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どうしてあのときできなかったんだろう。

こんにちは、クッキー屋店主のナオです。
13年間お店をやってきて培った「好きなことを仕事にする」ことを健やかに続けていくためのコツや考え方をお伝えするnoteです。

お店をやっている中で、本当にたくさんの後悔の気持ちがあります。
今でもその後悔がフラッシュバックされて、胸が苦しくなることが私もあります。

以前、とある有名な方にまつわるクッキーの制作を依頼されたことがありました。今よりもっと小さいお店だった頃なので、
ウチで良いのだろうか・・・という気持ちがとても強く、「なんとか迷惑をかけないように」と自分自身も一生懸命背伸びして対応していた記憶があります。

ディレクションをしている方はとっても良い人で、こちらのお店にもリスペクトを感じ、誠心誠意対応してくれていました。

でも、その後やりとりをしていたのは商品管理として担当していた人は、今考えると大きく問題のある人でした。

常に私のことを見下したような態度でした。
でも私は、「この仕事をやらせていただいている!」という思いで常に気を遣ってやりとりをしていました。

商品の送り先が、最初に言われていた場所と大きく変更になり、変更先へ無事に商品を納品し終えました。
その後、その人から「商品が届いていない」とメールが来ていました。
私は外出していたのですが、送り状を確認すると商品は到着していました。
でも私はその時、「私が何か手違いをしてしまったのでは?」と、自分のミスである気がして冷や汗をかいていました。

一度お店へ戻り、お店の着信履歴を見ると、
なんとその人から矢継ぎ早に20件くらい着信があったのです。

次にかかってきた電話に出ると、
「こちらの勘違いでした。」
とだけ伝えられました。

今だったら、

いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
まてまてまてまてまてまてまてまてまてまて
取引相手にする事じゃねえぞ!!!
お前んとこのディレクターに報告するし、
有名人に直接なんとしてでも伝えるけど??!!

ってなるのですが…

当時のわたしの「させていただいている精神」

が強靭すぎて、
なんとその事をお声がけしてくれたディレクターにさえ、その出来事を言えなかったのです。


今思い出しても、猛烈に悔しくて、
なぜあの時、ちゃんと表に出して問題にしなかったんだろう?と考えてしまうこともあります。

でも、きっと対応が、「あの頃の最善」だったんです。

あの頃の私も精一杯やっていた。
そうすることでしか、自分を守れなかったし進めなかった。


そして、今こうすればよかった!と思えるということは、ちゃんと成長できているということなんだと思う。

その出来事から何かしらを学んだ自分であの頃を見られている。
それだけで、あの経験は無駄にはなっていないということ。

きっと彼も、任されたことをこなせるほどの器がなかっただけなんだと今なら思います。

私は丁寧に接すると下手に出過ぎてしまう癖があり、そのせいでナメられることも多いので笑
この出来事から「ナメはさせない」(なんだそれ)という気持ちを心の中で持つようになりました。

自分のお店の出来事の手綱は自分が握っている。

そういう態度を意識するようになったのも、当時の経験は大きかったと思います。

後悔の気持ち。
まず、今その視点で見ていることができていれば、
実は充分なのかもしれません。

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