははらっぱでキックボードしたい!と言った。

とりあえず一旦家に帰る。冷凍庫に大事にとっておいたハーゲンダッツを取り出した。疲れていて甘いものが食べたい。こんなときのためのハーゲンダッツだ。

「お母さん疲れてるから先食べていいよ」と娘が優しく言ってくれる。「ありがとう」と最初の一口をいただいた。限定味のアーモンドキャラメルクッキーおいしい。

よし、と立ち上がり、はらっぱに行くことにした。キックボードしている娘をただ見ているのも退屈だから、と、パソコンや本やダーニングするものが入ったかごを手に持つ。

結局、すぐに進めた方が良さそうな仕事があって、娘を見ながらパソコンを開いていた。こんなキラキラな日差しのもと、「お母さん見てー」「見なくてもいいからたまに見てー」という娘を前にパソコンを開いている私はどうかしている、と思うのだが、仕方ない。

仕事は区切りがついた。パソコンを閉じる。Mちゃんがやってきて、お互い疲れがとれない、という話をする。運動不足じゃないかという結論になり、そうだなあと思う。忙しくなると運動に割く時間を惜しんでしまう。そして身体は不調になっていく。良くない循環。

MちゃんちのTくんがやってきて「帰ろう」と言いに来てくれたのを区切りに、我が家も帰ることにした。

帰宅すると、頭が痛い。頭が痛いながらに、肉じゃがを作る。娘が「今日は〇〇ちゃんがご飯つくる日なのに」と言いながら、野菜を切ってくれた。一昨日作ってくれてから、これからは私と交互で夕飯を作ろうと思っていたらしい。

肉じゃがが煮込まれるのを待っている間、本を読む。疲れているのに本を読む。どうかしている。頭が痛いという私に、娘が「ここ?」と言いながら頭をもんでくれる。とても優しい。

肉じゃがと味噌汁ができた。作りながら「帰りたい...」とつぶやいて「ここがお母さんの家だよ」と娘に言われる。何もしなくていい場所へ帰りたい。誰にも強制されていないのに、何かやらされているような気持ちになっているのかもしれない。誰にも何もやらされない場所へ帰りたい、と思っていた。だいぶ疲れている。

目の前の夕飯を平らげると、そのままソファに横になった。このまま眠れそうである。

だけどさっきお風呂を沸かしたばかりだった。娘に「お母さんお風呂入ろう」と言われる。気合いで起き上がる。

娘とお風呂に入る。娘が身体を洗っている間、目を瞑っていた。寝ていたかもしれない。

お風呂をあがって、歯磨きをして、20時ちょっと過ぎ眠りについた。


2024/5/30(木) お当番と焼きとんの日

起きたら頭痛は治っていた。すべて運動不足のせいだ、と思って、朝のルーティンにヨガの太陽礼拝を取り入れる。簡単に全身運動ができてよい。どんだけ忙しくても、太陽礼拝ぐらいは続けたい。

ようちえんの当番の日。昨日作った肉じゃがなどを詰めて、2人分のお弁当を作る。

今日は梅シロップを作るから、ボウルやはかりなども準備して、ようちえんの集合場所、果樹園跡地へ。娘はばんそうこを棚から取り出し、ティッシュと一緒に小さな袋に詰めるとオリジナルの「お当番グッズ」を完成させた。私がお当番のときは、自分もお当番をしようと思っているらしい。

梅を洗い、泣いている年少さんを抱っこしながら、子どもたちに梅を拭くのと、ヘタをはずすのをお願いする。なんだかアワアワしたが、子どもたちは手際よくやってくれて、無事に梅シロップは完成した。

「お当番の」娘が「お母さんどこ見たらいい?」と聞く。「年少の女の子たち見てて」と言うと、「オッケー!」と年少の女の子たちのそばへ行った。しばらくすると立ち上がり、年少の女の子たちに何か言い残して去っている。「他の子たちも見なきゃいけないからって言っておいた」らしい。

しばらく私と一緒に行動していた娘は、やがて「ホテルごっこ」をしている友達の遊びに加わっていた。

私は「お散歩にいきますよ」という年少の女の子たちについて行く。となりのトトロの「さんぽ」を合唱しながら歩いていて大変かわいらしい。聞いたままを歌っているから歌詞がまだあやふやなのがかわいい。娘も2年前まではこんな感じだったかな。今はほとんどしっかり歌えるようになった。

