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ガチガチの専門書を読んで、自己啓発された話


先日、ある専門書を読んだ。

「Trustikg Nudges -データで見る行動経済学」を読んだ。バーバード大学教授でナッジの提唱者キャス・サンスティーン氏と、コペンハーゲン・ビジネススクール教授のルチア・ライシュ氏の共著。それを大阪大学教授の大竹文雄さんが監修した一冊です。


本書は完全に専門書になると思う。Amazonのレビューでは、そこまで高い評価をされていない。本書がそもそも難しい専門書であるからかもしれない。

内容は難しいので、簡潔に記載しておく。各国(アメリカを始め、ヨーロッパの諸外国や中国、韓国、日本等のアジア圏の国)に対して、アンケートを取った結果をまとめたもの。アンケートは、様々な方法で「ナッジ」を含んだ政策に対して、賛成か反対かを問うメタ分析となっている。そこから、わかることや不確定ではないが、予想などを導き出し、原則をまとめる、と言ったところだろうか。

まあ、はっきり言って「難しい」の一言です。本書にでてくる統計分析の方法は勉強したので、ある程度は読み解けるが、完璧に理解できたとは思っていない。

こういった専門書を読むことは、自身の興味を深掘りできる点で非常に良いと思える。ただ、万人受けしないから、人に話す際は全くと言っていいほど使えないのかなと感じる。それでも、人に話すとかそう言う目的ではなく、私自身の興味を深掘りしたいの一心であるため、全く問題ない。

普段、本の書評等をしないのは理由がある。私自身が本をたくさん読んでいない(月5〜7冊程度)こともあるが、興味のある専門書や歴史などの教養書が多い。そのため、書評自体が万人受けしないので、誰かに届けるという意味ではあまり意味をなさないのかもしれない。ただ、アウトプットしたいのであれば、意味はあるかもしれない。


では、なぜ書評にしたのか?

普段、私が本を読む時は、読む目的が解決されるところ、新たな学び、面白い観点で捉えている部分などに楽しさを感じる。今回読んだ本書も例外ではない。楽しく読ませてもらい、学ぶってすごいなと毎度毎度感銘を受けるばかりである。

ただ、今回はある部分に注目し、是非記事として広めたいと思った。

ここで強調したいのは最後の点である。信頼を得るいちばんの方法は信頼を得る努力をすることだ。その意味では、行動情報を活用した政策が社会の厚生を促進するようにするだけでなく、そうした政策が透明性をもって採用されるプロセスを確立して、市民がかかわる十分な機会を提供し、市民の反対意見や懸念に耳を傾けることも重要になる。(原文ママ)

これは、第6章の「ナッジの真実(p171.9〜17行目)に書いてある。

この一文が際立って見えたのは、その他の部分がほとんどが仮説と統計データに基づいた解説と結論という、圧倒的な論理展開の文章だからだ。

そして、それほど統計データを突き詰めることや、仮説検証を繰り返していく中で、最も重要な点に「信頼」が置かれていた。そして、この信頼を得るための方法が、信頼を得るための努力である点も深く刺さる。

「信頼を得たいなら、努力をする」という至極当然な発想が、どれほどの人が成し遂げているのかと感じた。本文にも書かれてある通り、自分からアクションを起こすだけでなく、耳を傾けることが大事である。

その、アクションをより精度高くすることや、耳を傾けることで得た結果を考察するために、統計データや論理的思考力などを駆使して、解決していくのだろうと考えた。

このようなガチガチの専門書でさえも、核となる部分は、「信頼」であることに驚いたと同時に、再確認させられる形になった。

最近は、速読が流行ってるようで、本をささっと読んで、要点をしっかり持って帰ることがいいんだというふうに感じている。これはあくまで主観ですが。ただ、どんな本でも、しっかり精査して、「熟読」することにも大きなものをもたらしてくれるのだと感じる。本を買う前には、ささっと読んで必要かどうかの精査も大事かもしれないが。



もちろん、本の読み方は人それぞれだから、このnoteを読んで、「そんなことねーよ」と思うことをまた良しだと思います。ただ、そんな発見もあるんだと知っておくことをいいんじゃないかなと読んで、noteにしてみました。


ここでサポートいただいたものは、全て私の母の病気への還元に使わせてただいています。