細く長く続くお堀のように
録画した番組【国民・専門家・AI がガチで選ぶ 戦国大名総選挙】を見ている。去年も同じような番組があっていて、トップは織田信長だったのを覚えている。年末が来た、そう思える風物詩だ。
いつからだろう、歴史に想いを馳せるようになったのは。住んでいる町に建つ石碑など眺めながら、今いるこの地も五十年前には畑だったとか、あの町は昔は海で、埋め立てられてショッピングモールになったなぁ、など身近なものからだんだん興味が出てきたんだ。
それにしても地元では超有名でも、全国区ではあまりその凄さを知られていない武将が沢山いるね。情報の多さが後世の人気に差がでるから。でもこの番組のおかげで気になる武将が沢山出てくるから、見ていて興味深い。
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番組で十四位の、立花宗茂を知っているだろうか?福岡の戦国大名である。秀吉の朝鮮出兵の際、敵勢五万に囲まれた加藤清正を助ける為に躊躇する他の武将を横目に千名の手勢を引き連れ先陣をきる。それに鼓舞された他の大名も出陣し、その結果見事救出できたという、男気勝る武将だ。
また、関ヶ原の戦いでは西軍につき敗退。逃げる途中、同じ西軍の島津義弘と偶然出会う。島津義弘は十四年前、父を伐った仇であった。討とうと思えば出来たのだが、同じ西軍の仲間として戦った同志を辱めることなど出来ないと共に九州まで逃げた、やはり、男気溢れる武将だ。
関ヶ原の戦い後領土を没収され、隠居していた間も文武共に学び続け、その前向きな努力し続ける姿は人々を魅了したんだ。男気エピソードからでもわかる通り決して主君、仲間、部下を裏切らない。そんな性格を愛され、二十年後、家康から再び領地を再封されたのだ。そのように元領土を再封されたのは宗茂ただひとりというから、家康からの信頼の厚さが分かるだろう。
立花宗茂の邸宅〈御花〉は福岡柳川市にある。今は文化財でもある〈御花〉は鰻のせいろ蒸しが有名な料亭旅館でもある。また、立花宗茂が作ったお堀がそのまま市の観光地となっている。〈柳川の川下り〉だ。今も昔の姿をとどめている魅了的な街。もう一度行ってみたい街だ。
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この番組でのトップ五は以下の通り。
一位…織田信長
二位…武田信玄
三位…豊臣秀吉
四位…上杉謙信
五位…毛利元就
個人的にも織田信長が好きだ。楽市・楽座で国の経済を好転させたり、宣教師を招いて貪欲に物事を知ろうとする姿勢、国を納めるとは?を常に考えている所が良い。地元が九州だから立花宗茂も好きだし、父方の祖先が四国だから、高知の長宗我部正親も好き。番組では紹介されなかったけれどね。
番組MC爆笑問題の田中さんの先祖が、家来として仕えていたは龍造寺隆信、佐賀の武将。ちょうど今、龍造寺隆信の本を読んでいるので二十九位で紹介されて嬉しかった。歴史は深掘りすればするほど面白いね。
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ん?徳川家康は?六位だ。何ともAI の評価が低かったの。ただ、健康に気をつけ長生きする事が出来たからとうとう天下取れたんだ。驚いちゃうね。
もうすぐ新しい年がやってくる。 今までとは、全く変わってしまった一年だった。経済は破滅的大打撃、医療制度は崩壊寸前。先が見えない時代。
天下人家康は幼少期人質にもなり、何度も戦に負け、また正室や息子も死に追い込まれ、決して生きる道が平坦ではなかった。しかし、生き続けることで開かれる道もある。AIの評価など関係ないのだ。
誰かに何を言われようと、生き続けることで見える未来もある。だから、とにかく生きて生き抜いていこう。細く長くでもいいから、生き延びていこうね。
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