そんな穏やかな散歩について行ったら、カキンカキンと音がして、木の枝で鉄の柱を打っている子と、桜の木を打っている子がいる。「こいつは悪者で戦ってるんだ」と年中と年長の男の子2人組が言っている。こんな穏やかな人たちの散歩の横で戦っている人たちもいる。面白くて笑いが込み上げてくる。

もう解散ですよという頃、娘と年中の男子4人ぐらいが何かしている。近づくと、アリを潰して運んでいた。「アリ料理作って悪い人に食べさせるんだ」。子どもの遊びは時に残虐だ。アリ料理を作る人たちを集合場所にうながして、絵本を読んで解散した。

放課後も子どもたちの預かり当番で、そのまま隣のはらっぱへ。娘は持参したキックボードに乗ると、同じ場所を何周も何周もしていた。

グミを持ってきた子がいて、それを嗅ぎつけると(文字通り、子どもたちは匂いにすぐ反応する)その子の周りに群がった。普段、イモやリンゴなどの素朴なおやつばかり食べてる子たちだから、お菓子を見つけたときの群がり方がすごい。あっという間に持ち主の子の分はなくなっているのを、あーと眺める。

お迎えにきた子どもたちが帰っても友達と話していたが、はっと気づいて立ち上がる。夫と夕飯を食べに行こうと朝話していたのだった。

「お待たせ〜」と家に帰ると、夫はミーティング中だった。予定していたミーティングが順番に押していたらしい。ちょうどよかった。

3人で外へ出る。娘が「お父さんとお母さんとお散歩うれしい」と私と夫の腕をつかむ。行ってみたかった近所の焼きとん屋さんへ。カウンターに座って、私と夫はビール、娘は緑茶で乾杯。一日外で過ごした日のビールはおいしい。串焼きやチャーハンや砂肝のからあげや、いろいろ食べてすっかりお腹いっぱい。ほろ酔いで歩いて帰れる距離が嬉しい。

布団に入ると必ず娘は「こっち向いてくっつこ」と言う。仰向けの方が楽な私が「こっちの方が楽だから」と言うが、しばらく「こっち向いて」と言う。娘の方を向いて、その後ごろんと仰向けになると、「じゃあ上むいて手つなご」と仰向けを了承してくれたから、仰向けで手をつないで寝た。


2024/5/31(金) メロンを食べると思い出すこと

月末だ。以前住んでいた団地の広報活動を継続していて、「団地ブログ」なるものを月に1,2本書いている。今月分を書いていないことを思い出して、朝書き始める。気がつくと8時過ぎていて、慌てて娘を起こす。

しばらく寝室でゴロゴロしていた娘が、8時半過ぎにやっと食卓につく。「もうこのリズムでやらなきゃ間に合わないよ」と手をパンパンパンパンパンと、馬の駆け足のようなリズムで叩くと「急ぎたくないぃ」とうにゃうにゃしていた。

私も急いでお弁当箱にごはんと余っていた肉じゃがを詰め、卵焼きを焼き、さつまいもを蒸して入れる。お弁当箱はなんとか埋まった。

雨がパラパラと降っている中、ようちえんの集合場所へ送る。産直で野菜を買って、帰宅。

朝書いていた団地ブログの続きを書き上げ、プラスでもう1本書き、なんとか今月2本分を書き終えて、着替えて出かける。

久しぶりのアフリカンダンスだ。3月の発表に出て以来、ずーっと忙しくて参加できなかったのだが、そろそろ運動不足が気力と体力にも影響していてよくないから、今日は参加することにした。

全身をめちゃくちゃ動かして、たくさん汗をかいた。一山登って降りてきたぐらいの疲労感と、心地よさを感じた。車で家に戻って、歩いて近所のY雑貨店さんで頼んでおいたお弁当を受け取り、帰宅。シャワーで汗を流してからお弁当を食べる。しみじみおいしくて染み渡る。

原稿の修正対応をして、ようちえんの昨日の日誌を書き上げたら、もうお迎え。

朝は雨だったが、すっかり晴れていた。子どもたちは絵本を読むのを聞いているところで、娘の隣に腰掛けて一緒に絵本を見た。

金曜日はバレエの日。解散場所からバレエスタジオがほど近いから、どこかでお茶しようかなと思う。あてにしていたお店は2つともお休みで、あまり行ったことがない、おしゃれなカフェCへ。

