ムーンフォールの感想(ネタバレあり)
普通の映画2本分のお得感
予告を見た時点では、月が落ちてくるという絵的にも分かりやすい世界終末感と、月が近づく事による重量の乱れや、どでかい津波等のシチュエーションを特盛したディザスター映画なのかな、と思っていた。
ただ観始めたらどちらかというと月の内部に悪事を働く何かがいるので、その原因を究明してやっつける展開になっていく宇宙戦争的な話がメインだったのは驚いた。
このメインの宇宙パートと、主人公達の子供達が主に活躍する地球でのディザスターパート2つがそれぞれ描かれていくので、どちらかというと2本分の映画を観ている印象がした。
宇宙パート
冒頭の時点で宇宙飛行士のパトリック・ウィルソンとハル・ベリーがよく分からない宇宙生命体の様なモノに襲われるのだけど、ここの時点で予想してた世界終末ディザスター映画的なものと大分違うものが来た感じで意外だった。その事故がきっかけでパトリック・ウィルソンが仕事を失い堕落した生活を送っている数年後のパートになってお話が進んでいく。しかしパトリック・ウィルソンって優等生タイプの真面目な役と、こういうダラダラしたダメ男の役、どちらでもピッタリはまる役者さんだなぁ。
相棒的なハル・ベリーも華があるし、主人公2人はさすがの安定感という感じ。そして途中から加わる「ゲーム・オブ・スローンズ」でお馴染みのジョン・ブラッドリーのキャラクターもとても魅力的だった。
宇宙へと旅立つ冴えない男の夢が実現され、やがて世界を救う偉業を成し遂げていくのが、ベタだけどジョン・ブラッドリーのボンクラ感がチャーミングで感動的で良かった。
地球パート
その宇宙パートに対して地球でのディザスター展開の方は、主人公のパトリック・ウィルソンとハル・ベリーの息子達とお世話係の中国人留学生の女性の3人が車でシェルターへ向かう道中でのエピソードになっていく。
キャスト的には宇宙パートの三人に比べて華はない印象だけど、こちらは津波が襲ってきたり、重力が不安定な状態でのカーチェイスなど、ド派手なビジュアルがメインになっていて、ザ・エメリッヒ映画という感じの外連味が観ていて楽しい。
特に後半の無重力カーチェイスのシーンは個人的にとても好きで、町が壊れていくビジュアルとかが凄いのにやっていることはチンピラとの小競り合いという小ささとかがヘンテコで面白かった。決着の大ジャンプとかもめちゃくちゃ過ぎて笑った。
ツッコミ所も盛り沢山なのでそこが引っかかる人もいるかも知れないけど、そこも含めて、いつもエメリッヒ映画って感じが楽しい。
まあ色々要素が多いのでその分上映時間は長いので、個人的には配信作品だし何回かに分けて観るのもありな気もする。午後ロー的にテレビで楽しむのにピッタリな作品だと思う。
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