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【詩】トンネルの中のぬくもり

月夜に天幕の下でギターを奏でながら
勘ぐる私の心を尻目に
明るいトンネル中から聴こえる屈託ない歌声

その歌声に魅かれながら
「適度な距離感」ってやつを探るコード練習で
私は孤高で堅実な職人を気取る

恐怖を乗り越え、一歩足を踏み入れたトンネルの中想像した不幸は、一瞬で消し飛んで
私は、君たちに笑顔で迎えられた

軽口叩き、悪たれ付き合う君たちの間に
流れる信頼と愛情
ありのまま、素直に自分の心を解放したら
本当の声で、君たちと一緒に歌ったら
もう完璧でいる必要はなくなった

怖くて、しがみついて、悲しませた
あの人とのまだ穏やかだった頃の関係を
思い出して
後悔と喪失感と懐かしさで歌うlemon

世界が飢餓と、戦と、私利私欲にまみれても
全ての歌に愛と友情を感じられたら
平坦な心のままで、素直に慈悲深く
あの人の気持ちを受け取れていたなら
期待じゃなく 思いやりを返せていたなら
今からでも、そうできたら

「そんな願いはもう叶わない」と嘆く
自分の心にも優しい歌声を届ける
きっと、ずっと一緒にいすぎたから、
離れてひとりで生きていくのが不安なだけだね

平和な時間に飛び込むPoriticsの話題でザワつく心は誰と一緒に過ごしても、きっと変わらないけど
誰の心にも光と影があるけれど

こんな風に世界の誰にでも
穏やかな時間が訪れるように
この国の闇とも、心の闇とも
向き合いながら、暮らしていく

さあ、明日も仕事だよ



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