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日本の養鶏の98%を占める「バタリーケージ」の現状


私たちが普段何気なく食べている卵。それらが酷い状況で生産されていることを、皆さんは知っていましたか?


「バタリーケージ」とは


写真のような、採卵鶏を飼育するための細いワイヤーで作られたケージのことを、バタリーケージといいます。


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その狭さは、鶏1匹あたり約22cm×22cm。タブレット端末1枚分ほどだと言われています。

日本の鶏の実に98%以上が、このバタリーケージで飼育されています。


鶏の本能を阻むバタリーケージ


日本のほとんどの採卵養鶏場で使われているバタリーケージ。なぜこれが今、問題視されているのでしょうか。

それは、バタリーケージが鶏の本能からくる行動を阻んでしまうことにあります。


①安全な場所で卵を産む

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鶏には、暗くて狭い安全な巣の中で卵を産みたいという強い本能があります。

そのため、バタリーケージの中で巣作りの材料がなくても、巣を作る真似をします。


②止まり木に止まって眠る

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鶏は被食種であるため、隠れたいという欲求もあります。

そのため、夜は止まり木に止まって眠ります。

もちろん、バタリーケージの中に止まり木はありません。


③砂浴びをする


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砂浴びも、鶏の本能の一つです。砂浴びとは、羽や皮膚についた寄生虫を落とすために、砂や土を体にかける行動のことです。


砂場のないバタリーケージの中でも、鶏たちはしばしばエサ箱に頭をつっこみながら両翼を動かし、砂浴びの真似をします。羽は汚れ、金網ですり切れます。


これだけじゃない、バタリーケージの現状


この他にも、バタリーケージは鶏の様々な行動を制限します。


土の上を歩いていれば自然に擦り減る爪は、伸びきり、金網にからまります。


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鶏たちは、これらのストレスから体の抵抗力が弱り、病気にかかりやすくなります。そのため、ワクチンや抗生物質を混ぜた餌を与えられたり、薬剤を散布されたりします。

酷い時は、そのまま死んでしまいます。死体は、狭いケージの中で、他の鶏に踏みつけられます。


終わりに


バタリーケージは、卵を安く、安定した価格で提供するために開発された仕組みです。

少ない面積で多くの鶏が飼えること、餌やりなどの管理が容易であることなどから、生産を効率化することができるのです。

しかし、その背景で犠牲になっている鶏のことを、忘れてはいけません。


追記


3月25日、番組がYouTubeで公開されました!



3月28日正午まで、デザインスクール内で広報審査が実施されています。

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資料提供: 認定NPO法人 アニマルライツセンター

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