2人がけのソファ席に案内されて、とても居心地が良い。娘が「このお店でここが一番いい席だね」と言う。本当にそうだな。「メロンとプリン」を頼む。半分に切ったメロンに、カスタードプリンが乗った、贅沢な一品で、町の友達がインスタにあげているのを見て、食べてみたかった。

私は子どもの頃メロンが大好きだった。今でも実家に帰ると父が「なおちゃんが好きだから」とメロンを買っておいてくれる。

それとともに、小学校の同級生のフクダくんの顔が浮かんでくる。フクダくんというのは、学校で一番体の大きい男子で、下級生がみんな給食の余りを鍋ごと抱えて持ってくるぐらい、よく食べる子だった。そのフクダくんが、私が食べ終わったメロンだかスイカだかの皮を見て「おまえ、カブトムシだな」と目を丸くしていたのだ。あのフクダくんに言われちゃったな、と思ったからなぜか忘れられない。今でもメロンやスイカをスプーンですくって食べる時に、思い出してしまう。

そんなことを思い出しながら、メロンとプリンを娘と平らげた。ボリュームがあって、二人でお腹いっぱいになった。

食べ終わるとちょうど良い頃合いで、お店をあとにして、バレエに行った。

いつの間にか古株になってしまった娘は、今日も列の先頭に立って張り切っている。「次はこうします」とか「ここで待ってて」とか先生の指示どおりにしていて、「よくわかるものだな」と親ながら感心する。

レッスンが終わって家に帰る。夫が家で仕事していた。「パパー!」と娘が甘える。出かける用事がある夫に「行かないで!」「〇〇ちゃんも一緒に行く!」と引き止める。それでも車に乗り込む夫が駐車場から出ていくのを、娘は窓から眺めていた。

夕飯を作る。ぱぱっと豚丼。あと塩もみきゅうり。昨日ようちえんの後に友達と話してて、日々のご飯なんてそんなに気負ってつくるもんじゃない、という話をして気が楽になった。卵かけごはんだっていいんだよな。頭痛しながら肉じゃが作るもんじゃない。

娘とお風呂。ようちえんの子どもたちの声のマネを娘としてみる。声が高かったり、しゃべり方に特徴がある子はマネしやすいが、難しい子も多い。特に新しくようちえんに入ってきた年少さんの声や喋り方はマネができなくて、まだあまり声を聞いてないんだなと気付かされる。

声のマネをしていたら、だんだんその子が言いそうなセリフのマネになってきた。

娘が「Rが『おうちごっこする』って言って、Fが『Fが先におうちごっこしてたんだよ!』って怒るでしょ、それでKちゃんが『Kちゃんは先にやってたからいいよね』って言って...」と声色や喋り方をマネしながら言う。

どれも似ていて、その子が言いそうなことばかりだから笑ってしまう。「それ本当にあったこと?」と聞くと「ううん、考えた」と。また別のシチュエーションの声マネもあり、で、「〇〇はこういう」とちゃんと自分も出てくる。本当によく見て観察しているんだなあ。感心することばかり。


2024/6/1(土) 今が花、ずっと花

最近4時半には空が明るくなるから、ゆっくり起きようと思った土曜日の朝も、4時半には目が覚める。

娘と夫は8時過ぎてから起きてくる。9時頃朝ご飯を食べる。10時過ぎに洗濯をしていたら、母がやってきた。

洗濯物を干して、朝のうちにしたい仕事をして、11時に過ぎに母と娘と出かける。

月に一度、はらっぱで開催しているマルシェへ。到着するとすぐ入口のブースで、Mちゃんが野菜を並べていた。今日はみんなで育てている玉ねぎやにんじんもここで販売してくれる。遅れて行ったが、Mちゃんも遅れていたらしく、ちょうど一緒に並べることができた。

次々とお客さんが来てくれて、Mちゃんのお惣菜やキッシュは瞬く間になくなっていった。

母と娘は隣の果樹園跡地に梅の実を探しに行った。母は埼玉から梅がほしくて探しにきたのだ。この町にいると、梅の木なんてそこここにあるでしょう、と思うけれど、実家のある新しいマンションばかりの街では、当たり前ではないのかもしれない。

