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子どものころ、普通に幽霊が見えていた人の話

怖さ:☆☆☆ 

職場の友人(女性)が、「以前勤めていた会社で、幽霊が見える(見えていた)人と一緒にお仕事をしていた」ので、お話を聞きました。

今回の話し手(私の友人)自身は、特に幽霊の存在とかを信じていたわけではなかったのですが、彼女が前職で会った人が「子どものころ普通に見えてたんです」と、いろいろと教えてくれたそうです。

(私の友人が、幽霊が見える人に聞いたお話をまとめています)

幽霊が見えない方が怖い?

幽霊が見えていたという人は若い男性です。

子どものころに幽霊を見ていたのですが、周囲の人に言うと「すごい変わり者」と思われることがわかったので、「友達がいなくなるから言わなくなった」そうです。

しかし、中学生とか高校生とか、大人になるにつれてだんだん見えなくなっていきました。「今は見えなくなりました」と言うので「見えている時は怖くなかったの?」と聞いたら、「逆に見えない今の方がめちゃくちゃ怖い」という返事。

幽霊が見えていた時は「街中を歩いている知らない人」のように普通にいたので、違和感もなく怖いと感じることはなかったそうなのですが、その姿が見えなくなるとかえって怖いと感じるようになったらしいです。

「見えていたものが見えなくなることの方が怖い」「(幽霊もいるはずなのに)どこにいるのかわからないから、逆に気味が悪い」みたいです。

幽霊はどのように見えるの?

幽霊は、街中を歩いている普通の人とほとんど変わらない姿で見えていたそうです。

例えば、工事現場の脇で若い男性が体育座りをしていて、ぼーっと座っていたのに、急に立ち上がって走って行っちゃったとか。体育館でバスケをしている時に上の方からぼーっと眺めていたりとか、普通にスーツを着て電車に乗っていたりとか。

家の中も普通に横切っていくようで、部屋の中を知らない人が通り過ぎていくこともあったそうです。

幽霊にはこちらの様子は見えている?

「幽霊には足がないとか聞くけどどうなの?」と尋ねると、「うーん、足がないとかそういうのはなかったですね」とのこと。

では、どうして「この人は違う(生きている人ではなく幽霊)」と感じるのかというと、目つきとかその様子とか、何となくの雰囲気でわかるみたいです。また、「向こう(幽霊の側)にもこっちが見えているのかどうなのかわからない」ようです。

幽霊の方は幽霊の方で、普通に過ごしているというか、私たちが暮らしているこの空間?とはまた違うところに世界があって「(幽霊は)そっちにいるようなイメージ?」だそうです。

亡くなって間もない人が幽霊になる?

幽霊が見える方の話では、幽霊には「自分が死んだっていうことに気が付いていない人がいるみたい」。

「なんでそう思うの?」と聞いたら、「普通にスーツを着て、電車に乗っていたりするから」。

幽霊になっても、普通に会社に出勤している姿を見ると、自分で死んでるってことに気が付いていないのか、もしくは「死んじゃったけどどうしよう……」みたいな感じで呆然としていたりとか、そんな感じがしていたそうで、「たぶん、亡くなってまだ間もない人だと思う」そうです。

まとめ

今回、話をしてくれた私の同僚は、幽霊が見えていた元同僚が「怖い話としてではなくて、普通にたんたんと語るんですよね」と言っていました。

「怪談話とかで(幽霊のことを)おどろおどろしく語られるのって、逆にかわいそうだなって思います。みんな死ぬし。納得のいかない最期を迎える方もいるとは思うんですけど、みんなが通るサイクルの中の一つ。その境目の部分だけを切り出して、「怖い」というのは少し不自然だなあと思うようになりました。
それまではホラー映画とか見て、貞子(映画『リング』などの登場人物)みたいなのが出てくると「ヒィ~~~ッ!」とかなっていたけど、そういう人がいたとしてもマレなんだろうなと思うようになったのは、元同僚(幽霊の見えていた人)のおかげかなと思っています」

話し手:職場の同僚 女性
採取時期:2020年12月
採取場所:東京都内

「わりと普通に幽霊と出会った」、なんか怖い話


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