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テレビ番組のロケハンで、廃墟のラブホテルに行ったときの話

怖さ:★★☆ 

芸能関係のお仕事をしている人から、 伺ったお話です。

彼が高校生2年生だったころのことです。将来、映像に関する仕事をしたいと希望していた彼は、知り合いのつてで、アルバイトで心霊番組のロケハンに参加することになりました。

行き先は千葉県にある元ラブホテルです。廃墟と化していて、心霊スポットとしてもよく知られた場所でした。

当日は、ディレクター、AD、カメラマン、そして彼の4人で、目的地のホテルの廃墟に向かいました。高校生だった彼の主な仕事は、現場が路駐できない場合の、車の中での待機要員です。

ホテルの廃墟には夕方の5時半くらいに到着しました。冬だったのでもう空はすっかり暗くなっていました。車を止めていても問題はなさそうだったので、彼もいっしょに廃墟の中に入り、撮影の手伝いをすることになりました。

ガラスが割れた廃墟ホテルの中には、もちろん誰もいません。ロケハンの一行はそのまま2階に上がり、部屋に入りました。そして部屋の電気を付けてカメラを回しました。

ロケハンは順調に進み、必要な映像は撮れたので廃墟ホテルでの仕事は終了。スタジオに戻って編集作業です。まだ未成年だった彼は夜の10時までしか働けないので、一行と別れて帰りました。

しかし、しばらくして彼のもとに編集の作業をしていた人から、「やばいよ。映像を見てみて」と、連絡が入りました。

慌ててスタジオに行って編集した映像を見ると、真っ暗でまったく何も映っていません。まるで暗闇で撮影したような映像でした。

考えてみれば、当たり前のことです。廃墟と化したホテルに電気が通っているわけがありません。でも、撮影時には、確かに部屋に明かりがついていたし、そのことについて誰も不思議に思わなかったそうです。

その部屋に入る時も、「先頭を歩く人が何の迷いもなく、吸い込まれるように入ったような気がします」と言っていました。

話し手:20代 男性
採取時期:2023年3月
採取場所:東京都内

ホテルとなんか怖い話



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