日差しのある暑い日だった。梅の実をとってきた母と娘と、マルシェをめぐり、キッチンカーで買ったベトナム料理をトレーラーハウスのデッキで食べた。

Tさんが売っているあんぱんや、ほしかった絵本、などいろんなものに出会った。

Eコーヒーへ。先日入荷した梅の実はもうすっかり売り切れてしまっていたけれど、お茶をする。生搾りのバレンシアオレンジのジュースがとてもおいしい。娘は母に絵本を読んでもらっていた。

母が去年梅の実をたくさん見た、というスポットまで車で移動する。個人のお宅の外側だが、今年はあまり梅の実が落ちていなかった。「お庭から取らせてもらえないかな」と母が言い、玄関まで歩いていく。インターホンを押すと、歯のない白髪のおじいちゃんが、タバコをふかしながら出てきた。

「通りがかりのものですが、立派な梅の実を外で拾って」と母が交渉する。「侵入者です、侵入者です」とおうちの中で警報のようなものが鳴っているのが聞こえるから、私はドキドキする。おじいちゃんは、今年の梅は不作なこと、庭は荒れているから入れないこと、などを話してくれた。「梅の木は2年に一度だから、今年の梅は食べられない」と言っている。「また来年通りがかったら伺ってもいいですか?」と母が聞く。こんなに警報が鳴っているのに、この人めげないな...!とびっくりする。おじいちゃんは苦笑いしながら頷いているようにも見えた。

おじいちゃんの家を退散して母に「よく来年のことまで聞いたね!」と伝えると「だってそそくさと退散したらその方が怪しいでしょ。怪しくない人ですよ、来年も来たいぐらいですよって言ったほうがいいじゃない」と言う。そういうものかしら。

かくして、梅の実は一粒しか拾えず、家に帰る。余らせて冷凍していた梅の実を母にプレゼント。娘と母が遊んでいる間、私は自室で仕事した。17時すぎに、駅まで母を送る。

帰宅すると、今日一日部屋で仕事していた夫はあまり元気がなさそうだった。しばらくすると、夕飯を食べずに寝る準備を始めた。私は夕飯の準備をする。

娘が「お母さん、今だけが花なんだって。おばあちゃんが言ってた」と両手で花の形をつくって言う。「どういうこと?」「〇〇ちゃんが大きくなって、お母さんのこともういらないってなっちゃうかもしれないから、くっついて寝ようっていう今が花なんだってよ」。

そう言われて急にさみしくなる。今が花かぁ...「ママと一緒に寝たい」と言う娘に「ひとりで寝られないかな」と言ってしまうことがあるけれど、きっとその期間は長くはないんだろうな。

夕飯を食べて、眠いながらもなんとかお風呂を済ませて、歯磨きをして、布団に入る。「こっち向いてくっついて」と言う娘に「今が花だねぇ」と寄り添う。「でもゆっくり大きくなるから、ずっと花だよ」。暗闇の中で手をつなぎながら娘が言った。


2024/6/2(日) 風邪の日の牛乳プリン

8時過ぎまで寝ていた娘が「喉が変な感じ」と起きてくる。目がトロンとしている。何かツルッと食べられるものを、と思って卵かけご飯を出してみるが、一口食べかけたところで、「もういい」とお茶碗をテーブルに置いた。これは、今日はもう寝るしかないかもしれない。

布団に連れて行って、再び寝かせる。寝ながら呼吸するとポンと胸が不規則にあがり、いつもと異なる不思議な動き方をしているから気になる。熱が出るかもしれない。

今日は楽しみにしていた予定があったが、キャンセルの連絡をする。残念だけれど、仕方ない。

しばらく布団の隣で娘を見守っていたが、深く寝ているようだったから、自室に戻って仕事。雨が降りそうな天気だからか、なんだか眠たい。

12時過ぎに娘が起きてきた。汗をかいている。布団に戻るが、「体が重たくて眠れないー!」と唸っている。どうしてあげたらいいのだろう。隣に横になる。「眠れないー!」としばらくバタバタしていたが、やがて落ち着いて寝た。眠くて眠くて仕方なかった私も一緒に寝た。

