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2023年12月の記事一覧

2023年に読んで面白かった小説をご紹介

今年読んで面白かった小説をざっくりとしたジャンルに分けてご紹介します。今年は他者からの評価に翻弄される若者たちの悲哀を描いた「タワマン文学」と、『地図と拳』で直木賞を受賞された小川哲さんの出版されている作品をすべて読んだことと、17年振りの新刊が話題になった『鵺の碑』が印象に残りました。 タワマン文学麻布競馬場著『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』 不健全な本だなぁと思いながらも、東京に住んでいると何となくわかる内容が多く、結構言いたいことが出てきたので3回にわたっ

2023年に読んで印象深かった本をご紹介

今年読んで印象深かった本を外の話」と「内の話」と言うジャンルに分けてご紹介します。何となく外:世界の認識に関わる話、内:自分自身の認識に関わる話と分けてみましたが、外の話を読んでたつもりが自分自身の見え方が変わったみたいな、内と外が混然一体になった本が自分の好物だったりします。小説なんかでも読み終わった後に世界の見え方がちょっと変わるようなものが高評価になりがちです。今日は小説以外を対象としています。小説はまた別途まとめたいと思います。 外の話マルク・レビンソン著 『コンテ

2023年に出会った良いマンガ、ベスト6

2022年に出会った中で特に面白かったマンガを6個上げてみました。好きなマンガが挙がっていた方は、私と趣味が合うかもしれないのでここに紹介した別の漫画も読んでみると良いかもしれないです。 昨年はKindle Unlimitedで結構な数の新規タイトルを読んだのですが、今年はあんまり読んでなくて、メジャータイトルで読んだことが無かったものを中心に読んでいました。特に集英社が多いのは以前と比べてポイント還元の対象になり易くなったからなんじゃないかと分析しています。マンガ愛してる

2023年下半期に読んで印象深かった小説をご紹介

下期は比較的文芸書をよく読んでいたので、印象深かった小説も多かったです。ど今年はタワマン文学が世間的にも私的にも話題になったなぁという印象です。上期に読んだ『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』もよかったんですけど、主人公を介してそういった人を観察する『君が手にするはずだった黄金について』も非常に良かった。もしかしたら都市部に住んでいるからこそ楽しめる文学なのかもしれないけど。そういった境遇にある人には一読の価値がある本だと思います。 同じ小川哲さんの『ユートロニカのこ

2023年下半期に読んで印象深かった本をご紹介

上期と比べると読んだ数がかなり減っているので、印象に残った本も少なかったです。残念。 22冊ほど読んで印象に残ったのが4冊なので1/5ですね。もうちょっと印象に残る本の率を増やせるといいなぁなどと思っています。まぁ、そのためには数をこなす必要があるんでしょうけどね。 橘 玲著『世界はなぜ地獄になるのか』 キャンセルカルチャーや、ネットの炎上の背景を紹介することによって、平穏な人生を歩む一助になることを目指して書かれた本(多分) インターネットによって誰でも発信できるよう

2023年12月に読んだ本まとめ

ちょっと早いのですが、年末進行なので今月読んだ本をまとめます。今月は『信長の原理』と、『光秀の定理』が印象深かったです。特に『信長の原理』は、主人公、信長の目線が学者のように一歩引いた感じで面白かったです。 文芸書垣根 涼介著『信長の原理 下』 原理を理解した信長がそれに溺れて本能寺の変が起こるというのが面白い。仕事が出来て権力があるだけでは、それぞれが子会社社長な武士の社会では、トップに立ち続けられないということなんだろうなぁ。 光秀がコトを起こさざるを得なかった織田家

思ったことをモゴモゴと

例えば、自分が企業に提供しているものを時間だと思っている人は勤務開始時間や終了時間はきっちり守って、自分が企業に提供しているものが、そこにいることだと思っている人は毎日確り出社して、自分が企業に提供しているものがスキルや知識だと思っている人は、時間やら出社は気にしないけど、アウトプットにはこだわる。 よくサラリーマンは企業に労働力を提供してお金をもらっているとは言うけれど、労働力と言うのはざっくりしすぎているので、細かく考えると上のように何を提供しているのかによってそれぞれ

定額減税に所得制限に思う

NHKのサイトにも同様の記載があったので、国会議員は対象から外すべきだという発言をした国会議員が複数名いたことが想像されるんですが、「人気取りやバッシングされないことをよくよく検討しながら政策を作ってます」 と喧伝するのはうまくないやり方だと思います。 減税されることはシンプルに生活が楽になるので嬉しいですが、そういった発言を目にすると引いちゃう人が多く政策の効果が薄れますからね。 与党は行った政策で評価されるべきだと思いますが、その政策がどこを向いているのかと言う点も確