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アルコール依存症という病気、「だらしない夫じゃなくて依存症でした」という本。

元芸能人の方が交通事故を起こされて、飲酒運転で逮捕されたニュース。

そのニュースを見てまず思い出したのが、こちらの本。​

三森みささん著 だらしない夫じゃなくて依存症でした


わたしがこの依存症啓発漫画に出会ったのは、書籍化される前。Twitterで流れてきた第4話に打ちのめされたのがきっかけ。

もう、ね。

飲みながら何見てるんだと睨む夫の顔も、無表情でやり過ごす妻の姿も、お酒を飲まなければいい人、という言葉さえ

過去のわたしが経験したものでした。



わたしの元夫は、弱かったんだと思う。大病をして、男としての矜持を失って。それでも最初の1年は回復への意欲はあったのだけれど。

いつしか、お酒を飲むことで気分を紛らわせていたのだろう。毎日の晩酌が長くなり、夕食後も事務所でひとり飲むようになり、寝る直前まで飲んでいた。咎めると、隠れて飲むようになり、それはやがて、仕事に行ったフリをして昼間から飲むようになっていた。

家族7人の生活を支えるため朝から晩まで働いていたわたしは、そのことに気づくのが遅かった。というか、夫婦関係は破綻していたので、夫のことを見てはいなかったのだろう。


ある朝、夫が事務所で倒れていた。

病院へ連れて行くと、診断結果は、重症アルコール性肝障害。

入院の準備に自宅へ戻ったとき、事務所の引き出しの奥から、大量のストロング缶と何社ものキャッシングの督促状と、取引先からの不払いの通知が見つかった。


そこから先は、怒涛の日々だった。

入院による急激なアルコール離脱症状で激しい妄想と徘徊を繰り返し、内視鏡検査で舌を噛み、体力の低下から感染し、腫れ上がった舌で窒息して呼吸が止まった。救急で呼び出され、次に呼吸が止まった時は延命しますかと医師に問われたとき、わたしは答えることができなかった。

その時わたしは子宮を全摘出して数週間、退院したばかり。こどもは社会人一年生と高校生。実父は末期がんでターミナル。

何を守らなければいけないか…わたしが選んだのは離婚だった。
その面では、わたしはこの本のように夫を支えられなかった失敗例だ。




この本には、依存症についてとても分かりやすく解説されている。本人だけでなく、家族の立ち位置についても。

本人が自分の状況を認め、治療を受け入れ、互助会に参加し…家族も周囲も依存症を理解し、時にスリップをしながらも、支えあって生きていく。

お酒を飲んでしまう、我慢できないことを、本人の意思の弱さではなく病気と認めること。まずはそこからなのだと思う。



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わたしもお酒好きです。離婚する前は元夫が毎日飲んでいたからわたしは飲まなかった(緊急時に運転できないと困る)けれど、離婚してからは飲む機会も増えました。

友人や同僚とワイワイお喋りしながら飲むのも楽しい。行きつけのバーでひとりゆっくり飲むのも楽しい。

だけど、飲む上で決めているマイルールがあります。

1つ、嫌な気持ちを消すためには飲まない

2つ、仕事のある前日には飲まない

3つ、飲まなくても楽しい時間は作れる



元夫とは、病室で離婚届にサイン貰ってからは会ってはいない。

お酒は美味しい、楽しい

そして怖い。

それを忘れずに。






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