2時頃私は目が覚める。お腹が空いたな、と思って、キッチンでラーメンを茹でて食べた。炒めた空芯菜を乗せて。

娘はよく寝ている。起きてきたのは4時半頃だろうか。雨が急にバタバタと激しく降り始めた頃だった。自室で仕事していたら「ママー!」と呼ばれた。

「汗かいちゃった」おでこにびっしょりと汗をかいている。「お腹すいた」。階下に行って、タオルで体を拭いてパジャマを新しいものに替え、そうめんを茹でた。夫も「お腹すいた」とやってくる。そうめんに、さっき炒めた空芯菜、昨日ゆでたとうもろこし。「もうこれが夕飯でいいか」。ラーメンを食べたばかりであまりお腹が空いていない私も、自分の器を持ってきて、そうめんと空芯菜をちょこちょこつまむ。

娘は昼よりすっきりした顔をしていて、元気になってきたようだ。自室で寝ていた夫もだいぶ快復してきたらしい。久しぶりに3人で食卓を囲んだような気がする。「お父さんは、お誕生日に何食べたい?」間もなくやってくる夫の誕生日パーティの相談をする。

「お父さんは一番好きな食べ物なに?」「うーん、ハンバーガーかな。〇〇ちゃんは?」「〇〇ちゃんが一番好きな食べ物はお母さんのご飯」嬉しいなぁ。この子は人を喜ばせるのが上手なのだ。「二番目はグラタン。三番目からは飲み物になっちゃうんだけど...お水かな」。お水なんだ!と笑った。たしかにゴクゴク飲めるお水が結局一番おいしい。

夕飯を食べると夫は再び寝る。娘が「なにか“レザート”食べたい」と言う。牛乳があったから、牛乳寒天でも作ろうか、と言ってみたものの。寒天がない。買いに行ってくるね、と娘に伝えて、近所のコンビニまでお散歩。雨はまだ降っていた。

コンビニにあるかも、と思っていた粉末寒天はなくて、夫に頼まれたスポーツドリンクを買って帰る。

帰り道は雨がやんでいた。地面の裂け目みたいに細長くできた水たまりに、青空が映っていた。手前の方は、うっすらと桃色だ。

家に到着。「ピンポン押してね」と娘が言っていたのを思い出して、インターホンを押すと、「はーいすぐいきます」と声がして、娘がカギを開けにきてくれた。

寒天はなかったから、家にあるゼラチンを使った牛乳プリンづくりに切り替える。私が液体を流し込んだカップに、娘が缶詰のみかんを入れた。

お布団に入る。娘は「眠くない」としゃべったり動いたりしている。「もう牛乳プリンできたかな?」「あと1時間はかかるかなぁ」しばらくゴロゴロした後、待ちきれない娘と冷蔵庫を見に行った。まだゆるゆるの牛乳だった。これでいいから食べる!と自分でカップを手に取り、スプーンを出してくる。「まだおいしくないと思うよ?」と言うが、「いいの!」と食べ始める。「ただの牛乳だった〜」と笑っている。

生まれた月から毎月続けているアルバムを娘が見返す。「あっという間に大きくなっちゃったなあ」と言うと「今もかわいいでしょ」と娘が言うから、「今もとってもかわいいよ」と答える。歯を磨いて布団へ。今度はすぐに眠れた。


2024/6/3(月) ココナッツミルクカレーが運ぶいいライフ

7時前、娘はすやすやと寝ている。今日はようちえんのお当番予定の日だった。昨晩のうちに、もしかしたら今日はおやすみするかもと伝え、代わりにお当番に出られる、と名乗り出てくれた友達がいた。起きてくるまで娘の調子はわからないが、今日は大事をとっておやすみしようと決める。

8時前に「ママー」と娘に呼ばれる。とてもしっかりした声だった。「おはよう」と顔をみにいくと元気そうだ。今日はようちえんおやすみにしたから、ゆっくりしようと伝える。

朝ご飯にパンを食べる。「チーズ乗せて」と言うので、チーズトーストにした。おいしい。私ははちみつをかけて、はちみつチーズトーストにする。

娘はたまに咳き込むものの、思いの外元気いっぱいである。

朝終わらせたい仕事があって、食後にパソコンに向かっていると、「〇〇ちゃんはメモ書こうっと」と娘は自分の遊び場の机の前に座った。「こうやって持つと上手に書けるってお父さんに教えてもらったんだ」とペンを持つ。

