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怪異の起こるマンションで「幽霊が来たら挨拶してやるよ!」と言ったら、夜中、何かにバックハグされた話

怖さ:★★★ 

親戚が大学生のころに経験したお話です。

彼は学生時代、関西のとある町に住んでいました。大学の生協が紹介してくれたマンションで、住人のほとんどが同じ大学に通う学生たちです。新築で、しかも駅から近く、彼の友達もたくさん住んでいました。

さて、そのマンションで暮らし始めてしばらく経った頃のことです。

そのマンションの玄関の照明はセンサースイッチで、人がいるとライトがつくようになっていたのですが、夜中、誰もいないのに急に玄関の明かりが灯るようになりました。

不思議に思っていると、彼の部屋だけでなく、同じマンションのほかの部屋で暮らす友人のところでも、いくつもの部屋で同じように、夜になると急に玄関の明かりがつくという現象が起こっていました。

ある日のことです。

同じマンションの友人の部屋で話をしていると、「玄関のライトが勝手に灯る」話になりました。

友人が「きっと幽霊か何かが、マンション中を一軒一軒、回ってるんだろう」というので、彼は「だったら、今度うちに来たら挨拶してやるよ」と、その場の勢いで言ったそうです。

ところがその夜、布団に入って寝ていると、突然、背後からガバッと抱き着かれるような感覚に襲われました。びっくりして目が覚めたものの、上半身が腕の上からぎゅっと抱きしめられていて、動けません。

「金縛りだったら全身が動かなくなると思うけど、体は動くんです。ただ、バックハグされたような状態で、腕と上半身が抑えられて動かない」という感じだったそうです。

その時、自分が「(幽霊が)うちに来たら挨拶してやるよ」と、友人の家で発言してしまったことを思い出しました。

首筋の後ろのあたりに、人の顔がある気配はしていましたので、少し顔を動かして挨拶をしようと思えばできないことはありません。

でも、振り向いて顔が見えたときに、きれいな女性の幽霊だったらまだ良いけれど、おじさんとかの幽霊にバックハグされていたとしたらたまったものではありません。ここは徹底的に無視することに決め、目をつむっているうちに眠ってしまったそうです。

その夜以来、バックハグをされることはありませんでしたが、その夜の話を同じマンションに住む友人に話していた時のこと、ふと玄関に人がいる気配がしました。

玄関と部屋の間にすりガラスの扉があったのですが、そこに、黒い人影が映っていたそうです。

ちなみに、そのマンションは水が突然出なくなったり、壁が薄くて隣の家の音が全部聞こえてしまうような、いわゆる欠陥住宅だったため、次の更新時にはほとんど全員が退去してしまったそうです。

話し手:40代 男性
採取時期:2023年11月
採取場所:東京都内

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