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ドイツ野球【ブンデスリーガ】1部所属チーム紹介 北地区編②

チーム紹介第2弾です!

第1弾はこちら

https://note.com/naokieurope/n/nfc75037a27ff

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前回紹介したチームは、

ベルリンフラミンゴズ

ハンブルクスティーラーズ

ドーレンワイルドファーマーズ

アンタッチャブルズ パーターボルン

の4チームでした。

今回は残りの4チームを紹介します。


5 ゾーリンゲンアリゲーターズ

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ゾーリンゲン アリゲーターズ【Solingen Alligators】

本拠地:ゾーリンゲン(ノルドライン・ベストファーレン州)

HP: http://www.solingen-alligators.com/

創設:1991年

【成績】

リーグ優勝      

2006, 2007, 2008, 2009, 2010, 2013, 2014, 2019年

ドイツチャンピオン  

2006, 2014年

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刃物づくりで有名な街【ゾーリンゲン】に本拠地を置く。

ドイツ北地区を代表する強豪チームであり、昨シーズンは2015年からリーグ4連覇をしていた強豪ボンをおさえ、見事リーグチャンピオンに輝いている。ちなみに筆者は2017,18年シーズンにこのチームに所属。主に捕手、たまに外野手としてプレー。

打撃面は昨シーズンから加入した強肩強打のベネズエラ人捕手ゲルウィンズ・ベラスコ選手の活躍により大幅に改善されたが、投手陣は2017年シーズン限りで引退した元ドイツ代表投手アンドレ・ヒューズが抜けて以降、思うような結果を残せずにいる。投手陣が向上すれば、6年ぶりのドイツチャンピオンも十分狙える位置にある。

また、ゾーリンゲンのホームゲームでは、7回裏になるとアンドレ・ヒューズの父、ダグラス・ヒューズによる『Take Me Out to the Ball Game』を聞くことができる。これは、ゾーリンゲンの名物となっている。

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【注目選手】

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・ゲルウィンズ選手(Gerwuins Velazco)  ポジション:捕手 右投右打

2019年に加入した強肩強打の捕手。昨シーズン、ゾーリンゲンがリーグチャンピオンに輝いたのはこの選手による影響が大きい。今シーズンからは2軍のヘッドコーチを兼任するなどチームからの信頼も厚い。


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・ダニエル選手(Daniel Sanchez)  ポジション:ショート  右投右打

2014年の加入以降、長年ゾーリンゲンを支え続ける不動のショートストッパー。ベネズエラ人だがスペイン国籍も有している為、スペイン代表にも選ばれている。身長は165cmと小柄だが、一発もあり毎シーズン3割を軽く超える。2014年シーズンは4割超を記録した。ダニ―』の愛称で親しまれている。


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ジョバンニ選手(Giovanni Tensen)  ポジション:投手 右投右打

2018年に加入したオランダ人投手。その前年引退したアンドレ投手に代わり1試合目を任される。スピードはないがコントロールと緩急で打たせて取るピッチングが持ち味。彼の出来がシーズンの成績を大きく左右する。



6 ボンキャピタルズ

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ボン キャピタルズ【Bonn Capitals】

本拠地:ボン(ノルドライン・ベストファーレン州)

HP: www.capitals.de

創設:1989年

【成績】
リーグ優勝      
1997, 2015, 2016, 2017, 2018年

ドイツチャンピオン  
2018年

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ベートーベンの出身地、また旧西ドイツの首都である【ボン】を本拠地に置く。チーム名もそこに由来している。

北地区の王者。リーグ随一の戦力・資金力を誇り、日本でいうソフトバンクのような存在である。ゾーリンゲンとはライバル関係にあるが、近年は一歩リードしている印象を受ける。昨シーズン、ゾーリゲンにリーグ王者を奪われたが、ここ数年でみると北地区において圧倒的な成績を残している。野手陣・投手陣共に豊富な戦力を有する。

ボンは2018年、レギュラーシーズン28試合+※インターリーグ12試合、合計40試合をなんと40勝0敗という圧倒的な成績を残した。これはブンデスリーガ史上初めての事であり、この年初めてドイツチャンピオンにも輝いた。また、2017,2018,2019年と3年連続でブンデスリーガ決勝に進出しているが、いずれも相手は南地区の王者ハイデンハイムである。

※レギュラーシーズン終了後、プレーオフの組合わせを決める為の順位決定戦


【注目選手】

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・ザシャ選手(Sascha Koch) ポジション:投手 右投右打

ボンの1試合目の先発。Max150km超えのストレートにカーブ、チェンジアップが持ち味。ブンデスリーガ全体を見てもトップクラスであり、ドイツ代表でも主力として投げている。まだ22歳と若く今後の活躍が非常に楽しみな選手である。

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・マックス選手(Max Schmitz) ポジション:投手・外野手 右投右打


