奈良・斑鳩の里の法隆寺

画像1 田園風景の中に三重の塔が現れる斑鳩の里。斑鳩の里は、聖徳太子が斑鳩の宮を置き、政治や文化や学問が花開いたところです。 聖徳太子は推古天皇13年(605年)、飛鳥宮からこの斑鳩に移り住みました。
画像2 聖徳太子は第31代・用明天皇の第二皇子で、蘇我稲目のひ孫、そして蘇我馬子は岳父にあたります。天皇の皇子ですが、蘇我氏とも深い関わりがありました。こちらは法隆寺の玄関にあたる南大門。室町時代のものだそうです。遠足の小学生、中学の修学旅行生、シニアの団体などに出会いました。私も法隆寺を訪れたのは中学の修学旅行以来。子供達には、大人になったらまたゆっくり見に来て欲しいな、と思いました。
画像3 南大門を見上げたところ。文様も飛鳥らしくて素敵。日本に大陸から仏教が伝来したのは550年頃といわれていますが、新しいものに惹かれた蘇我氏と、神代の時代から神道に携わってきた物部氏との間で宗教争いになったそうです。
画像4 南大門を入ると早速、中門と五重塔が凄い迫力で迫ります。聖徳太子は仏教の興隆に大変尽くされました。お寺に聖徳太子象が安置されているのをよくみますが、特に奈良・京都・大阪は聖徳太子信仰が熱心だと思います。やっぱり地元だからかな?
画像5 蘇我氏と物部氏の宗教を巡る争いは蘇我氏が勝利し、聖徳太子は法隆寺や大阪の四天王寺などを建立、小野妹子などの遣隋使を隋に送り、大陸の進んだ文化を取り入れました。こちらは西院伽藍の正門の中門。深い軒、組物や勾欄、古代ギリシア建築の影響を受けたエンタシスの柱など、百済・高句麗・中国南北朝時代のみならず、遠く西アジア・インド・ギリシア文化の影響がみられます。飛鳥時代ってグローバル!
画像6 中門の金剛力士像は奈良時代の作。非常に力強くてカッコ良い。現代人にとって、理想の肉体美なのでは?平安や鎌倉や江戸時代のものより写実的で、現代っぽい感じがするのですが…?
画像7 聖徳太子は叔母にあたる女帝の推古天皇の摂政として「冠位十二階の制」や「十七条憲法」を制定、日本の歴史書も編纂しました。また推古15年(607年)、大国の隋に「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。つつがなきや」で始まる国書を、小野妹子を通じて送りました。
画像8 当時は大国の隋に対して冊封(君臣関係を結び属国になるようなもの?)を受けるのが、東アジアの小国にとって当然のことでしたが、隋と日本、対等の立場を示した所に聖徳太子の誇りの高さを感じます。日本も弥生時代(1世紀頃)の倭の奴の国などは、魏に朝貢(奴隷などを献上)し、金印や銅鏡を授かっていましたが、3世紀の古墳時代になると「倭の五王」(応神天皇や仁徳天皇や雄略天皇など、といわれています)の時代から、少しずつ日本の立場が上がっています。
画像9 飛鳥時代の空気にじっくりと浸れる空間だと思います。
画像10 中門と大伽藍を結ぶ回廊をはいったところに五重塔と金堂が。わが国最古の五重塔は高さ34.1m。670年に一度焼失したといわれていますが、年輪年代により心柱は594年が伐採されたことがわかったそうです。中には天平初期作の釈迦涅槃の場面が描かれた塑像が。心柱の下には仏舎利が収められているそうです。
画像11 金堂をよくみると、随所に中国南北朝時代(439-589年)の文化の影響がみられます。卍崩しの勾欄、その下には人字型の割塚が。そして雲斗・雲肘木という組物によって軒が支えられています。中には飛鳥仏の代表といわれる釈迦三尊像など、たくさんの素晴らしい仏像が安置されています。
画像12 金堂と五重塔の間にある燈篭。
画像13 元禄七年・桂昌院とあるので、江戸時代に五代将軍・徳川綱吉の母、桂昌院が寄進したもののようです。
画像14 夢殿です。
画像15 夢殿のステキな宝珠
画像16 聖徳太子が亡くなると、馬子の子の蘇我蝦夷が専横を極め、蝦夷の子の入鹿が、聖徳太子の子の山背大兄王を攻め滅ぼします。この事件に危機感を持った中大兄皇子(後の天智天皇)が、中臣鎌足(後の藤原鎌足)らと共に645年に「乙巳の変」を起こし、大化の改新を行います。そうして日本は国としての盤石な体制を整えていきます。
画像17 大宝蔵院には、優雅ですらりとした八頭美人の百済観音像、玉虫の七色の羽で彩られた玉虫厨子、唐から渡ってきた白檀造りの九面観音菩薩像など、素晴らしい宝物の数々が安置されていました。特に九面観音菩薩像を見た時の飛鳥の人々の驚きは大きかっただろうな、と思いました。先進国の唐に一日も早く追いつき追い越せ、という想いを感じました。しかしその唐が滅び、唐代の御物が日本にあったために今に伝えられていることに、国が滅ばず継続されている日本の凄さも感じました。

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