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【クリエイティブ分析】アメリカ大学バスケ特集①カンファレンスの戦い

【3/19追記: パート2を掲載しました】

【4/6追記: パート3を掲載しました】


(この記事は多くの人にご覧頂いてるようで、ありがとうございます。Twitterで最新情報を随時発信してますので、宜しければこちらもご覧ください。)


1年あたり約1,000億円もの放映料が支払われるアメリカの大学バスケットボールトーナメント、通称March Madness。クリエイティブを含めて2回に分けてご紹介していきます。まず1回目はMarch Madness出場をかけた各カンファレンスのトーナメントについてです。

March Madnessとは?

まずはMarch Madnessについて。正式名称は「NCAAディビジョンⅠ男子バスケットボールトーナメント」。全米に32ある最上位の各地のリーグ、ディビジョン1カンファレンスでトーナメントを優勝したチームが出場権を獲得します。それぞれ優勝セレモニーで”Ticket Punched”としてこのようにチームのシールを貼ります。

さらに選考委員会で選ばれた36チームも参加し、合計68チームでトーナメント制で行われます。

このMarch Madnessに向けて2022年は3/12&13の週末に「Championship Week」として各カンファレンスのトーナメント決勝戦が行われました。そして各トーナメントの結果を受けて、CBSで日曜日の東部時間夕方6時から”Selection Show”という特別番組で出場校が発表されます。今回はSelection Show前までのクリエイティブを中心にご紹介していきます。


SEC Network

大学カンファレンスSECの専門チャンネルSEC Networkはトーナメントの前半から中継していきます。ニュース番組のSEC Nowを拡大して事前番組"プレショー"を展開。

コートサイドから放送

最近のアメリカテレビのトレンドとして、プレショーのイントロはしっかりやるのですが、試合のイントロをやらないチャンネルが目立ってきています。SECNやACCNといったESPN系列チャンネルでも、プレショーから試合中継へのトランジションはイントロなしで行われるのが大半を占めているように思えます。下記は2回戦のイントロです。


B1G Network

トーナメントはインディアナポリスで開催

Big Tenカンファレンスの試合を中継するB1G Network (Big Ten Network)はFox系列ということもありイントロはFox Sportsと同じです。ちなみに決勝はCBSで中継。

Foxの場合”Fox College Hoops”表記になる

ちなみにB1Gというのはiと1、Gと0を掛け合わせたもので、これでBig Tenと読ませています。昔はBTN(Big Ten Network)という、略されるとよく分からない名前だったのを2020年からB1Gに変えたのですが、果たしてどのくらいの効果があったのかいつも気になっています。

こちらもコートサイドから


Pac-12 Network

西海岸の大学が集まるPac-12カンファレンスの専門チャンネル。ここの特徴はナショナルフィードの他、下記のように各エリアにフォーカスしたフィードがあります。カッコ内はフィーチャーしている大学。

・Pac-12 Arizona(アリゾナ大、アリゾナ州立大)
・Pac-12 Bay Area(カリフォルニア大、スタンフォード大)
・Pac-12 Los Angeles(UCLA、南カリフォルニア大)
・Pac-12 Mountain(コロラド大、ユタ大)
・Pac-12 Oregon(オレゴン大、オレゴン州立大)
・Pac-12 Washington(ワシントン大、ワシントン州立大)

Pac-12 Arizonaのフィード(右下ロゴがフィードによって変わります)
 

ちなみに日本からはPac-12 NetworkのナショナルフィードをYouTubeで視聴できます。


FS1

Fox系列のスポーツチャンネルFS1はBig EastやPac-12トーナメントを中継するFS1は短いプレショーでした。

そういえばFS1は2年前にBig East中継のハーフタイムでトーナメントのキャンセルが決まって途方に暮れてました。この時は他のカンファレンスが続々中止している一方で唯一実施してたのですが、突如途中でやめてしまったのです。


USA Network

昨年まではNBCSNが中継していましたが、閉局によりNBC系列のUSAでA-10(アトランティック10)トーナメントが放送されています。

NBCは伝統あるノートルダム大学のフットボール以外のカレッジスポーツ中継はバスケやホッケーを少しやる程度で、イントロをあまり見ません。

ちなみにノートルダムフットボールは日本でもだいぶ昔にGAORAで中継していました。そして2020年の大統領選挙の時、バイデン大統領の演説と被って被って試合中継をUSA Networkに移行するということもありました。

また前述のBig Eastと同様、2年前のA-10トーナメントが放送開始直前に試合が中止になったことがありました。この時は本当にカオスでした。


ESPN

ESPNは数多くのトーナメント決勝を中継。”Champ Week”として展開しています。March Madness本戦は放映権を持ってないため、ここで一気に盛り上げます(ESPNは女子トーナメントを中継しています)。プレショーはCollege GamedayやCollege Basketball Liveを展開しています。

プレショーのCollege Gameday

試合中継のイントロはかなり短く、各カンファレンスのトーナメントロゴを掲載している程度です。

Atlantic Coast Conference
American Athletic Conference
Ivy League

一方特徴的だったのはTip-offのタイミングに”Champ Week”というテキストを大きく入れていました。

昔のESPNのカレッジバスケ中継イントロはこんな感じでした。


CBS

最後はCBS。March Madnessを中継している唯一の地上波です(その他は全て有料チャンネル)。カレッジバスケに1番力を入れている地上波がCBSで、関連チャンネルのCBS Sports Networkも含めて多く試合を中継しています。プレショーはInside College Basketballとして週末の昼に放送。

そして3/13日曜日、Selection Show直前のトーナメントはアトランティック10とBig Tenカンファレンスの決勝を中継しました。

NFL中継の実況でおなじみのジム・ナンツはバスケ中継でも大活躍。ジム・ナンツの実況と言えば去年のマーチ・マッドネスの準決勝のブザービーターは凄かった。

A-10とB1G決勝戦の中継ではこの後に放送されるSelection Showの宣伝が積極的にされていました。

CM明けにカウントダウン表記も

ちなみにSelection Showのホストたちも事前に出場校を知らされることはないようで、本番まで手持ち無沙汰にしている様子も放送される始末…。

こうして各カンファレンスでのトーナメントが行われ、優勝したチームに加えて選考委員会で選ばれたチームがマーチ・マッドネスに登場します。次回はMarch Madness出場校が発表される”Selection Show”からご紹介し、いよいよMarch Madness本番に入っていきます。

パート2はこちら。

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