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残酷だけど、どんなに飲食店の売上が落ちても日本の胃袋の総量は変わらない(強いられるDXがツラい、という話)

●とりあえず

「強いられて変わるのが本当にツラいな」という話をしたいと思うのだけど、

とりあえず最近リモートワーク中の昼ごはんに作ったものを見てくれ。

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ただ、「よっし作るか」となるのは2日に1回で、あとはだいたいタイミングを逃して適当な残り物で小腹だけ満たし、16時くらいに空腹感と夕方×リモートの寂しさに打ちひしがれることになる。

●内食爆増

在宅勤務、休校措置、外出自粛要請、緊急事態宣言、と、
どんどん家にいなきゃいけない人が増えたことにより、
クックパッド内の検索傾向も大幅に変化が生まれている。

同じようにこの状況によって売上の減少、逆に特需で欠品対応に追われたり、一生懸命対応している僕らのお客さんである食品メーカーなどに対して、そんな情報をせっせとメディアの記事やメルマガで配信して、なんだかんだ忙しい今日このごろである。

在宅勤務や休校で料理負担増。今主婦が求めるものは?
リモートワークで増える会社員の自炊ランチ

記事読んで貰えればと思うけれど、
急に「作らなきゃいけない」状況に陥ったことで、
「ランチ」「昼食」といったストレートなワード、
「うどん」「パスタ」等保存できる食材の他、
「簡単」「時短」の普段でも頻出のワードが更に爆伸びしている。

少なくとも現状の宣言期間の5月6日までは例年と全く違う検索傾向になると思うけれど、そろそろ「さすがに外食できないのツラい」⇒「家でなんとかいいものが食べたい」という流れになって、また違う検索傾向が見えてくるころかと思う。

●頑張れ最高の居酒屋達

対照的に、当然のように外食がやばい。

特に、中央線沿線サブカル野郎の僕の周りには最高の個人経営の居酒屋がたくさんあり、当然のようにどこのお店も完全に死活問題だ。

営業時間の短縮やテイクアウトの導入等様々な形で戦っておられていて、自分としてもやれる範囲で積極的に活用している。

●とはいえ

いつ終わるかわからないこの状況の中だが、
タイトルの通り、どんだけ飲食店の売上が落ちていても、
人の胃袋の総量は一切変わっていない(運動量減って食べる量減ったとかはあっても)。

また、現状飲食店には「料理を提供する」という根本的な機能が閉ざされてるわけではないので、
需要に変化が無くて「店で食べさせる」という供給方法だけが不可能になっただけなので、理屈としては供給方法を変えてやっていけばいい。

最近色んな人がシェアしている下記の記事には、今の状況に対応するとしたら…ということでいろいろなツールを用いてオンラインでのサービスを整える考え方や流れが、とても綺麗にまとまっている。

もし新型コロナの影響で閉店を考えた飲食店がオンラインに対応したら

●要は

コレを機に飲食店でもDX(デジタルトランスフォーメーション)だ!
ピンチをチャンスに!乗り越えられない奴らは潰れるぞ!

…みたいなことをぜっっっっっっったいに言いたくないんですよね。


新卒でBtoB系テクノロジーメディアにいたので、
耳にタコが出来るくらい聞いてきた「DX=ビジネスのデジタル化」。
「そう言えばいいと思ってるっしょ…」と思いながらも、
確かに業界の慣習や構造にパラダイムシフトを起こした事例に触れた時は、
確かに世の中の変化を感じて興奮したのは覚えている。


僕が今の会社にいるのだって、「メーカー⇒小売流通⇒消費者」
という長年培われてきた構造の中でデジタルシフトが起こる瞬間を見たい、できれば関わりたい、と思ったからだし、あらゆる面でのDX、大歓迎だ。


でも、今回のこれはどんなに飲食店の提供形態や在り方がドラスティックに変わったとしても、そういう文脈で絶対に語れない、渋い感じ方になるなと思っている。

まったく同じ感覚を、今まであれだけ口だけで動こうとしない企業ばかりで、実施したくとも現実感のない人がほとんどだった「テレワーク」にも覚えている。
だって、急にこんな、ねぇ。なんなん。
(この状況でもはんこが廃止できないせいでテレワークできない云々は言うに及びません黙殺ですずっと朱肉に頭を突っ込んでてください。)


●こんな形で「強いられるDX」はつらい

ってことを言いたいし、線路沿いにズラッと並んだ飲み屋街にそっと佇む、
夫婦と女子大生バイトでやってるい〜〜感じの魚介の旨い和食居酒屋に、
「生き残りたきゃやり方を変えろ!」なんて言うのは、テクノロジーの捉え方として間違ってると思うし、そうじゃなきゃいられない世の中じゃいけない思う。

テクノロジーは常に道具であってほしい。

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