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「理想の上司」、捨てました

なんの引っ掛かりもなく堂々と言えるか?
これが俺の一生の仕事です…って。

宇宙兄弟 ケンジ

宇宙兄弟は個人的には学びが多いと思う漫画の一つです。名言も多いですし、それぞれのヒューマドラマに心打たれます。あと主人公のムッタのキャラクターが人間味があって大好きです(笑)

今回はこのテーマで書こうと思います。私自身の理想の上司は「尊敬され、実力もあり、何でもできる、オレについてこい的な完璧なリーダー」が一番だと思って頑張っていましたが…現在は綺麗さっぱり理想は捨てました。

結論

理想は捨ててよかったと心から思っています。なんならもっと早めに捨てたかった。。理想にしがみついていたころはとても辛く、なんでこんなにうまくいかないんだろうと、とても悩んでいました。でもそれなら!と思い切って理想を捨ててみました。そしたらまあなんと楽なこと楽なこと(笑)。部下との距離感や仕事の任せ方も無理なくでき、仕事も断然スムーズにこなせることに気づきました。
理想を捨てること=無理に頑張らないことです。仕事をする上で理想と現実の差があり、そこを埋めるための努力は当然必要だと思います。ただ「上司としての仕事」は何をするべきかということに立ち返った時に「理想を捨てる」ということが正解だった、という結論に至った経緯を伝えていければと思います。高い目標をもつこと自体は素晴らしいことです。ただその目標は本当に適切なのかということを自問自答し、自身がそれを認識する必要があります。

読んでほしい人

組織作り、人材育成に悩んでいる方
はじめて部下を持つ人
年上部下をもつ人
部下いらないと思っている人
責任感の強い頑張り屋

1,過去の経験


「理想の上司」を考えるとまず「自分を否定する」ことから始まっていると思います。「自分にないこと」を欲しがる。例えばスキルや資格、人脈、肩書、それだけではなく行動的なところだと、引っ張っていける人、頼れる人、しっかりと自分軸をもって意見を言う人など。「こうなりたい!」=「今の自分に足らないところがあってそれを満たせばきっと理想の上司になれるに違いない」という前提、ありませんか。私はそうでした。めちゃくちゃ欲しがってました。壮大な目標=私でいうと尊敬され、実力もあり、何でもできる、ついてこい的な完璧なリーダーこそ正義だと確信し、欲しがることが当然だと思って疑いもしませんでした。でも「理想の上司」に頑張ってなったとし、そのあと「理想の上司」継続するためにどれだけのコストが必要でしょうか?時間的なコストはかかります。でも理想のためだから、と割り切れるかもしれない。でもメンタルのコスト=常に気を張って頑張っていないといけない、というのはどうでしょうか。私はそう考えた時に頑張って、コストをかけ続けて「理想の上司」を目指すのは無理があるんじゃないか、と考えました。

2,「上司としての仕事」は何をするのか


冒頭で「上司としての仕事に立ち返った時」と書きました。私は上司としての仕事に気づくことができたのは30歳を過ぎたあたりです。それまでは失敗の連続で、何度も部下と言い合いになり、わかってもらえず、部下が離れていきました。(今でも部下と言い合いになりますが建設的にできているので健全です(笑))そこで様々なことを学び、上司としての仕事は「個人の仕事よりもチームの仕事の結果を出すこと」だと気がつきます。これがチームではなく部下と言い換えてもいいですが、自分以外の他人が結果を出せる環境を作ることが求められます。そのためには何が必要か。それは自分(上司)が無理して理想を追ってそれっぽい上司を演じていることではなく、上司がチームや部下に対して考える余裕があることが必須だと感じます。無理して、頑張ってやっても部下の成長につながらず、組織も機能せず、チームの生産性も上がらない状況だったので、私は理想を捨てました。

4,理想を捨てた私が約10年間のマネージャー経験で得たもの


とは言え、そんな簡単に言っても無理だよ。と思われる方もいるかもしれません。わかります。理想を捨てるって目標をなくせって言ってるようなもんですからね。私も頑張って、頑張って、仕事じゃない時間も仕事のことを考えるようになり、余裕がなくなり、仕事の効率が悪くなり、部下に対して冷たい態度を取るようになり。体調不良にもなり…まわりにも迷惑をかけまくりました。当時は何がダメだったのかわからず、周りには「もっとまわりを頼ればいいのに」と言われましたがその意味もわからず、「トップが頑張らなくてどうするんだよ!」と逆に反論してしまう始末でした(→最低な上司です)。社内で最年少ということもあり、弱いところやできないところを見せるとはダメなことなんだと自分に言い聞かせて、思いついたことはすべて自分で実行する。やれることは頑張ってやる。一緒に働くスタッフが働きやすい環境にするためにはまずは自分が頑張っている背中を見せることが一番だと信じ切っていましたのでそうなってしまうのも無理はないかもしれません。

でも今ならわかります。それ、無理は1年も持ちません(笑)。

「なりたい自分」を諦めろ、といったことではありません。むしろ自分を客観的に観察し、「自分らしい上司や働き方」のために適切な目標や細かいステップを検討するほうがいいかもしれません、ということです。

理想を捨てた私が約10年間マネージャーをやって学んだことは3つです。

「人それぞれの関わり方を変えること」
「教える(ティーチング)と気づかせる(コーチング)を使い分ける」
「弱みを見せ、仕事を任せる」

私はこれが分からないまま数年過ごしてきました。当たり前かもしれませんが、だからこそ声を大にして言いたい。すべての基礎となる「人間関係」を作ることが大切です。

人間関係を構築する上では1on1の技術は必須です。私は1U1(ワンユーワン)と呼んでいます。

1U1について。
ラポール形成優先の1on1の名称(造語)。上司と部下が繋がる1on1ミーティング。「U」はunite頭文字→「unite」は、共通した目的などを持っているチームの力を合わせたり、同じビジョンをもった人々を集めて強く団結、結合させ、また新たな別の団体として機能するように緊密に一体化するようなイメージ。

造語


「1U1」についての記事もまた書きたいと思います。部下とのフィードバックをどのようにするのか。何を気を付けていたのかを詳しく書いていきたいと思います。


話しを戻して、人間関係を構築する上で参考になるものがダニエル・キム「成功循環モデル」です。

「関係性の質から改善する」


上司主導で安心して働ける環境を作る。そのあと心理的安全性です。(下図(組織のあるべき姿)参照)。さあみんなで心理的安全性をつくっていきましょう!なんて言われても突然できるわけないですし、部下から発信なんて無理なんです。雰囲気がつくられる、組織の土壌が作られるのはコミュニケーション場面。そこで上司の機嫌を伺う、言いたいことが言えない、無下な扱いをしてしまう。それでは絶対にうまくいきません。だからこそ上司から「関係性の質」の改善を始めなければこれは達成できません。部下がいくら頑張っても全体の指揮系統のトップがこれを理解し実行しなければ作れない。だから上司は無理に頑張って自分だけの理想を追わずに、ありのままの自分で、余裕をもってチームや部下のことを考えて、「関係性の質」の改善に重きを置いてほしいと思っています。

組織のベースには人間関係がある

組織のあるべき姿です。こんな組織が増えていったらなと思います。

飛びに飛んで組織の話しになってしまいました(笑)。
もし今回の話しで「私も同じかも…」と思っても大丈夫。誰かにならなくてもいい。そのままの自分で。

まだまだ道半ばですが、私もあたたかみをもった、飾らない自分らしい上司でありたいと思っています。

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