怒涛の展開! Amazonプライムドラマ「アレックス・クロス 〜狙われた刑事〜」
アメリカのクライムサスペンス好きたちよ、集まれ!
先週の11/14にAmazonプライムにて配信が開始されたドラマ
「アレックス・クロス 〜狙われた刑事〜」
謎に次ぐ謎…激しい銃撃戦…点と点が繋がる展開…明かされる衝撃の事実……
そんな、息付く暇もない緊迫のクライムサスペンス好きに、本作を強く奨めたい。
本作の概要は以下。
内容が内容なだけあり、展開の速さも相まって観ていると正直疲れる。
ところがその分、1秒でも飽きる瞬間はない。
私も、各話1時間、全8話の本作をたった1日のうちに観終えてしまった。
続きが気になって仕方がなく、途中で止めることが不可能なのである。
本作の鑑賞のきっかけは、主演のオルディス・ホッジ。
2022年公開の映画『ブラックアダム』で、ホークマンを演じていたことで彼の存在を知り、その色気と演技力に虜になった。
そんな彼の主演作とあらば、週末の一日くらい惜しくない。
どんな内容であろうと最後まで観る前提でいたが、想像の数倍、良作であった。
まず、主演のオルディス・ホッジが良い。
彼の演技が良いことはもちろんのこと、キャラクター自体もとても魅力的だ。
アレックス・クロスは、心理学の博士号を持っている。持ち前の人の心を読む力を活かし、巧に犯人像を掴み、そして逮捕と自供に追い込んでいく。
ところがそんな彼も、心に深い傷を抱えている。最愛の妻を亡くしているのだ。
そして、シングルファザーとして手探りで奮闘している。
仕事をしている時の余裕たっぷりな頼れるベテランエースが一変、
家に帰ると”右も左も分からず祖母に助けれてばかりの父親”になる。
そのギャップと、どちらにも実直に向き合う姿が心を打つ。
注目ポイントは他にもある。本作は、アメリカの社会問題、そして人間の社会問題を正面から映した作品でもあるのだ。
アメリカではいまだに人種差別が横行している。そして、事故や事件が絶えないのにも関わらず、いまだに銃社会だ。
聞いたことはあるが、実際にどんな言葉や扱いを受けるのか、どのような危険性があるのか、日本にいるとわからない部分が多い。
このドラマのリアルな描写は、そんなぼんやりとした認識を持つ我々日本人にとっては少し衝撃的かもしれない。
特に人種差別に触れるシーンは、観る人の国や人種によって感じ方が異なるだろう。日本人も一歩国を出れば、残念ながら差別の対象にされかねない。そのことが如何に恐ろしく重大なことであるか、根強い問題であるかを感じさせてくれた。
もう一点。本作では、人間の社会問題として昔から絶えず存在する「猟奇殺人犯の神格化」にも焦点を当てている。
アメリカに実在した数々の猟奇殺人犯を崇めるキャラクターが作中に登場するわけだが、それが如何にして出来上がるのかを、クロスが得意の心理学で紐解く描写も見所だ。
登場人物たちが、”強くてカッコいい”ところも、本作を推せるポイントとなった。
罪人たちは除くとして、主人公のクロス以外にも、その親友で同じく刑事のジョン・サンプソン(アイザイア・ムスタファ)も陽気に時に優しくクロスを支えながら鼓舞する、本作に欠かせない存在だった。クロスがピンチな時に駆けつける定番の展開も最高だ。
刑事以外にも、クロスの祖母・レジーナ”ナナ・ママ”クロス(ファニタ・ジェニングス)も、子どもたちの良きひいばあちゃんでありながら、悩めるクロスの尻を叩いて前向きにさせてくれる、パワフルで強い女性だ。
そして、クロスの昔からの友人のエル・モンテイロ(サマンサ・ウォークス)もまた、クロスの過去に寄り添い、良き理解者として優しく、時に厳しくクロスを導く強い女性である。
魅力的な登場人物たちが織りなす人間ドラマも、本作がただのクライムサスペンスに留まらない所以の一つであった。
兎にも角にも、怒涛のクライムサスペンスドラマに仲間入りを果たした本作。
私は忘れた頃に、もう一度最初から一気見し直すことだろう。
1997年生まれ、丑年。
幼少期から、様々な本や映像作品に浸りながら生活する。
愛読歴は小学生の時に図書館で出会った『シートン動物記』から始まる。
映画・ドラマ愛は、いつ始まったかも定かでないほど、Babyの時から親しむ。
昔から、バラエティ番組からCMに至るまで、
"画面の中で動くもの"全般に異様な興味があった。
MBTIはENFP-T。不思議なまでに、何度やっても結果は同じである。
ENFPらしい性格であると他者からもよく言われるが、文章を書こうとすると何故か、Tの部分が如何なく滲み出た、暗い調子になる。
(明るい文章もお任せあれ!)