今日も一杯で私は大人になる

現在、私は26歳。成人した日なんてとっくに過ぎた。
そんな私の近くにはいつもこのビールがある。

そういえば、子どもから大人になるにつれて、今まで同じことをしているはずなのにお酒があるかないかという違いがある。

大好きな野球観戦は、初めてのときは小学生で、当然のようにジュースを片手に持つ私と、ビールを片手に持つおじちゃんと二人で球場に出向いていた。
社会人になり、20代になってそのおじちゃんと球場に行ったとき、当たり前のように私が片手に持っていたのはビールだった。

友人と久しぶりに会えば、そのときも飲むのはお酒ばかり。
当時は10代だったあの子とだって、一緒にお酒を飲むのだ。

しかし、改めて思う。どんなイベントでも最初にお酒を飲んだとき、つまりはジュースがお酒に変わったときは何かワクワクする気持ちがあったはずだ。
友人と酌み交わすお酒は、大人の付き合いになったのを表し、
おじちゃんと酌み交わすお酒は、俺も大人になったよと言う。
後輩と飲むお酒は、ようこそ大人の世界へというメッセージがある。

そう、私は一杯のお酒とともに、大人になっている。
「乾杯!」という掛け声に合わせてグラスが触れたとき、私は新しい自分になる。

「カン」と、グラスが何度も共鳴するあの瞬間が戻ってくることを信じて。大人になる準備をしておこうと思う。

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