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まるで昭和のホテル、上品なレトロ空間。【欧風菓子 白鳥】

我が家は埼玉県南部の「ほぼ東京」みたいな顔している辺りにある。都内への移動は大体電車だが、ふと「自転車でも行けるのでは」と思いついたので、気になっていたケーキ屋さんに行ってみることにした。

存外坂が多く骨が折れたが、知らない風景の中を走るのは楽しく、なんとか辿り着くことができた。
中板橋駅前、スワンシューで有名な【欧風菓子 白鳥】さん。
近頃の私は狙っているわけじゃないが「レトロ喫茶」みたいなところに惹かれがち。先日伺った四谷のLawnさん(近々書きます!)といい、なんとなく歴史情緒(?)に浸りたい気分らしい。

3階の工場で毎日作るという無添加のケーキは、映えよりも抜群の安定感。ここに来るの初めてのくせに「そうそう、これこれ」って感じの懐かしさとあたたかみを感じる。そして価格がお手頃すぎる!10年位前にタイムスリップしたかと思いました…大変に努力されていると存じます。ありがたい。

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食べてみたかった定番スワンシューを注文し、2階のイートインへ。まるで昭和のホテルのような、上品なしつらい。しかし程よく使い込まれて良い味を感じさせる。BGMにはクラシック。

ドリンクを選ぶ。クーラー冷えしやすい私は夏でもホットを頼むけれど、ヘロヘロになっていた事もあり目先の欲(冷たいドリンク)に眩んでコーヒーフロート。王道ど真ん中なビジュアルにも抗えない。

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すぐに持ってきてくださった。火照った体に冷たさと苦味が染み渡る。
ソフトクリームを食べていくと、味の違う部分を感じた。
なんと、ソフトの下にクリームが入っている!
これはとても良い。
個人的には、正直コーヒーフロートというものは、最初にソフトを食べきるもんだと思っている。ソフトが溶けると変に甘く薄まってしまって後のコーヒーを楽しめなくなってしまう気がするのだ。
しかしこの場合。ややしっかりめのクリームが間にある事で、ソフトが溶けて混ざるのをさりげなく防いでくれている!
なるほどコーヒーとソフトクリームそれぞれを殺さず、かつ、より一層の美味しいへ昇華している。まさに、バイプレイヤー!
…と力が入ってしまうくらい、私の中では衝撃的な出会いだった。
こってりクリームにさわやかなアクセントとなる、シロップ漬けのさくらんぼ、懐かしい味。全体が調和した完璧なバランスでした🍒

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お目当てのスワンシューは、とにかくアーティスティックで食べるのが勿体無い。白鳥の羽を模した美しい生クリームの下に、バニラビーンズたっぷりカスタードのダブルクリーム。
スワンの部分の生地はすぐに口の中で消えるほど軽く、クリームを堪能できるが、土台部分はパイのようにしっかりしており生地の味も楽しめる。
食べ応えあり!

地元民と思われる他のお客さん、窓の外に見える電線と下町の風景、踏切を渡る電車ががたごとと昔ながらの音を立てている。もう少し寛いでいたかったものの、フロートで体が冷え切ってしまったので(案の定)後ろ髪を引かれながらも退店。
帰る前にお手洗いを借りると「お互い清潔にしましょう」との文言があって「お互い」という言い回しにぐっときた。きれいにしてくれる人がいるのだから、自分も恥じない使い方をせねばと、背筋がしゃんと伸びる言葉だった。
お店の方はご家族なのかな?みなさん朗らかで上品で、とても気持ちがよかった。アップルパイや夏季限定のオレンジタルトも美味しそうだったのでまた伺いたいな、もちろん自転車でね。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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