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長沢節『大人の女は美しい』を読んで、わたしはポケットに手を突っ込んで歩かないと決めた

さて、クリハラ(@kurit3)です。このタイトルが後半にかけて回収されるのか、今から不安です。

本屋は良いですね。本を買うだけなら、Amazonで簡単に用が済むんだけど、手続き的な「購入」じゃないですかあれは。本屋に行って、大量の本の中からピンときたものを選ぶ、という体験。あの感じは、まだオフライン店舗に一日の長がありますね。特に東京はすごい。

先日はデザイン、アート関連が充実している本屋さんに行ってきました。その中でも最近のわたしの興味は、ファッションやテキスタイルについてです。今まであまり馴染みがない分野なので、どっから手を付けようかと、パラパラ立ち読みをしていたとき出会った1冊がこちら。

長沢節『大人の女が美しい』草思社文庫

装丁(本のデザイン)が潔いなぁ〜という第一印象でした。フォント警察じゃないのでよくわかんないですが、いい感じですよね。

若くてかわいいだけの女なんて、もう、つまらない___

目次をざっと

1.大人の愛・その恋愛作法
2.男と女・アプローチのテクニック
3.仕事の本質は愛である
4.かわい子ファッションからの脱皮
5.街の中でのエレガント・マナー
6.美しい肉体へ、チャレンジ
7.人とのつきあい・その都会的作法
8.ひとり立ちした女のインテリア
9.オート・クチュールの美、キモノの美
10.男らしさ、女らしさの嘘
11.老いる優しさ、美しさ

ファッション・イラストレーター、デザイナ、エッセイストという著者の文体は、ちょっと気難しい人のブログって感じました。わたし自身あんまり人のこと言えない気はする。読みやすいとは言えないけれど、入っちゃえばいけます。

2章ではかなり具体的なナンパの方法が書いてあったので、参考にしたいと思います。5章では飲酒についてのマナーも触れられており、ちょっと耳が痛かった。

9章は立体裁断の洋服と、平面の和服の対比がとても興味深い内容でした。

とても良いな、と思ったところ

性差などよりも一人ひとりのちがいの中にこそ、その人だけが持つ美しさや楽しさがあって、それこそが私たちの心を奪うのである。他人を愛さないではいられないものの、それがすべてではないだろうか。

本のタイトルからして「大人の女論」的なもの、女はかくあるべし、みたいな指南書かと思っていました。しかし、読んでみると、むしろ「男も女もそういうのから自由になろうよ」っていうメッセージを受け取りました。

愛したあとにやっと性別に気づいたとしたって別に遅すぎるわけでもない。

ちょっと今っぽい感覚ですよね。しかしこの本、最初に出版されたのは1981年でした。読んでる途中で気づいたんだけど、びっくり。

ファッション、装うこと。

(ここらへんで特に関係がない写真)

なぜオシャレをするのか。何をどう着て、美しさを装うのか。わたしの関心はそこにありました。そのためにこの本をチョイスしたわけだし。ファッションについて、本の中で著者はこう言っています。

自分の美を他人に少しでも提供しようとしないエゴイズムが許されていいわけはないのである。

美しさを提供する。この感覚がわたしにはなくて。目からウロコでした。

でも具体的にどうしたらいいかわからないんですよ。何を着ていいかわからない。何かできることがないか……、と考えた結果、本エントリのタイトルなんです。

猫背でポケットに手を入れたまま歩いてるわたしよりも、背筋を伸ばして歩いてるわたしの方が美しいと思います。だから、ポケットに手を入れたまま歩かないと決めたのです。

ちょっと強引だけどいいや。以上です!

長沢節『大人の女が美しい』草思社文庫

追伸1

わたしが猫背でポケットに手を入れた松田龍平なら、めっちゃ美しいと思う

追伸2

追伸3

おいしい書評の書き方 - チェコ好きの日記  こちらの記事を参考に書いたつもりです〜!!

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