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「サマリタン」の感想(ネタバレあり)

スタローンのヒーロー映画

スタローン主演最新作。
僕が初めてスタローンを意識した作品が小学生か中学生の時にテレビで観た「ジャッジドレッド」だったりする。たしかバイオレンスな世界の中で悪人をやっつけるヒーロー的な役だった気がするのだけど(ぼんやりした記憶)、この作品がかなり当時好印象でそれ以降スタローンの顔と名前が一致する存在となっていった。(当時そこまで映画も観てないので外国人の顔が覚えられずシュワちゃん位しか認識していなかった)

もちろん大人になり映画を多く観る様になってからは、いかにハリウッド映画の中でレジェンドなのか改めて認識し、大好きな作品とも沢山出会い、特にロッキーは生涯ベスト級に好きなシリーズになった。
そしてロッキーもそうだし、もう一つの看板シリーズであるランボーも近年未だに続編を作って傑作になっているのはやっぱり凄い事だと思う。

という感じで、そんな初めてスタローンを意識した「ジャッジドレッド」を思い起こす様な(?)アメコミ的なヒーローモノを、今の年老いたスタローンが主演すると聞いて、それなりに期待して鑑賞してみた。

シュワちゃん映画っぽい雰囲気

全体的にはかなり記号的なオールドヒーロー映画という感じだし傑作という訳ではないけど、楽しいアクション映画だったと思う。

ラストの大暴れシーンとかは色んなアイデアのアクションは見応えがあったし、スタローン自身が結構楽しそうにやっている感じがなんだかほっこりした。

主人公の設定が突然変異のミュータント的なものなのか、どういう経緯で特殊能力をモノを持って生まれたのかよく分からないし説明もないのだけど、まともな食事を取らなくてもアイスなどを食べてとにかく身体を冷やすとスーパーパワーが維持出来るという設定がロボットとかサイボーグっぽい。


スタローンの作品イメージはランボーとかもそうなのだけど、どっちかというと生身の人間が頑張って強くなる印象が僕は強くて、正直今回の強すぎる設定が合ってるのか微妙に感じた。
どちらかというとシュワルツェネッガーとかの方が合ってそうなキャラクターな気がする。
ラストのトラックに爆弾詰めこんで、捨て身でぶっ込んでくる感じも、ターミネーターみたいだった。それを意識してなのか知らないけど、吹き替えも玄田哲章だったし。

荒さも魅力

細かい事はいいんだ、と言わんばかりにいかにもジャンル映画って感じの荒さも楽しいといえば楽しい。

彼が何故悪事を行っていたのか?というかそもそも悪事だったのか?本物のサマリタンは本当にヒーローだったのか?みたいな部分に関しては全く説明はないし、観てるこちらも物語の全容は掴めない様な作りになっているのだけど、最後にスタローンが「みんな善も悪もそれぞれ持っている!正しい決断は自分で決めるんだ!」と、名言っぽく言って映画が終わっていくのが、めっちゃ強引で笑ってしまった。

後、薄味なキャラクターの中で、今回の悪役を演じたピルウ・アスベックが存在感が結構良かった。
個人的にはゲーム・オブ、スローンズのユーロン・グレイジョイ役でお馴染みなので、めちゃくちゃヤバい奴なのではないかと思って観ていたけど、仲間想いな一面が見えたり、荒くれた暴力性の中にも人間性を感じる人物で、スタローンの言う善も悪も持っている雰囲気が悪役なのにちゃんとあった感じがするし、やっぱりめちゃくちゃ上手いのでスタローンの次に俳優としての華があったと思う。

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