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「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」の感想(ネタバレあり)

これまで観た作品の中だと「スカイミッション」が一番好きだったのだけど、それ以降の二作が宇宙に行ったりとかして、カーアクション映画としてやり過ぎな印象がしていた。
あそこまでいくとフィクションとはいえ、お話としてどうでも良くなってくるし、今回もまた派手なだけの見せ場が多い作品なのかなぁと、思って観たら今回はちゃんと派手な見せ場はありつつ、ちゃんと地に足(タイヤ)が着いたカーアクション映画になっていて満足度が高かった。

予告でもよく観た転がっていくでかい球体爆弾をみんなで止めるシーンあたりから、僕が好きだったワイスピのスケール感のアクションで心を掴まれた。
バスを真っ二つにしたり、火がついたり大惨事を起こしながら転がっていく球体を車で人命救助をしつつ止めようと奔走していくのだけど、カーアクションの見せ方のバリエーション豊かさで、めちゃくちゃ馬鹿らしいと思いつつ見入ってしまう。
ラストのクレーンに体当たりしてぶん回す所はこちらの予想をちょっと超えてくる感じで思わず声が出そうになった。
(しかしあの爆弾がそもそも街一つ吹っ飛ばせるので絶対に球体にしない方が良いはずなのだけど、そこを突っ込み出したらワイスピは楽しめない)

ラストのドミニクの太い腕から舐めまわす様なカメラワークでニトロが燃え出して車がぶっ飛んで行く所もシリーズお馴染みだけど、ここぞというタイミングだったのでめちゃくちゃテンション上がる。
監督であるルイ・レテリエがシリーズの大ファンという事らしいけど、ここら辺のシリーズお馴染みの描写に対してめちゃくちゃ愛を感じて、それも良かった。

基本的にこのシリーズはまたいつものファミリー達に会えるのが最大の楽しみなので、メインキャストは今回も良い。
毎回同じ様な無茶をやってはいるが、やっぱりみんな良いおじさんおばさんになってきているのだけど(改めて第一作が20年以上前という事実に驚愕する、、、)それ故にもう最終章と思うと切ない気持ちにもなる。

ジェイソン・モモアの狂人ヴィランっぷりも観ていて楽しい。
冒頭の「実は「MEGA MAX」の時から居ました!」という後付け追憶パートとかなかなか酷いし、父であるその時の敵とモモアの繋がりもそんな強くないし動機として微妙に弱い気がしたのだけど、ジェイソン・モモアという役者の華が圧倒的なので、本人の持つ根明な印象も相まって彼が楽しくしているだけで、引き込まれる。

その他キャストでいうと前作の根暗マッチョの印象から親戚にいたら楽しい陽気な叔父さんへと進化を遂げたジョン・シナが凄く好きだった。
最近だと「ピースメイカー」の名演も記憶に新しいけど、いよいよ演技力爆上がりで大好きになってきた。
ラストに漢気を見せて散っていく表情とかも素晴らしくて感動したけど、ワイスピシリーズはあの爆発でも普通に生きてる可能性があるので油断出来ない。

毎度の事だけど、もちろんツッコミ所も沢山あって、ヴァチカンでの大爆発での死者ゼロとかもビックリだったし、アクションの見せ場重視で脚本作っているので「これは今、何の為に何をしている時間だっけ?」と忘れそうになったりするし、ハンの幻覚シーンなんで入れたの?というかあのネットカフェで取引しようとするシーン丸々なしでステイサムのくだりに行けたのでは?等々、改めて突っ込みだすとキリがないけど、そういうのをグダグダ笑いながらみんなでワイワイ話すのが楽しい映画なので逆に好きになってきてしまう要素でもある。

あと今回「車とバーベキューで仲間を増やすカルト教団」みたいなワイルドスピードシリーズをメタ的にツッコミを入れる様なセリフがあったのが面白かった。
これを言ったのが今後がっつり悪役になるのが確定した人物なので、最終作ではそこに対してファミリー達が解答する様なシーンがあったら良いなぁと思う。

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