上手に書くことに興味があるのか。「字には書く順番があって、書き順っていうんだけど、それを知ると上手になれるよ。知りたい?」娘に字を教えたことはなくて、見たままを書いているから不思議な書き順でいつも書いている。そろそろ書き順など教えた方がいいだろうかと思って聞いてみる。「〇〇ちゃん、書き順知りたくない」とあっさり断られたから。「へぇーそう」と私もあっさり諦めた。

「お母さんこれ読める?」しばらくすると、メモを見せてきた。遠くて読めない。「きみと すきなことは なあに、だよ。〇〇ちゃんとするすきなことはなに?ってこと」「おさんぽかな!」「おさんぽかあ!」。おさんぽ、とメモの下に書き加えているようだった。やってきた夫にも聞いている。「ドライブとボール投げかな!」。またいそいそとメモに書き込んだ。

仕事が一段落ついたから、思いの外元気な娘を連れて、給食の会で一緒に活動しているみんなとやっている畑へ行く。

到着するとNちゃんとIちゃんが畑で作業してくれていた。にんじんとじゃがいもと玉ねぎが収穫できるよ、と教えてもらう。早速にんじんがわさわさに生えているところを間引きする。ふかふかの土で、スポット抜けるのが心地よい。

じゃがいもも葉が枯れているところを掘らせてもらう。根元にちょっとスコップを入れると、まだ皮のやわらかい新ジャガがころころと出てきた。

玉ねぎも葉の枯れているところを抜かせてもらう。こちらも黒いマルチの間からスポンと気持ちよく顔を出した。小さいのも、大きいのも、形もいろいろで、おみくじを引いているような楽しさがある。

娘はちょっと作業すると、雨水タンクで手を洗い、「プリンセスのお歌聞くから」と木陰に座った。持ってきたディズニープリンセスの歌が流れるおもちゃで音楽を流し始める。畑の木陰でのんびりすることを楽しみにやってきたらしい。

皮の赤いじゃがいもを掘り始めた私が「一緒に掘ろうよー!」と声を掛けると「待ってて、キリが付いたら行くから」と言われた。いつも私が仕事しているときに娘に呼ばれるとそう答える。自分が言った言葉は、こだまのように返ってくる。

やがてキリをつけてやってきてくれた娘と赤いじゃがいもを掘った。夫から「お昼ご飯どうする?」とメッセージが来て、帰ることに。収穫した野菜をいくつかビニールに包んで帰る。にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、これは間違いなく、カレーだな。

帰宅途中に、商店街の魚屋さんを覗く。あまり魚が売っていない魚屋さんで、かき揚げと天ぷらが入口近くに売っていた。かきあげを買って帰る。帰ったらそばにでもしよう。

帰宅。家の前に、Amazonからの荷物とともに、紙袋が置いてあった。野菜がたくさん入っている。Kちゃんかなと思う。隣町から届けに来てくれたようだ。ありがたい。

昼食をつくる。あると思っていたそばがない。仕方ないから昨日に引き続きそうめん。そしてかき揚げ。大きいかき揚げで、病み上がりと、病み上がり手前の人たちには重かったのでは?と気がつく。よく考えずに買ってきてしまった。加減を知っている娘は「あとで食べる」と言って半分ほど残した。

食後、娘は元気。近所のお店Nに食パンが入荷したという情報をインスタで見て、娘と散歩することに。娘は「ストライダーに乗っていく!」と張り切る。

ストライダーの娘とお出かけ。途中に少し坂道のところがあって、そこに差し掛かるといつも娘は「びゅーんしていい?」と聞く。私は坂道の下まで先に行って、車や人が来ないことを確認して「いいよ」と言う。ぴゅーっとくだってきた娘が、私の手前ですーっとカーブを描いた。

Nで食パンと、Tさんのあんぱんを買う。しっとりしたおいしいあんぱんで、見かけるとつい買ってしまう。魅惑のあんぱん。

そのまま帰ろうかと思うが、ちょっと雑貨屋Tさんに寄り道していくことに。「暑いですね〜」と言いながらおしゃれな雑貨が並ぶ店内を見させてもらう。娘がふと私のことを引っ張ると、耳元で「ここでおちゃしていきたい」と言う。以前Aちゃんとここでお茶したことがあったのを覚えていたのだろう。

ではお茶していこうか、と湘南ゴールドスカッシュを注文して、席につく。黄色くてしゅわしゅわの涼しげな飲み物が到着した。炭酸がやさしくて、娘も飲みやすそうだ。やがて飲み終えた娘は、底に沈んだ湘南ゴールドのスライスを取り出して口に含んだ。

