水を縫う
Audible30冊目読了(聴了)
刺繍が好きな、男らしくない高校生の清澄という名の男の子と、性被害トラウマを抱えていたのに、空気の読めない教師の言葉で「かわいい」という言葉を受け付けなくなった「女の子らしくない」姉と常に規律を守る母と行動の自由がないと思い込んでいる祖母が一つ屋根の下に住んでいる。
それぞれの章で自分の殻を打ち破ろうとするのだが・・・
「水を縫う」というのはどういう意味なんだろう???
と読む前に考えたのだが、最後の方でだんだんとその意味がわかってくる。
実はこの家族には子供たち二人の父親がいるのだが、父親は母親と離婚して、疎遠になっているが、ある人物を通して養育費を毎月現金で渡してもらい、代わりに子供たちの写真を撮ってくるという任務をお願いしている。
この人物も後半のキーポイントになる。
父親は服飾デザイナーになる夢を持っていたが、今は上記のキーポイントとなる「ある人物」の縫製の会社で働いている。
これ以上書くとネタバレになるので割愛するが、最後は清々しい読了感になったことだけは書いておこう。
初めて読む作家であったが、なかなか良かった。
水を縫う 寺地はるな ☆☆☆☆
Audible生活、5ヶ月で30冊読了。
おおよそ月平均6冊なら充分元は取っているだろう??
代わりに仕事中や運転中、公共交通機関での移動中、ラジオや音楽を聴かなくなった。
年末に書こうと思っているが、今年大きく自分が変わった事のベスト3に、確実にAudible生活の継続というキーワードは入っているんだろうと思う。