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亡くなったお母さんの薫りがした話

怖さ:☆☆☆ 

以前、「私が怖い話を伺っている限りでは、匂いに関する話はないなぁと思います」と書いたことがあります。

実際に、これまでいろいろな方の不思議な体験を伺ってきた中で、何かを見たとか、音を聞いた、気配を感じたというお話は伺ったことはあるのですが、匂い(嗅覚)に関する話はありませんでした。

ところが先日、ついに匂いにかかわるお話を伺うことができました。

前に葬儀社に勤めていたことのある方から、聞いたお話です。

彼が葬儀の打ち合わせで喪主さんと話をしていた時のことです。

喪主さんは60代前半くらいの上品な女性で、亡くなったのは遠方で離れて暮らす彼女のお母さんでした。

打ち合わせの中で、ふと喪主さんが「お母さんが最期のときに会いに来てくれたの」とおっしゃいました。

「どうしてお母さまがいらっしゃったことが分かったんですか?」

と尋ねると、喪主さんは「お母さんの薫りがしたから」とほほ笑みました。

喪主さんは、離れて暮らすお母さんが体調を崩しているということは知っていたので気になっていたのですが、ある日ふと、いつもお母さんが好んで焚いていたお香の薫りがしました。

不思議に思っていると連絡が入って、お母さんの訃報を告げられたそうです。

話し手:40代男性
採取時期:2021年11月
採取場所:東京都内(地下鉄の中)

葬儀社に聞いた、なんか怖い話


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