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ピンポイントで好き



好きなこと探し、強み探しみたいなことを一度でもした人ならわかると思うのだが、好きの細分化がけっこう役に立つ。


たとえばわたしは、今の仕事はとくにがんばらなくても褒められたり感謝されたりするので、たまたま向いていると思っているのだが、自分がしている仕事を細かく要素分けしてみると、仕事の中の「なんの要素」が好きで得意なのかなーということがわかって自分の発見につながる。


これは、「体系的な自己理解」で評判のいい八木仁平さんの本を参考にしたものだ。


理論立てて自分の好きや得意を見つけたり、才能さがしにとても役に立つ。


わたしは直感型の人間なので、理論で才能を見つけるという方法ですべてが解決!とはならなかったが、かなり自分の輪郭がはっきりしたので、仕事モヤモヤ族(とくに思考や理論が好きな男性)におすすめしている本である。









医者の仕事が好き、教師の仕事が好き、というのは職業であって、職業でみているとその仕事の中でも具体的に何が好き・得意なのかがわからない。


そこで仕事を細かい要素に分けて、ピンポイントで好きな要素、向いている要素を自覚するのである。


八木さんによると好きなことと得意なことは一緒くたにせず分けるものだそうだが、さらに細分化することになるので直接本を読んで欲しい。


その前段階として、仕事を細かく要素分けして、この中のなんの要素が楽しくてやってるんだろう?みたいなことを大雑把に知るだけでも、だいぶ輪郭がはっきりしてくると思う。

たとえばわたしがふだんしている仕事をざっくり分けるとこんなかんじであるが


・会議の主催
・書類作成
・各関係者との情報伝達、相談窓口
・計画作り
・人の話を聞く(傾聴)


これらの要素を好き・得意、嫌い・苦手に分けてみる。



好き・得意


・会議の主催
・各関係者との情報伝達、相談窓口

・全体を俯瞰、把握してまとめる
・わかりやすく理論立てて説明する
・バランスを取る、調整する
・対人、人が介在すること


嫌い・苦手


・書類作成
・計画作り

・ひとりで完結する作業
・細かくて正確さを求められる作業
・反応やリアクションのない作業




好きなことと嫌いなことをざっくりわけてみただけでもものすごくわかりやすいのだが、まず人が介在するか、ひとりで完結する作業か、ということである。


わたしが好きで得意なことは、圧倒的に人と接する、関わることなのだ。一方通行ではなく、顔の見えるリアクションありきの対人がどうやら好きらしい。反対にひとりで黙々とリアクションも反応もない何かをすることは、気が滅入ってくるしそのうち頭が痛くなってくる。


そのほかの要素でも、全体像や要所を掴んで俯瞰することは簡単にできるけど、細かい正確さを要求されるようなことが嫌い、苦手な傾向がある。単純にミスが多いし、おもしろいとも思わない。
枝葉の部分を考えたり、実行するのがめちゃくちゃ嫌いなのだ。AIに仕事を任せることができるとしたら、まっさきにこの部分を丸投げするだろう。


適性としては、人をまとめたりリーダーシップを取ること、人と人とを仲介したり場を作ることなどが実は楽しかったり向いているのに、苦手意識があって無意識に避けていることがわかったりしておもしろい。


わたしの場合は、過去の挫折体験から「人前でしゃべると緊張する」「自信がないから目立つことをやらない」という苦手意識があるのだが、仕事の場合は知識や経験の積み重ねで、自信がある程度ついているので、環境さえそろえば「人前でしゃべったりリーダーシップを取る」みたいなことが意外とやりたい、ということがわかるのだ。


それがわかるエピソードとして、わたしは以前生徒会の副会長をしたり、集会委員会というみんなの代表でイベントを主催するという陽キャの巣窟みたいな役割をしていて、学年やクラスをまとめたりしていたことがあったのだが、そういえばとても気持ちよかった。忘れすぎていて今思い出したのだが。


それまではどちらかというと自己完結型のひとりでできることが好きなことだと思っていて、読書とか文章を書くのは好きだよなーくらいだったのだが、自覚している範囲の好きなことや得意なことなんて、ほんとうにアテにならないんだな、と思った。


適性という意味で言えば、人は無意識に、まったく自分に適性のない分野には、憧れや嫉妬を感じることさえしないらしい。


文章が得意な人は、Kindle作家の文章に嫉妬するし、歌が上手い人は歌手に対して嫉妬するけど、たとえばわたしは歌手に対して嫉妬したことは一回もない。わたしは歌手になるという発想もなければ歌の才能もないからだ。


あんなに天才の申し子の藤井風だって、くまなくいろんな人の音楽を聴いていて、しょっちゅう「この人の曲ええなぁ〜、ずるいなぁ〜」っていったり、誰かの歌を聞いて感動して泣いたりしている。こんな才能の塊の人ですらも誰かの音楽に嫉妬するんだ、と思ったことがある。


自分が憧れていたり、つい注目してしまったり、いいなぁ〜って思ったりするのは、「自分にもそうなれる才能があるよ」という内側からのサインなのかもしれないと思うと、自分探しも楽しいと思えるのだ。



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