ボンの看板選手。2m超えの身長から繰り出される角度のあるストレートは威力抜群である。筆者は、先述したザシャ投手をはじめ、ドイツを経てメジャーへ行ったボリンジャー投手(ミュンヘン)、今シーズンドジャース傘下トリプルAにいるマルコス投手(ボン)等のリーグトップレベルの投手と対戦してきたが、このマックス投手の球が最も速く感じた。また、打者としても優秀であり、芯に当たれば簡単にスタンドまで持っていく。もちろんドイツ代表である。近年は怪我で満足なプレーができていないが、一刻も早い復帰を望む。

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・ビンセント選手(Vincent Ahrens) ポジション:捕手 右投両打


ボンの絶対的キャッチャー。肩の強さだけでお金を取れると思えるほどの爆肩。打者としてもかなり優秀で左右どちらでも長打を打てる。ドイツにいるのがもったいないと思えるほどの逸材であり、日本の社会人野球でも十分スタメンをはれるレベル。


7 ドルトムントワンダラーズ

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ドルトムント ワンダラーズ【Dortmund Wanderers】

本拠地:ドルトムント(ノルドライン・ベストファーレン州)

HP: http://www.dortmund-wanderers.de/

創設:1989年

【成績】
リーグ優勝      
なし

ドイツチャンピオン  
なし

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ノルドライン・ベストファーレン州の代表する都市。日本ではサッカーでおなじみ【ドルトムント】に本拠地を置く。


2019年2部2位。1部最下位であったWesseling Verminsに入れ替え戦で勝利。2017年以来の1部復帰を果たす。筆者も2015,2016年に在籍。2015年、チームで初めて日本人プレーヤーが加入。その後入れ替わりがあるが、毎年日本人プレーヤーが在籍している。

サッカー人気が圧倒的なこの都市では、野球の認知度はそれほど高くない。従って、チームも資金面などで苦労している。だがそのような状況でもベテランから若手まで幅広く選手が在籍しており、チーム一丸となって泥臭く戦うのがこのチームのスタンスである。1部では、まずはプレーオフ出場が目標である。


【注目選手】

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・デイブ選手(Dave Paradela) ポジション:投手 右投

2019年加入のベネズエラ出身の選手。スペイン国籍も保有している。ストレートは常時130前半~中盤、チェンジアップとカーブで投球を組み立てる。チームの絶対的エースであり、1部に昇格できたのは、彼の功績が大きい。彼が1部でどこまで通用するかが鍵となる。


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・本野和之選手(ほんの かずゆき) ポジション:内野 右投右打

2018年から在籍している日本人プレーヤー。パワーではドイツ人に劣るが持ち前の俊足巧打でチームを引っ張る。また、内野もセカンドからサードまで守ることができ、チームとしても貴重な存在である。同じ日本人として頑張ってもらいたい。


8 ケルンカージナルス

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ケルン カージナルス【Cologne Caedinals】

本拠地:ケルン(ノルドライン・ベストファーレン州)

HP: http://www.colognecardinals.de/
創設:1983年

【成績】
リーグ優勝      
1992年

ドイツチャンピオン  
1990年

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ドイツ有数の観光都市【ケルン】に本拠地に置く。

かつては優勝経験もあるドイツ北地区の強豪であったが、現在はリーグ下位が定位置となっている。当面はプレーオフ出場が目標。このチームも資金力など環境面が上位チームと比べると劣り、選手集めに苦労している。だが、球団GMのジョージ・アプフェルバウム(George Apfelbaum)が日本野球に精通しており、福岡の中学選抜チームと交流戦なども行っている。そのため、これまで多くの日本人選手が在籍してきた。ジュニア世代の育成にも熱心で、とにかく真摯に野球に取り組んでいるのがこのチームの特徴である。また、毎年契約してくる外国人投手がとても優秀で、時々強豪チーム相手に勝利することもある。2018年シーズンは、かつて日本ハムで助っ人外国人として開幕投手も務めたカルロス・ミラバル(Carlos Mirabal)が監督兼投手として在籍していた。

【注目選手】

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・クイン選手(Quinn DiPasquale) ポジション:投手 右投右打

今ジースンから加入するアメリカ出身の24歳。アメリカではこれまでに2つの独立リーグでプレー。この冬は、オーストラリアで行われたウィンターリーグABL【シドニーブルーソックス】でプレー。

ケルンでは2試合目の先発を任される。アメリカ・オーストラリアでの経験を活かした活躍が期待される。


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・片山和総選手(かたやま かずさ)ポジション:内野 右投左打

2016年の加入以来、ケルンの中心選手として活躍。機動力を活かした打撃が得意で、塁に出たらやっかいな選手。加入1年目はオールスターに選ばれている。昨年の途中からチーム事情により監督に就任し、今シーズンも選手兼監督としてプレーするブンデスリーガ史上初の日本人監督。期待を含め、これからのドイツ野球界を引っ張ってほしい存在。




今回の4チームは、特に個人的に馴染みのあるチームだったので、以前より細かい部分まで執筆させていただきました。

第3弾は南地区の4チームを紹介します。

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