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みそラフテー

ときどき行くスーパーに、皮つきの豚バラ肉が売っていたので、迷わず買ってきた。沖縄ではよく見かけるが、東京で売っているのは珍しい。

せっかくだから、ラフテーを作ることにした。
いつもはしょうゆ味だか、今日はみそで味つけしようと思いたつ。
先月の沖縄旅行で、ひさしぶりに入った沖縄家庭料理店「ゆうなんぎい」のみそラフテーがおいしかったから。

みそラフテーに初めて出合ったのは、もう15年ほど前だったか。。。
琉球料理の第一人者、山本彩香さんのお店だった。
たれというより、まるでソースのようなとろっとした白みその煮汁が、たまらなくおいしかったのを覚えている。
東京にもどって、さっそく真似して作ってみようと、山本彩香さんの料理本『てぃーあんだ』をすぐに購入した。

ところが、その本には材料の分量や作り方が出ていないのだ。
適量というのは、作る人の舌と感覚で決めるしかない、細かく書いてしまうと、その人なりの創意工夫ができなくなってしまう、という思いからのようだ。

なるほど、さすが山本彩香さん!
そうは思ったが、いざ作るとなると困ってしまった。調味料の目安すら書いていない料理本は画期的で、その潔さに感動すら覚える。
だが、日頃「レシピ」に甘やかされている身には、なかなかハードルが高い。そのときは、無難にしょうゆ味のラフテーに逃げてしまった。

今回こそはと、料理本の棚から『てぃーあんだ』を引っ張り出してきた。
「失敗したっていいじゃないですか。何度も挑戦しましょうよ」と山本彩香さんも書かれているし。それに、当時より、料理の経験値は上がってるはず!

そんなこんなで、試行錯誤の末、できたのが以下のレシピです。


みそラフテー 

 [材料]  

豚バラかたまり肉 500ℊくらい
大根 適量
みそ 大さじ2
水 適量
かつおだし 適量
酒 1/2カップ
砂糖 大さじ2
みりん 大さじ2 

 [作り方]  

1 豚バラ肉は鍋に入れ、かぶるほどの水を入れて中火にかけ、沸騰したら弱火で1時間ほどゆでる。あら熱がとれたら鍋ごと冷蔵庫に入れる。

 2 数時間〜ひと晩すると、鍋表面に豚の脂が固まっているので、すべて取り除いて捨てる。ゆで汁はとっておく。 

 3 豚肉は8センチほどの大きさに、大根は2センチ厚さの半月切りにし、きれいな鍋に入れる。

 4 2のゆで汁とかつおだしと合わせて2 1/2カップにし、3の鍋に入れ、酒、砂糖、みりん、みそを加えて中火にかける。沸騰する手前でごく弱火にし、3時間〜4時間煮る。

白みそがなかったので普通のみそで、泡盛は飲むぶんが減るのが嫌だったので日本酒で作ってます。  

そのせいか、あのとろっとした感じにはならなかったが、これはこれでうまい! しょうゆで作るラフテーより好きかも。
間違いなくごはんにも、お酒にもバッチリあう。

こりゃ、うちの定番になるな、と思っていたのだが、その数日後、ショックなことが。

山本彩香さんが何十年かぶりに新刊を出されたことを知り、さっそく購入。
わくわくページをめくっていくと、なんと、みそラフテーのレシピが、詳しい分量つきで載っているではないですか!

えー! 作る人の舌と感覚は⁉︎  その人なりの創意工夫は⁉︎

なんて、ちょっと思ったが、長い年月をかけて到達された味を教えてくださるとは、ありがたいです。とても。

今度、皮つきの豚バラがあったら、ぜひ本物の味に挑戦するつもりだ。
でも、上記のみそラフテーのレシピもおいしいですよ。



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