雑貨屋Tさんをあとにして、家に帰宅。仕事のメールなどしようと、リビングにパソコンを持ってくる。今日Amazonから届いたばかりのラップトップスタンドを使ってみる。目線があがってパソコンが使いやすい。もっと早く導入すればよかった、と思う。

洗濯物を取り込んで、夕飯の準備。娘は階下に降りてきた夫と何か作っているようだ。「パソコンの高さ変えるやつ作ってもらってるの」。早速私とお揃いにしたいらしい。夫は段ボールと、ペットボトルと、割り箸などを駆使して、娘の空き箱でできた「パソコン」の高さを変えられるものを完成させていた。

夕飯はカレー。私はココナッツミルクが好きで、家にあると絶対カレーに加えてしまう。だからココナッツミルクカレー。

「全部みんなの畑の野菜」と夫に伝えると、今日の夫は「いいライフですな」と言った。

娘とお風呂に入る。お風呂の鏡に向かって「じゃあ次はこれやってみよう!」と娘は歌のおねえさんをしていた。

歯を磨いて、ストレッチをして、寝る。早く寝るはずが、私の夕飯づくりが遅くて今日もゆっくり就寝になってしまった。空の明るさにいつもだまされる。いやいつも私が私をだましだましいる。


2024/6/4(火) サンドイッチと雷

4時半、身体が重たいな、と思って起きる。

娘は8時過ぎまで寝ていた。ぐっすり眠っているところを「今日はようちえんだよー」と起こす。

昨日のカレーを朝ごはんにする。米がなくなったから、今日のお弁当はサンドイッチ。卵をゆで、ツナにマヨネーズを混ぜる。

今日は川に入るから、と昨日の晩から娘はライフジャケットを用意し、夫から装着方法の講習を受けていた。水着に着替え、上からワンピースを着る。

ようちえんの集合場所へ行き、いってらっしゃい、と送り出して、産直で買い物。母が無農薬の梅がもっとほしいと言っていたのを思い出して、連絡をとりながら購入する。平飼い有精卵の卵が安い、と友達に教えてもらってそれも買う。

家に帰って仕事。落ち着いたはずが、いつまでたってもやることがいっぱいある。荻上チキさんの「6月になったらもう少し仕事楽になるはずだったのだが...?」というツイート(いやXか)に、荻上さんはきっと私に比べられないぐらいお忙しいんだろう、と思いながらも、とても共感する。

牟田都子さんの「料理や皿洗いがつらいんじゃなくて、料理や皿洗いの時間さえ惜しまないといけないいまの働き方がつらい。」というツイート(X)にも共感する。

お昼ごはんに娘につくったサンドイッチの残りを食べる。眠くなって、ソファにごろんとして、いけないいけないと立ち上がる。原稿を書く。

夕方まで友達たちに娘を見てもらえる日で、なんとかもう少しで仕上がりそう、というところまで書きあげてお迎え。駐車場で車に乗り込み、帰ろうと思ったらMちゃんがやってきて、一緒に産直の中をぐるりとしながら、ちょっと話して帰る。

車に乗る。今日当番のKちゃんがメッセージで娘の気になる行動を教えてくれた。どうしたものかなあと思いながら運転する。聞いてみるか、ちょっと様子を見るか。何をどう話そうかなあ。

家に帰って、原稿の続きを仕上げて送る。娘が向かいに座っている。「今日ようちえん楽しかった」「川入った」と話している。

パソコンをパタンと閉じて、気になることを聞いてみる。結局オブラートに包むことなどできず、単刀直入にしか聞けない私だ。娘は思い当たることも、思い当たらないこともあったようだが、覚えていることは話してくれた。

私はこう思う、を伝えることはできても、私が娘の行動を無理に変えることらできないだろうなと思う。どんなに口が立っても娘はまだ成長途中で、相手の立場に立って考えるとか、人の気持ちを想像するとか難しいこともあるんだろう。このことはまだ答えが出ていなくて様子見だ。ただ私は行動や何かの事象で決めつけるのではなくて「子どもを内側から理解する」ということを、根気よくやっていくしかないなと思う。

残り物で夕飯。雨がバタバタ降ってくる音がした。雷も鳴っている。窓の外で光る雷の光を瞼の裏に感じながら寝た。


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