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もりもと
2017年9月27日 14:05
まひるまに肩の力を抜くときの手のひらにある浅い窪みは裕明と爽波のことを話したり卓のパン屑を指に集めて湖を見晴るかしおり私の対岸に深い影がひろがるだんだんと薄くなるこえ飛行機が陽のただなかを飛ぶのを見れば海老フライの尻尾をふたひらずつ残しAEON MALLをすぐに立ち去る水滴を多く纏いぬ夕暮れのシンクに捨てた卵の殻は綿棒を一本取りだそうとしてもう一本が床に落ちたり2リットルのペットボト
野の花の細長き茎の湾曲を通りすぎたり四月の風はこの皮膚は水を含んでいる皮膚と握手を交わすたびに思えり五月半ばに我はマスクをつけていて好きな形に歪める唇特急に運ばれてゆく私は乾きはじめる眼球を持つこの人は何かに負けて幾枚も小さなマークシートをこぼすはつなつの土の乾いた畑にいる鴉は何かを啄ばみ続けマグカップの底にとどまる珈琲のシミを何度も拭う夜更けはしんどいと口に出す時こめかみの奥の辺り
2017年9月27日 14:01
プチトマトの畑を荒らし終えてより土にまみれる犬の鼻先おびただしき付箋を貼ればゆるやかに波うっている頁の余白もつ鍋のきれいに並ぶ青にらをまずは崩しぬ夕暮れにいて変装に憧れている少年は座布団の綿を引き抜いているそら豆はコンソメスープの底にあり三月の風の色をのこして埃のない場所を求めてしばらくは風呂の小さな椅子に座りこむ私物みな失われたる一室のシンクがかすかに濡れていること三月のダンボール
2017年9月27日 14:04
ヨーグルトを掬いあげおり明け方のフォークの腹のうすい窪みは私の目の表面に一匹の羽虫がとまるときの温度は赤色の三角コーンの先端の一つ一つに触って歩くあちこちに乳白色の傷があるクリアファイルを重ね持ちおり川縁を飛ぶ羽虫らは順々に日向の方へ消えてゆきたり唇の奥にすべての暗がりが濡れていること夕暮れにいてネクタイを引きちぎるように解く夜の肥大している玉ねぎの芯レトルトのカレーのパックを入れて
2017年9月27日 14:00
行き違う人の靴底濡れている朝の市場のさざめきにいてポストイットを机の上に散らばらせ珈琲が届くまでを待ちおり彫刻の蔦植物の表面に背骨のようなざらつきがあるスプーンにのせられている角砂糖のふちがかすかに欠けていること読み終えてハードカバーの本の帯のゆるいたわみをなぞる指先ポストイットの最後の方の数枚をうまく剥がせず折り曲げている男子トイレの個室の壁から削れゆく座る姿勢の青い人型Take
初雪を待ち望みおり卒論の誤植に線を引いてゆきつつ何かしらが次々終わる踏みしめて溶けた雪から見えるアスファルト嫌そうな顔で入店した客が椅子を濡らしてゆく雪の朝NoGuest(ノーゲス)が続く店舗にもたれかかり雪がやむまでを見続けている眠る時に思い出すこと初雪に触れた瞼の濡れていたことラーメン屋に枯葉が紛れ込んでいてときどき踏みつけられては欠けるおまえの淋しさをしってから淋しさの意味を問い
まひるまの紅葉の道を踏んできてかすかに濡れている靴の底歩くたびひそやかに鳴る各々がひっさげているビニール袋保津峡をだらだら歩く白滝の気配に濡れる道をたどって切手を貼るためにしめった指先はひだまりのなか気づけば乾くぼんやりと退社理由の空白にでかでかと書く卒業の文字検尿の提出チェック欄の隅に引退と書く夜勤のさなか新人指導したくないなあ最後までのんびりシフトし続けたいな洗剤をぶちまけて床磨
2017年9月27日 13:58
植木鉢並ぶパン屋の入り口に傾いている折りたたみ傘カフェ?ラッテの鳥の図柄を沈め終え小さな傷の重なるスプーン秋雨の匂う駅舎の片隅にしばし無言で佇んでいるスクールバスのエンジンレバーにかけてある袋に透けるMEVIUSの青図書館の地下の本棚を目で追って肩幅ほどの通路を進む立ち読みを長く続けて栞紐の形に窪むページを開く机もっときれいにしてと叫ぶ客が汚す余白をうみだしてやる夜行バスに目を覚ます
2017年9月27日 13:55
秋の蝶が私の方へやって来てこわさぬように休めるペダル唐突なエンドロールの文字列に人は輪郭を取り戻しゆく分けあえるケーキの写真を撮る人の指先をフレームにおさめる工事中のフェンスに終わる川沿いを笑い話にして引き返す夏の日の陸上競技トラックの風が恋しく堤防へ行く繋がりといえば何だか曖昧で車輪の泥をあらく拭ったいらっしゃいませ席に座っている客にお好きなお席どうぞと囁く冷凍され店舗に届くものた