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ブラックアダムの感想(ネタバレあり)

久しぶりのDCEU作品

DCエクステンデッド・ユニバース最新作。
今年は「THE BATMAN-ザ・バットマン-」とかもあったけど、あちらはこのユニバースとは無関係な作品っぽいし、結構久しぶりな印象。

そしてこれまでの作品の中でも他作品との繋がり要素も多くて、「ザ・スーサイドスクワッド」や「スーパーマン」もそうだし、特に関係が強いのは兄弟作と言える「シャザム」。
DCは最近単品の作品として完成度を高める様な印象が強かったけど、またヒーロー達を集合させる計画が少しずつ動いているのかもしれない。

ロック様

とにかく登場シーンからの強すぎ表現が最高に楽しい。
これまでもロック様が一人で雑魚敵を蹴散らす映画は百回くらい観てきた印象なのだけど、その中でも今作はマジで圧倒的過ぎるので作り手も最早ギャグである事を承知でやっている感じ。
素手で殺す、雷で殺す、時間が止まっているにも等しい早さで殺す、浮遊能力で殺す等、とにかくスーパーパワー全部乗せみたいな殺しのバリエーションがどれも面白かった。
ただでさえ強いロック様がアメコミ映画に来るとここまで異常な強さ表現になってしまうという妙な説得力があってそこも笑える。
人を殺して捨て台詞じゃなく、殺す直前に捨て台詞を言って「ざまあ」なリアクションを見てから殺す感じも悪趣味で好き。
ドアの概念が無い事を示す為にひたすら壁を突き破るくだりをしつこくやり続けてくるのも笑った。

映画の語り口的には彼が英雄であるというミスリードがあった後、実は本来ヒーローの資格のない人がなってしまっていたという事が判明する作りになっているので、日本版の予告の「息子を殺された父」という紹介をいきなりしてしまうのは、作り手が想定していないネタバレだと思うのだけど、大丈夫なのか。

あとシャザムから引き続きスーパーパワーを与える魔術師が相変わらず上から目線のクソ野郎過ぎて笑った。自分から能力与えといて気に入らなかったら封印というド外道っぷり。お前が封印されるべきだろと思ってしまう。

ジャスティスソサエティ

アマンダ・ウォラーからの依頼で動いていたけど、こういう超能力軍団が一軍で、スースクの面々とかはマジでどうなっても良い使い捨て軍団なんだろうなぁというのがよく分かる。

ピアース・ブロスナンがとても良くて他の若手ヒーロー達を束ねる風格と、無敵のロック様と並んでも引きを取らないスター性がしっかりあった。
キャラクター的には「プロフェッサーX」とか「ドクターストレンジ」とかに似てて見たことある雰囲気なんだけど、007やってた時の明るいヒーロー感と渋みが合わさった感じの人間力で、ちゃんとピアース・ブロスナンだから演じられる唯一無二なヒーローになっていたと思う。

彼とホークマンの関係性とかも良かった。
他の作品に出てないけど、この2人がこれまで数々の困難を乗り越えてきた良いコンビだったというのが、役者の華だけで伝わってくる。

ただチーム的には秘密基地の雰囲気とか、そこから飛びだす専用の飛行機等めっちゃX-MENっぽい。原作にいるヒーローチームなのだけど、ビジュアル的にもう少し差別化は出来なかったんだろうか?と思った。

そんな感じで個人的にはとても楽しい作品だった。シリアスめなアメコミ作品も多い中、何も考えずに観てもここまでスカッと楽しいだけの作品は逆にレアな気もする。

ただそれ故に心に引っかかるポイントも少ないというのも確かにあって、例えばめちゃくちゃ強い設定ではあるが魔法を使って闘うスタイルだしロック様映画としてはお得意の筋肉アクションが無くて物足りなさを感じるし、色んなスーパーヒーローを出し過ぎたせいで単品のヒーロー作品としては、ぼやけている印象もあり、明確な「売り」がどこか分からなくて興行収入的に苦戦しているのもなんとなく分かる気もした。

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