職業「カメラマン」にたどり着くまで

2012年から、写真館でカメラマンをしています。
これは私がカメラマンという職業にたどり着くまでに
歩いてきた道のりです。

職業「カメラマン」は夢のまた夢だった

職業「カメラマン」を知ったとき

昭和最後の年に青森県八戸市に生まれたわたし。
まじめで正義感が強く、小中高と生徒会に所属。
自分で、自分のことを「つまらん奴」と思っていました。

なんか、ぶっ飛んだことをしてみたい。
変わった人、自由な人っていいなあ。

そう思いつつも、その殻をやぶれない平凡な自分。
そんなときふと目に留まった、卒業アルバム用の撮影に来ていたカメラマン。

「地方でもこんな特殊な仕事してる人っているんだなぁ」

父も母もいわゆる「お堅い仕事」で、仕事ってぇのはつまらないものだ。と思っていた私に、その存在は衝撃でした。
行事とか楽しいときだけ来て、写真撮って、こんなに楽しそうな仕事があるのか、と。

「それでもカメラマンなんて市内に数えるくらいしかいないでしょ、無理無理」
そもそもカメラも興味ないわ、と教育大学に進学を決め、函館に移住するのでした。

やってきた就職氷河期

大学3年春、就職活動の始まり。
成績も悪くない、コミュ力もそこそこ。
すぐに良い就職先が見つかるだろうと余裕をこいていた自分に、毎日のように叩きつけられる「お祈りメール」。
50社ES出しました。ほぼ駄目でしたね。
ダメ元で求人が出ていない会社にメールを送ったりもしてた。

しかしこのとき大本命の選考が残っていました。
そう、「スタジオ○○ス」！
かすかに記憶に残っていた「カメラマン」に唯一なれそうな道を
自分なりに見つけた！と思ったわけです。

しかし凄いんですよ、選考段階が。
まず、会社説明会の出席が必須なのですが、その予約は人気アーティストのライブチケット並み。
10時の予約開始にあわせて講義を欠席し、PC前スタンバイ。
マウス連打して、やっととれた席は名古屋回･･･？!(当時北海道在住)
初めて国内線に乗りました。

名古屋での説明会の後は、東京で選考会。
1次、2次、3次･･･と順調に進んでいたため、
他企業の選考をあまり受けていませんでした。
そうして受けた4次面接、まさかの「不採用」
う、嘘だろ･･･？!
これまでの交通費もなにもかも、ゼロ･･･？!
と、膝から崩れ落ち。
他の企業も手持ちになく、人生のどん底を見たあの日。
もう就職できないのかもしれない、と
絶望でいっぱいでした。

私を救った「Twitter」

これは後で詳しく記事を書こうと思っていますが、
SNSと言えばFacebook！だった頃、私はツイ廃(ツイッター廃人)でした。

当時住んでいた函館でTwitterのコミュニティが強固にあり、その仲間に拾い上げてもらい、なんとか就職が決まるのです。
Twitterでは自転車に住むところ、就職先まで手配してもらって本当感謝しかありません。

ベンチャー企業へようこそ

「いっしょにまちを創ろう」
そんな甘い言葉にクラクラして
大変良くして頂いた1社目を簡単に裏切った私。

今でも思う、たぶんこれが人生の分岐点で
私はあのまま1社目にいたら、
安定した企業に安定した家庭
山も谷もない毎日を鬱々と過ごしていたのかも、と。

変わったこと、自由な選択に人一倍憧れていた私は
普通の人が見れない景色、
知らなかった世界、近づくことのなかった人に酔いしれた。
なにもかもがキラキラして見えていたけれど、
6-22時までへとへとになりながらの勤務。
男子3人とのルームシェアに28連勤。
若い体力だけで突っ走って
異常でしかないっていう事実から目をそらして。
連勤で体動かなくて毎日引きずって歩いてたな。

そんな限界の毎日の中
ひょんなことから社長と行き違いがあり
「地元帰るなら帰れよ」の売り言葉に
素直に頷いたのが、2012年の夏でした。

ちなみにどうしているかな？と
当時の社長の名前検索したら
軒並み更新が途絶えてた。
恨んではいませんので、どうかお元気で。

つながった一本の線

函館から地元に帰る。
ネットでハローワークを眺めながら、
次何しようかなぁ･･･とスクロール。

するとそこにあった
「カメラマン」の募集。

え？
地元で？
しかもそれは、私が出会っていた
あの、学校に来ていたカメラマンの会社。

就職氷河期に、ダメ元で
「採用はありませんか」とメールを送った唯一の企業。

経験者募集、とあったけれど
ここまで縁があるのなら、
一度話をさせてもらえないか。

面接で素直に未経験と話し
それでも、と熱意を伝え
2012年10月、私は
職業「カメラマン」のスタートラインに立ったのでした。