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スリランカの首都の名前は長い! その意味とは?【5/22はスリランカの共和国記念日】


本日5月22日はスリランカの共和国記念日です。
スリランカとは、インドの南に浮かぶ島国です。上座部仏教が盛んで、宝石が採れたりお茶の生産が盛んだったりすることで有名です。昨年にテロが起きたことも話題になりました。

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もともとセイロンという国でしたが、1972年の今日、国名をスリランカ共和国へ改称したので、今日が共和国記念日とされました。

長くてよくわからない首都名

このスリランカですが、同じアジア圏でもタイやベトナムなどに比べてマイナーなので、首都がどこにあるのか知っている人は珍しいでしょう。

日本でいえば東京のような、大きな都市部はあります。
それが、島の南西にあるコロンボという街です。空港が近く、国外から旅行で来る人は必ず訪れると言っていい街ですね。官公庁街やターミナル駅、ビジネス街、ショッピングモールなどもある大都会です。近年では中国資本による開発も進み、沿岸部は高層ホテルなどが立ち並ぶ煌びやかなリゾートに変貌しつつあります。

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しかし、コロンボはじつは首都ではありません。
本当の首都は、コロンボから南東へ約10㎞いったところにある別の町なのです。
その名前が「スリ・ジャヤワルダナプラ・コーッテ」。

ん?? 長いし、よくわからない……。
とても一度で覚えられる名前ではありません。
いったいどんな意味が込められているのでしょうか。

人名が含まれている!?

この「スリ・ジャヤワルダナプラ・コーッテ」という名前には、きちんとした意味があります。

まず冒頭のスリですが、これは現地の言語・シンハラ語で「聖なる」とか「高貴な」「光り輝く」という意味の言葉です。とりあえず何だかキラキラしたものを示す形容詞ですね。

次に2番目のジャヤワルダナですが、これは人の名前です。あるいは、名前の元の語句です。
スリランカの第2代大統領を務めた、ジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナという人物の名前ですね。このジャヤワルダナという苗字は「勝利をもたらす」という意味があるそうです。
ジャヤワルダナさんは、日本にとっての恩人でもあります。1951年9月6日に行われたサンフランシスコ講和会議にセイロン代表として出席した彼は、そこで日本に対する戦時賠償請求を放棄する演説を行いました。「日本の掲げた理想に、独立を望むアジアの人々が共感を覚えたことを忘れないで欲しい」「憎悪は憎悪によって止むことはなく、慈愛によって止む」などは名言として語り継がれています。
この演説によって、旧日本統治下にあったアジア諸国も日本に対し融和的になったという見方もあります。全部の国から賠償請求されていたら、日本は大変なことになっていたでしょう。まさに日本の恩人です。

光り輝く勝利をもたらす町

話が横道に逸れましたが、首都の名前に戻りましょう。
次につくプラは、「」という意味。
そして末尾のコーッテですが、これはもともとの町の名前です。
つまり、スリ・ジャヤワルダナプラ・コーッテという名前は、「光り輝く勝利をもたらす町コーッテ」という名前になります。あるいは「光り輝くジャヤワルダナ大統領の町コーッテ」と言ってもいいかもしれません。

ちなみにこの町、首都だという割には、なんとも静かです。
それもそのはず、国会議事堂くらいしかないのです。ほかの国の中枢機関はほとんどコロンボにあるだけ。2009年以降は徐々にコロンボから官公庁の移転が行われつつあるようですが、それでも都市というほどではありません。
日本でいえば、永田町だけが郊外にあるようなものですね。


Ⓒオモシロなんでも雑学編集部

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