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【IDEA】どうして、勉強するの?

私は教職に就いていますが、学校の先生であれば、この問いは身近なものかと思います。私も、行く先々の学校で生徒に毎回聞かれます。
特に、数学となると「何でこんな計算しなくちゃいけないんだ!」と癇癪を起こす子もいたりして大変です。

まず、前提として、勉強する行為は、高々ベターであって、ベストでもなければ、マストでもないということ。学校に通っている手前「勉強は、やらなければいけない。勉強することが人生の最善だ!」みたいな風潮が多少ありますが、本来は気負わず、リラックスしてやるものだと思います。
ましてや、「やらされている感」がある状態では、絶対上手くいきません。

自習時間のときです。私が教室の教卓で勉強していた際、前列の生徒がじーっと見てきたので、私はつい「どうした?」と聞きました。
「先生は大人なのに、何で勉強しているの?」
この質問に思わず失笑してしまい、すぐさま「〇〇君のことで笑ったわけではないよ」と言いました。確かに、ゴリゴリ勉強している大人ってあまり見かけないですね。
そのとき、次のように答えました。
「理由は2つあります。1つは、私は勉強すること自体が楽しいからです。2つ目は、勉強していないと不味い場面に遭遇するときがあるからです」

【勉強する理由は自分で見つける!】

勉強に限らず、何事もそれ自体の理由付けから始まります。

著者の作品では「嘔吐」が有名ですが、
こちらの方が入門書に適しています。

「実存は本質に先立つ」

【実存主義とは何か】ジャン・ポール・サルトル 著

学生の時分、この一文を読んだとき正直ピンと来ませんでした。
私なりの解釈で、人間や動物を例にして解説します。
当たり前ですが、人や動物は生まれ、この世に存在します。たとえ、本人が生きる目的がなくてもです。著者が言う本質とは、いわゆる「何のために生きるか」みたいなものです。
彼の考え方は「何事も、まず存在が先にある。存在の理由付けは、その後になってくる」というものです。
動物の場合は、生存と子孫繁栄という明確な目的がありますが、人間ってそんなに単純ではないと思います。もっと自由です。だから生きることが難しい。極論、人間の自殺の有無はここにあると私は考えます。

話を勉強に戻します。
人類は「勉強」の積み重ねで発展しているので、この概念が先立って存在していたわけですから、そこに理由付けするのは、自分自身です。
私の場合、理由は単純で、「楽しいから」が第一に挙がります。

と言っても「あなたにとって勉強は楽しいかもしれないが、私はちっとも楽しくない!」と言われれば、その通りです。この答えは、一般的ではありませんし、そもそも、楽しい、楽しくないは観点の問題なので答えになっていません。だから、自分で探すべきです。
ですが、この内省が子どもには難しいので、その理由を他に求めてしまいます。私が理由「付け」と言ったのは、そうした背景があります。

勉強の動機付けに関する記事を下記に載せておくので、良かったら参考にしてください。

そうは言っても「分からないものは、分からないし、勉強なんてどうせ役に立たないのだから、やめてやる!特に数学!!」←実際に言われたことあります…
まぁまぁ、一時の感情で投げ出すのは勿体ないです。
それに、大人になってから「もっと勉強しておけば…」と思う人は実は結構います。

大丈夫
勉強嫌いが
マジョリティ

【勉強しなくても良いっちゃ良いが…】

本質も後悔も先立たず。
でも、大人になってからでも間に合います。
数学が上から3番目なのは意外でした。

上記のアンケートは母集団が少ないので、あくまで概ねの傾向として参考にして下さい。
誰しも学生の頃は、同世代かつ地元のコミュニティで他人と比較しています。子供たちは、そこで勉強の必要性の有無を判断しているわけですが、いざ社会人になれば、そうはいきません。大人になれば、老若男女、玉石混交で人と関わるわけですから、自分の興味関心を広げなければ、相手の言っていること、こちらの伝えたいこと、いわゆるコミュニケーション上手くいきません。ましてや、この小さな島国でそう感じてしまうのだから、グローバルに仕事をしている人にとっては、一生捧げても勉強しきれないと思います。
上記のアンケート結果で、外国語が突出しているのも頷けます。
私が、生徒に「不味い場面に遭遇する」と言ったのは、つまりはそういうことで、己の認知上の限界にぶち当たる点を示唆しています。

尤も、社会人になっても、ずっと地元の田舎暮らしで、コミュニティも大して変わらない場合は、新しい勉強をあまり必要としないかもしれません。同窓会で久しぶりに顔を合わせると、「あれ、こいつ雰囲気変わったな…」と思うのは、大抵、都会で揉まれた男です。話を聞いてみると、やはり学習意欲がとても高く、良い刺激を受けます。

地元就職組は良くも悪くも、関係性を大切にするので、お互いを適度に褒め合い、笑って流すことが多いです。地域そのものに大きな変化も無いので、自分のこれまでの知識、経験で完結してしまう傾向があります。これでは、新しいことへの意欲関心が湧かないかもしれません。

【おわりに】

断っておきますが、私は「だから勉強しよう」や「だから地元を離れて仕事をしよう」と結論付けているわけではありません。
上記を受けて「じゃぁ自分はどうすれば良いか」を考えてもらうことが、私の本業です。勉強をする理由のヒントになれば幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。これからも、勉強の参考になるような記事を書いていきますので、よろしくお願いします。

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