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評価面談をお互いに最高の時間にする

はじめに

当社は12月決算なので、順次メンバーとの振り返りなどを進め、2月に個別のフィードバックを終えました。

評価面談は半期に一度、個々人が取り組んできたことが会社の業績にどのように貢献したのか、また今後の個人のキャリアを踏まえ、どんな観点で業務に取り組むのが良いのか、を示唆する場です。

当社は、OKRの結果、Valueに対する360度評価を主に評価をし、事前に各人の今後のキャリアや会社への期待・提言などのアンケートも取得した上で、取締役(1名)と本部長、部長同席のもとで面談(30分)をおこなっています。

面談は、評価者からすると、数名、数十名、数百名の中の一人かもしれませんが、被評価者にとっては、報酬に関わる重要なシーンであり、今後もその職場で働く意義を感じ取れるか、自身が成長できそうか、判断する重要な場です。つまり従業員が会社を査定する場とも言えます。

この面談の機会を「対話」にすることで信頼関係を積み上げることも出来ますが「会話」にしてしまうと不信感を助長させることにもなりかねません。

この機会を最高で有意義な場にするためにしている2つの取り組みについて共有します。

スクリプトと自分へのフィードバックが大事


①スクリプトを用意する
個人毎にフィードバックの内容をスクリプトとして、起こします。大きく3部構成になります。

a.総評
b.具体的な評価ポイント
c.伸びしろポイント

このスクリプトは僕から部長にも事前に共有しており、本部長と部長の役割分担をし、部下へフィードバックします。僕からは抽象度の高い観点で、部長からは具体的な業務に沿ってGoodポイントなどを説明します。このスクリプトの中には、以下の要素を取り込むことを心がけています。

イ.1on1で部下から聞いてきたプライベートな取り組みや考え方、キャリアを配慮する
ロ.半年間の部下のSlackでの周囲とのやり取りを確認し、具体的な行動を遡って掘り起こす
ハ.伸びしろポイントは、具体的にその人の特性を配慮し、「行動」まで落とし込んだ提案を伝える
(本提案は、自分の経験だけでなく、フレームワークや書籍など客観性に基づいた示唆を提示)

次回の面談時にも、このスクリプトを踏まえたフィードバックをすることで前回からどう変わったのか、「違い」を相手に伝えることも可能です。さらに毎回同じようなフィードバックとなることを避けることも可能です。

加えて被評価者が異動した場合の引継ぎ事項としてスクリプトを異動先の上司(評価者)に連携すれば「企業」としての一体感は相手に伝わり、より信頼関係は高まります。

②フィードバックのフィードバックをもらう

アメリカの心理学者ターシャ・ユーリックは、”95%の人は自己認識ができていると思っているが、実際には10~15%の人しか正しい自己認識をしていない”と言っています。

基本的に自己認識が難しい中で、相手が気付いた改善点を伝えてもらうだけで、自分が成⾧する可能性がありますし、その後、自分が変化をすれば、相手との信頼感をも育むことができます。この機会を生かさないことは、自分にとって大きな機会損失です。

特に、年齢を重ねると自分では気付かないうちにこれまでの経験や知識をもとに硬直した物事の見立てしか出来なくなりがちですが、こういった機会を設けることで世の中の著しい変化に伴う各個人の考えの変化にも対応できるようになります。

評価者から僕が貰うフィードバック内容は単純で、

①今回の評価面談フィードバックは、満足していますか?
(0~10で回答してもらう)
②前の質問でそのように回答された理由をお教えください。
(特に10以外を選んだ場合、どうすれば10になったのか教えて頂けると次回に生かせるのでぜひ教えて頂ければと思います。)

という2問のみです。

今回の評価面談ですが、①の点数の平均で10点満点中9.4点でした。前回が8.8点だったのですが、このように数値化することで改善できていることが分かります。

前回の面談への被評価者からのフィードバックでは、

①30分のフィードバック内における時間の使い方
②評価の正当性や妥当性について説明が乏しい点

について評価者から私にフィードバックがありました。

これを踏まえて今回の面談では、

①時間配分の見直し
②評価方法や評価基準の振り返りを面談の冒頭に説明する

ことで納得度を高めていくよう修正を行っています。

また、評価面談で貰ったフィードバックですぐに回答できるものは、個別にもう一度時間を設けて説明するなどを行いました。

重要なのは「最高の時間」にする仕組み

改めて、評価面談をお互いの最高の時間にするのに、僕がやっていることは
①スクリプトを用意する
②フィードバックを貰う
だけです。
①は、1on1などの積み重ねを反映したものにはなりますが、負担を大きくしない仕組みにすることで継続が可能です。

この根本には、「時間は有限」で1回の面談、1回の打ち合わせはレバレッジをかけた最高の場にすべきという考えがあります。

面談では、OKRや360度評価だけでなく、面談までの当人との1on1やslackのやり取りを踏まえた場にすることでそれまでに費やした時間により意味をもたらすことができます。さらにこの面談を評価者へのフィードバックの場だけにせずに、自分へのフィードバックの場にもすることでより有意義な場にできます。これらの設計、仕組み化が肝です。

面談や会議では、事前の準備が大事だと言われますが、事後のフォローも大事です。「次、頑張ろう」とか「ネクストアクションは?」ではなく、その場で決める。但し、そこで確認できなかったことは、ToDoにしたり、フィードバックで確認する。特にフィードバックは会議参加者や全評価者から得られるので1回あたりの質も高まり、同時に業務のスピードと実行力が担保されます。

この評価面談の取り組み自体はネガティブな点が今のところないので、継続運用をしていこうと思っています

ご不明点や疑問点などがあり、お役に立てるようであれば、ぜひご相談頂ければと思います。

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