夜ジョギングをしていたら、濡れた女の人が伴走してきた話
怖さ:★☆☆
先日、気分転換も兼ねていつもと違う道で家に帰ってみました。歩けない距離ではないけど最寄りの駅ではない、少し離れた駅から自宅に向かって歩いていたら美容院の看板があったので、ふと思い立って入ってみました。
いつもは千円ちょっとのカットのみのところで済ませていたので、気分を変えてみようと思ったのです。
夜8時くらいで、美容院の中には女性の美容師さんが一人いらして、「ちょうど予約がキャンセルになって、閉店までどうしようかと思っていたから」と、予約もなく突然入った私の髪をカット&シャンプーしてくれました。
店内には私の他、客は誰もいませんでしたし、せっかくの機会なのでもしかしたら美容院にまつわる話が聞けるかもしれないと「なんか怖い話ありますか?」と尋ねてみたところ、美容師さん本人ではないけれど、息子さんが体験した話をしてくれました。
今から4、5年ほど前のことです。
当時大学生だった息子さんが、洗足池(東京・大田区にある池です。名前の由来は諸説ありますが、日蓮宗の宗祖、日蓮が足を洗ったという伝説も残っています)の周りで、夜、ランニングしていました。
すると突然、後ろからひゅっと人が出て来たような感じがして、走っている自分の横に、白い着物を着た濡れた女の人が並びました。
びっくりした息子さんは、腰が抜けてその場で転んでしまいました。
しばらくして立ち上がれるようになった息子さんは、その後、急いで家に帰って母親(美容師さん)にその話をしてくれたそうです。
「はっきり覚えていないけれど、夜の9時は過ぎてたんじゃないかしら?顔を見たとかそんなことは言っていなかったけど、『びしょ濡れの女の人』って言ってたから、何かははっきり見えたんでしょうね。私はそういうのよくわからないけど」とおっしゃっていました。
そんなご子息さんも、今は就職して、離れて暮らしているそうです。
わりと不思議な体験はいろいろしているようで、「今度帰ってきたら、ネタになりそうな話を聞いておく」とおっしゃってくれました。
ちなみに、私はもともとほぼ坊主頭だった(夏に坊主にしたのがそのまま伸びて、マリモのような頭になっていた)のですが、美容師さんにカットしていただいたおかげて少しカッコいい坊主頭になりました。眉毛も整えてもらって嬉しかったのですが、家族は髪を切ったことにすら気づいてくれませんでした。
別にいいけど。
話し手:美容師さん 女性
採取時期:2021年9月
採取場所:東京都内
「女性が出てくる」なんか怖い話
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