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『僕は長い昼と長い夜を過ごす』の内容と感想は?【小路幸也】


50時間起きた後、強制的に20時間眠ってしまうという体質の主人公、メイジ。

苦労しながら生活している、と思われるかもしれないが、家族や理解ある会社に就職し、ごくごく普通に日常生活を送っていた。

そんな中、50時間起き続けられるという体質を利用して請け負っていた副業の最中に億を超す大金を手に入れてしまう。

ただそのお金は裏社会のものだったらしく、取り返そうとする裏社会の人たちの影が見え始める。

裏社会の人たちから逃れるため、更に状況を解決するために、自分に手を貸してくれるという謎の味方や同僚たちと策を練る。

しかし、そんな状況でメイジの体質にも関わる過去や家族についてのトラブルが発生する。

タイムリミットサスペンス、と紹介されているが、どちらかというと人間同士の絆を感じさせる作品であった。

主人公のメイジだけではなく、メイジを大切に思う同僚や家族がどうにかしようと行動する姿にほろりとさせられる。

更に、お金を取り戻そうとする裏社会の人たちから逃げるだけではなく、メイジが現実を職業であるゲームプランナーの仕事と同じように捉え、敵をどのように迎え撃ち、自分たちの日常を取り戻すためにどう動けばいいのか考える場面など楽しみながら最後まで読み通すことが出来る。

裏社会の人々から逃れられるのか、なぜメイジは50時間起きて強制的に20時間眠るという体質を持っているのか、急に現れた謎の味方の正体は何なのか・・・そんな風にいろいろな面で楽しく一気に読めることができ、非日常を味わえる小説を読みたい、という方にもお勧めです。

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